当サイトの別の記事で既に報じられていますが、7月19日にホール関係者向けに「スマート遊技機フォーラム」が東京ドームで開催されました。当日は来場者240名の他に、全国からオンラインでの視聴者が3,956名と数多くの方が視聴したようです。
詳細な内容は上記の記事を改めて読んでいただくとしまして、私からは現場の開発者として「それで、スマートパチンコ、スマートパチスロは買いなの?面白いの?」ということについて言及したいと思います(文=荒井孝太/チャンスメイト代表取締役)。
フォーラムでは、日工組(パチンコメーカーの団体)及び日電協(パチスロメーカーの団体)のそれぞれの代表の方から主な仕様についての話がありましたが、その内容というのは既報のモノも多く、また実際に指定機関の適合等が出ていない状況から、ある程度の方向性を示した内容になるのは仕方がない部分があると思っています。より具体的な詳細に関しては、導入直前になってみないと分からない、お伝えすることが難しいということですね。
ということで、私は別の視点からスマート遊技機について言及及び考察をしてみたいと思います。
まず結論から申し上げると、スマートパチンコ、スマートパチスロは買いです!間違いありません。その理由として、1992年から徐々に導入が始まったCR機を思い返していただければ宜しいかと思います。
当時は現金機が全盛の時代だったかと思いますが、現在では現金機というものは規則上、存在するものの、2010年を最後に発売及び生産されていないのが現状です。
ぱちんこ機においては、P機(CR機)、現金機、スマートパチンコ機、これらは全て同じ規則のもと管理されており、全て保通協やGLIJapanという指定機関にて検査を受け、適合が出たものを各都道府県の公安委員会に持ちこみ、許可が出たものだけがホールに設置できるという手順を踏むことになります。P機S機においても、スマート遊技機においても、現金機だったとしても全て同じ規則、同じ手順で開発しリリースされるわけです。
スマート遊技機はパチンコ依存、感染症、騒音、不正ゴト行為の更なる撲滅など、喫緊の課題の改善に対応しているほか、キャッシュレス対応や双方向通信の搭載など、更なる技術革新にも期待できる次世代の遊技機です。そのため、遊技機メーカー側が意図をもって最優先で開発を推し進めるということは容易に想像がつくわけです。
勿論、ホールに機械を購入して頂いてこそ設置ができ、一般ユーザーに支持していただいてこそ需要が拡大していくわけだが、遊技機メーカー側も積極的に情報を発信をしているところや、その熱を聞く限りは様々な観点で推進したいという意図や思いがあるのは明白であり、ホールやユーザーの信頼を獲得するために、現行のP機やS機よりも魅力ある機械をリリースして普及したいという思いがあるのではないでしょうか。
魅力ある機械という話になったとき、真っ先に話題に上がるのは「出玉性能」についてのアレコレが殆どだが、私はそれだけではないと考えております。ユーザーからすると差玉が大きく大勝することもあるということは、そのぶん吸い込みがキツくなるのも同義語であるといえるのは百も承知です。
出玉性能が低くなり過ぎるのも問題だが、高くなり過ぎるのも問題です。一般ユーザーには、現行機よりも面白くなることに加え、勝率が今より高くなる、今の機械よりも明確に勝てる、遊べる、といった印象を持ってもらうことが、更なる向上につながると思います。
それを実現するためにもゲーム性の更なる拡充、安価なコスト面のほか、性能の充実なども合わせて推し進めていくことを遊技機メーカー側も努力していると聞き及んでいますので、これからもフォーラムなどでの情報発信や積極的な意見交換などを行い、業界全体でより良いスマート遊技機を作り上げていくといった視点で私も頑張りたいと思います。
◆プロフィール
荒井孝太
㈱チャンスメイト 代表取締役
パチンコメーカー営業、開発を歴任後、遊技機開発会社チャンスメイト(https://chancemate.jp/)を設立。パチンコ業界をより良く、もっと面白くするために、遊技機開発業務の傍ら、ホール向け勉強会や全国ホール団体等の講演会業務など広く引き受ける。