【連載コラム】パチンコホール版DXのすすめ
~vol.11(最終回) DX導入とセキュリティ

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SmartAnalysisが叶える
次世代型経営スタイル

(文=森拓也/スマートアプリケーション代表取締役)

今回でコラムも最後になりますので、DXのカギとなる情報セキュリティについてお話いたします。

パチンコホール企業は会員情報を中心としたユーザー情報や設定情報、従業員データ等の個人情報や日々の営業情報や経理系の社内情報など数多くの機密情報を扱っております。設定漏洩や端玉の盗難も課題です。ホールコンピュータに登録した設定情報が必ずしも正しいとは限りません。午前中から高稼働で払出が大きい機種を抽出できるシステム環境の構築や特定会員による貯玉の頻度管理の自動化を実施することも顧客からの信用構築のための重要事項です。

これらの情報に対するセキュリティ対策を怠り、設定情報等の重要情報の漏洩が発生した場合、企業経営や事業活動に対して多大な損害を被るだけでなく、企業の信用の棄損によって事業の存続そのものが危機に追い込まれる可能性があります。

これらに対して、ハード面とソフト面の両面から対策を講じる必要があります。ハード面では、ネットワークのセキュリティやPCからのデータ漏洩対策、データの暗号化、社内IT機器やモバイルデバイスの利用制御、内部・外部両面からのマルウェア対策、メールセキュリティまで考えることは多数あります。

ソフト面で最も重要なのは従業員一人一人の情報セキュリティに対する意識教育を実施しているのかという事です。同時に運用面の対策も必要です。LINEやSlack、Chatwork、Dropbox等のフリーツールを便利という理由だけでセキュリティを意識せずに使用していると意図せずに情報漏洩が発生するケースが多いため気を付けなければなりません。メリット、デメリット、リスクをしっかりと把握したうえで、会社のセキュリティ方針にのっとり本部で情報管理できる仕組みの構築が必要不可欠です。

セキュリティ意識なく、DX化を考えることは防御なく戦いに臨むのと同義です。

「Vol.1の内容はこちら」 「第四次 産業革命」にホールが対峙するために
「Vol.2の内容はこちら」 DXを実行するために~目的の明確化~
「Vol.3の内容はこちら」 DX推進に取り組むために~パートナー選定~
「Vol.4の内容はこちら」 情報をコントロールするための「商圏分析」とは
「Vol.5の内容はこちら」 リスクを最小化するための「機械調整」とは
「Vol.6の内容はこちら」 業務効率向上施策の検討 ~その1「BPR」~
「Vol.7の内容はこちら」 業務効率向上施策の検討 ~その2「RPA」
「Vol.8の内容はこちら」 業務効率向上施策の検討 ~その3「RPAとBlツール」
「Vol.9の内容はこちら」 競争上の優位性への取り組み
「Vol.10の内容はこちら」 DXマーケティングの実践

森 拓也(もり・たくや)●株式会社スマートアプリケーション代表取締役。金融業界にて融資、審査、予算統括、IPO支援、海外企業との事業提携、M&A、金融スキーム構築業務に従事。ITCベンチャー企業(GMS、小売、外食、アパレルチェーン店向け)に転職し取締役として管理部門統括、IPO、IR業務、IoTを活用した各種システム構築業務を対応し2003年よりパチンコホール向けの各種システムやネットワーク提供業務を行う。2004年より慶応大学ナノテクベンチャー取締役兼務。2009年7月、スマートアプリケーションを起業し現在に至る。
●株式会社スマートアプリケーション

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