「スマート遊技機フォーラム」開催、遊技性の特徴など明らかに

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ホール関係者向けの「スマート遊技機フォーラム」が7月19日、都内文京区の東京ドームホテルで開かれた。当日は会場への来場者数240名に加え、3,956名がオンライン視聴した。

スマート遊技機(スマートパチンコ、スマートパチスロ)は、玉やメダルを触れずに遊べる次世代の遊技機。2018年に施行された改正規則によりギャンブル等依存症対策強化の一環として開発が可能となり、依存症対策のみならず、感染症対策やホール内での騒音問題、不正ゴト行為の撲滅など、様々なメリットが期待されている。

フォーラムではスマートパチンコ、スマートパチスロの特徴や既存の遊技機との違いなどを、日工組、日電協それぞれの理事がプレゼンしたほか、メーカー代表者やホール代表者によるパネルディスカッションが行われた。

プレゼンの中で、日工組の盧昇副理事長はスマートパチンコの遊技性を紹介。現行の内規で定めている大当たり確率の下限値1/320について、スマートパチンコでは1/350に緩和することを明かした。これにより、スペック設計の幅が広がるなど、多様性のある遊技機の開発が可能になるという。さらにスマートパチンコでは、C時短の仕様を緩和。パチスロのAT機でいうゲーム数管理、あるいはAT中のCZのような、今までのパチンコにはない新しいゲーム性が実現できると述べた。

一方、日電協の大泉秀治理事は、2400枚規制を従前のMY管理方式から差枚数管理方式としたことなど、6.5号機で可能となった点を改めて紹介。その上で、スマートパチスロならではの緩和点として、有利区間の上限ゲーム数の撤廃を挙げた。AT中のゲーム数を十分確保できるなどスペック設計の幅が拡がるとした。また両理事の説明では、射幸性を抑制策として、スマート遊技機にはコンプリート機能(出玉のリミッター。パチンコはMY 95,000発、パチスロはMY 19,000枚)の搭載を義務付けている。

日電協の里見治紀理事は、スマート遊技機による業界の未来について言及。設置場所の制限が少なくなることでコンビニ規模のホールができる点など、スマート遊技機だからこそ実現できる点を紹介するとともに、中長期的な構想として、キャッシュレスへの対応や手続きのデジタル化、双方向通信の搭載、ブロックチェーン技術の活用などによる業界版DXなど、今すぐには実現不可能なことも、スマート遊技機が普及し、それぞれ仕組みを構築することで実現できるのではと語った。

主催者を代表して挨拶した日工組の榎本善紀理事長は「スマート遊技機は時代の変化に合わせて進化できるシステムでもある。どう可能性を広げることができるか、ホール様と一緒に育てていければと思う」と述べ、日電協の兼次民喜理事長は「導入の始まった6.5号機は売上、稼働など素晴らしい数値を残している。ファン離れに歯止めがかからない現状だが、スマートパチスロがファンに喜んでもらえると確信している」と話した。

ホール代表としてパネルディスカッションに参加した全日遊連の阿部恭久理事長は、「スマート遊技機が救世主になれるかは、コスト面も非常に重要。現状、遊技機の価格負担が大きいため、この点、配慮頂きたい。依存問題、コロナ対策、労働環境の改善などにおいてスマート遊技機には期待ができる。また周辺機器が減ることでのコスト削減や、店舗が簡単に作れることを可能としたことで、ファン層の拡大にも繋がるのではないか」と、メーカー関係者に対する要望やスマート遊技機に期待している点などを語った。

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