カジノとの明確な違いを示す概念整理が課題

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 東日本大震災に伴って噴出した“パチンコ・バッシング”を受け、今後パチンコ業界が向かうべき方向性をテーマに8月19日に都内で開かれた「PCSAパネルディスカッション」で、出席した4人のパネラーから「時間消費型レジャー」を目指すべきという共通の見解が示された。

 パネラー4人は、葉梨康弘氏(元・警察官僚で、前・自民党衆院議員)、和田裕氏(元・通産官僚で、現・日本イノベーション代表取締役社長)、内堀良雄氏(産業別労働組合UIゼンセン同盟常任中央執行委員・生活総合産業部会事務局長)、牛島憲明氏(元・ジャスダック取締役兼執行役員。現・牛島憲明事務所代表)。

 パネルディスカッションではまずバッシングの中でももっとも影響力が大きかった「石原都知事発言」を捉えてその背景に潜む日本人の価値観の変化が議論されたが、震災前から中庸の精神(何ごともやり過ぎはよくないという精神性)をどこか失いかけている風潮のあった中で未曾有の大震災が発生、そのショックが一種のパニックを引き起こし、その余波がパチンコに負に働いた可能性があるとの見方が示された。

 次に議論は、復興が急がれる中で、パチンコ業界が今後、事業の継続性をどう担保すべきかに論点は移り、大きく(1)復興基金の創設、(2)カジノとの棲み分け、の2つの視点を軸点に討議が進められた。

 2つの視点が提起されたのは、バッシングを受けないためにも、より強固な社会とのつながりを築く必要性があることや、復興のためのカジノ創設という議論が出てくる可能性に言及する発言があったため。また復興基金では換金合法化に関連づける意見と、あくまで社会的認知を目的に換金の一部を基金に回す、あるいは全国一律の制度化が難しいのであればできるエリアから実施していってもいいなどの意見も出された。

 スだ元・警察官僚の葉梨氏は、現行の風適法がパチンコを賭博から阻却する思想的着地点について「技術介入性」と「時間消費性」を明示。偶然の輸贏(ゆえい)ではなく、技術格差が出玉の開きにつながるところに賭博罪から阻却されるパチンコの根本思想があると述べる一方、現在の遊技機には偶然の輸贏が相当広がっていると指摘。賭博罪から切り分け、カジノとの違いを明確化するには、パチンコの概念を改めて整理する必要があると語った。

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