パチスロ、6.5号機時代へ【コラム】

投稿日:2022年2月1日 更新日:

2022年1月中旬よりパチスロ6.5号機の型式申請が開始されました。
(文=ジェイさん@発信する遊技機クリエーターJ-BEAT合同会社代表)

現行の6号機との差分については様々な要素が挙げられていますが、大きなポイントは以下の3点。

・有利区間ランプの撤廃
・枚数上限2,400枚の定義が「MY」から「差枚」へ
・スマートパチスロ+有利区間G数無し

その他、有利区間4,000Gやコンプリート(打ち止め)機能などいくつか存在しますが、この3点ほど重要な物ではありません。

6.5号機の市場投入はこれらの要素全てが揃った機械が出てくるのではなく、段階的に搭載された物が登場する事になります。

本日は直近の最大の関心事でもある『枚数上限2,400枚の定義が「MY」から「差枚」へ』に絞ってお話させていただきます。

差枚数管理機のポイント

まず、これまでの6号機では実現出来なかった一撃2,400枚を超える性能を実現出来る事。

これは設計の幅という面で大きくプラスになります。

しかし単純に5号機の頃のように、一撃性能を自然に出玉設計に組み込めるかというとそうはいきません。

6号機の型式試験では1,600G間で150%(+約2,000 枚)を超える出玉が発生した場合に不適合となります。

純増2枚×1,600G=3,200枚のように、現状主流の2~3枚純増機で一撃3,000枚以上を出す設計が、いかに6号機規則とマッチしていないかお分かりいただけるかと思います。つまり、6.5号機も6号機である以上、これまで同様に一撃で2,400枚に到達する頻度は大きく変わりません。

変わるのは、同じ頻度で・・・・・2,400枚以上の出玉を放出できるようになったと言う点です。

とはいえ、試験では起きない程度の頻度(分かりやすく言えば、某白鯨の機種で完走する頻度)であってもMAX枚数が3,000〜5,000枚程度となるのはポジティブな要素と考えていいでしょう。

新6号機時代へ

そもそも、6号機の法律上、2,400枚上限はありません。現市場においても一撃にこだわらなければ、2,400枚以上の差玉が出る性能の機械は多数あります。これは偶発的な性能ではなく、型式試験において6,000Gを遊技して約+4,000枚であれば不適合になる事もありませんので、自然な範囲で設計されているのです。

では、なぜここまで2,400枚上限という言葉だけがクローズアップされネガティブに捉えられているのか。それは最近の一撃性能に特化したパチンコとの対比、そしてかつて5号機で生まれた一撃性能にクローズアップしたゲームデザインにあります。

5号機のAT/ART機は、フリーズや大きな上乗せを駆使する事で、一撃で5,000枚の夢がみえる機械に人気が集まりました。これは5号機序盤にはなかった性能ではありますが、試行錯誤の中で一撃3,000 枚、4,000枚、5,000枚と狙える設計が生まれていったのです。

差枚数管理に加え、最初に挙げた6.5号機性能を十分に発揮する機械は、一撃出玉といった5号機への回帰ではなく、6号機規則にあった新しいゲームデザインに生かすことで真に発揮されるといえます。

今後有利区間が長くなり(無制限になり)、境目も分からなくなった性能を使えば、一撃性能に頼らずとも自然に3,000枚以上放出するようなゲームデザインも十分可能になります。

最後に

パチスロは現在主流のパチンコと違い、約3倍の速さで通常G数を消化する事ができます。 1度の当たりの出玉に頼るのではなく、複数回の当たりを積み重ねて差玉を伸ばしていくゲ ーム性が十分可能です。

今後は5号機の影を追い続けるのではなく、6号機として新しいゲームデザイン(遊び方)を追求した機械からヒット機種が生まれてくることでしょう。

・パチンコとは違った性能(遊び方)
・5 号機とは違ったゲームデザイン(遊び方)

この点に注視して機種をみていけば6号機のブレイクスルー、ヒット機種がみえてくると考えています。

◆プロフィール
ジェイさん@発信する遊技機クリエーター
J-BEAT合同会社代表

発信するプロ遊技機クリエーター兼ライター。過去遊技機メーカー3社で勤務。在籍中に10数機種の遊技機開発に携わる。現在は法人を経営しつつ、フリーのクリエーターとして遊技機開発に従事。また、メーカー所属では出来ない発信、評論を活動を行っている。
Twitter:https://twitter.com/jsan65536

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