【コラム】経過措置延長に伴うパチンコ旧規則機の活用方法

投稿日:2020年7月20日 更新日:

・お客様視点の店舗運営
旧規則機の経過措置延長につき撤去期限が2020年末、もしくは2021年11月まで延長され、多数の機種が引き続き活用できる様になりました。

新型コロナウイルスの影響により新台がほとんど無く、今後の新機種リリースの予定も不明確ななか、撤去期限の延長はたいへんありがたい事です。

とは言え無制限に旧規則機が設置できる訳では無く『2020年内に切れる遊技機については2020年5月20日時点での、2021年以降に切れる遊技機については2021年1月31日時点での、それぞれの旧規則機の設置台数をもとに、その15%にあたる台数を目途に毎月撤去を行う』という取り決めがあります。

また各ホール様においては、各機種の検定切れ時期及び認定取得の有無等により、設置できる期間と比率を考慮の上、活用できる機種の選定を行う事が重要課題となります。

そこで今回の連載では、パチンコのミドルタイプに絞り、活用できそうな機種の選定と、活用方法についてお話したいと思います。

新台時の顧客データから見て残したい機種

新規則機の出玉が抑えられ、「勝金額重視派」が新規則機の勝金額に満足できない状況にありますので、選定するにあたってのポイントは、旧規則機の中でも導入3日間データの「勝金額平均」が高く、「アウト/1人」も高かった機種をピックアップしたいと思います。

勝金額平均の高さは「勝ちへの期待値」を表し、アウト/1人(遊技時間)の高さは「コンテンツの魅力」を表します。

まずは(表)をご覧ください。AI–CISでは新台導入3日間データにて、アウト/1人:7,000以上、勝金額平均:2万円後半以上をミドル機における育成対象の推奨基準値としており、2016年1月~2019年5月に登場した旧規則機ミドルタイプを対象に、アウト/1人はポイントを下げ6,000以上&勝金額平均:2万7,000円以上の機種を抽出し、勝金額平均の降順に出力しています。

◆用語説明
・アウト/1人(玉)
一人当たりの平均アウト玉数

・投資金額/1人(円)
一人当たりの平均投資金額

・勝率(%)
全遊技者内の勝ち客の人数比率

・勝金額平均(円)
勝ち客一人当たりの平均勝ち金額

・再遊技率(%)
期間内で初めて遊技した人が2回目の遊技をする比率

抽出された機種は15機種ありますが、アウト/1人の推奨基準値7000以上の機種は6機種に留まりました。近年におけるユーザーの粘りが低下している様子が窺えます。

勝金額平均3万円以上の機種が5機種あります。推奨値基準値を超えている機種は、何れも今から振り返って見ても長期活用がされている機種と言えるのではないでしょうか。「真・北斗無双第2章」に関しては、アウト/1人、勝金額平均ともに基準値を超えていますが、長期活用がされた機種とは言えないでしょう。

導入当初はユーザー評価が高かったのですが、「真・北斗無双」が育成されるなか、どうしても辛く運用され、早期離反に繋がりました。ですからユーザーの持っているイメージは『勝金額の期待値』が高い機種と思われ、今なら再遊技するのではないかと思います。

その他、注目したい機種は、「牙狼GOLD STORM翔」と「ルパン三世」です。

勝金額平均は2万7,000円台で、やや低めではありますが、アウト/1人は8,000を超えており、再遊技率も高い事から「コンテンツの魅力」は十分であったと思います。

勝率も30%弱と高めで「勝ちやすい」機種であり、甘めに運用し『勝率の期待値』を高めユーザーの粘りが引き出せれば、多くの人が勝ち体験を得られる機種だと思います。

勝率30%が提供できるミドル機がほとんど存在しない昨今においては、ユーザーの再支持が得やすい機種ではないでしょうか。

認定機に関しましては、各ホール様の認定取得有無により再設置、活用の可否があるかと思います。検定機に関しては再設置、及び中古機にて購入し活用可能な機種もございますので、今回抽出した機種を再活用の参考にしていただければ幸いです。

(参考)までに、同一基準で新規則機を抽出したところ僅か3機種に留まっています。アウト/1人:7,000&勝金額平均:2万円後半を超えた機種は今のところ1機種も存在していません。

旧規則機と比較し出玉性能が大きく劣らない様、ヘソ賞球が3個以下でベース値が下がった機種が主流になり、玉単価が上がり辛くなっています。その為、ユーザーが粘らなくなっており、アウト/1人が上がらず、勝率、勝金額平均が低くなっているのです。

この点からも、現時点では旧規則機を遊技した方が「勝ちやすく」感じるのではないでしょうか。

選定した機種の活用方法

表の中でも残したい機種は、確変中払出2,000個以上で、特に2,400個を搭載した機種です。

現在も主力機として活用されている「真・北斗無双」と「花の慶次・漆黒」以外の機種に対して多くのユーザーが持つイメージは「回らない、遊べない」でしょう。勝ち体験した人にとっては高い勝金額が得られており、「勝金額重視派」にとっては概ね満足の数値であったと思います。

『2,000個OVERコーナー』等を設け、新規則機との違いをPRするのも良いのではないでしょうか。

甘めで運用すれば遊技するユーザーは多いと思います。広告宣伝の自粛が緩和され新台の広告宣伝は可能となりましたが、主だった話題機は無く新台での集客が望めない中、新台の予算を旧規則機の出玉にて還元し、設置期限が延長された旧規則機を再稼働させる絶好のタイミングの様に思います。

◆著者プロフィール
三輪 勝治
㈱エムシック代表取締役
1985年立教大学法学部卒業。パチンコ業界大手周辺機器メーカーに勤務。遊技台情報公開システム、情報ネットワークシステムの開発に携わる。退職後、One To One顧客管理システムの開発・販売会社設立に参加。業界初の顧客遊技履歴データネットワークシステムを立ち上げる。システム開発、セミナー講師、等幅広く活動。2016年10 月株式会社エムシック設立。
URL www.ai-cis.com
Mail info@ai-cis.com

-コラム
-,

© 2024 グリーンべると(パチンコ・パチスロ業界メディア) Powered by AFFINGER5