【コラム】「BT比率10%」より先に考えたい、パチスロ次世代ノーマル島の運用設計

投稿日:2026年4月22日 更新日:

2026年4月、日電協と日工組が毎月13日を『BTの日』とするプロモーションを開始し、BT機の認知拡大に向けた動きが本格化しています。業界全体でこのカテゴリーを盛り上げていく方向性は重要ですが、ホール現場において真に求められるのは、掲げられたBT機の設置比率10%という数字を追うことではありません。自店の島構成の中でBT機をいかに位置づけ、どのように活用していくかという具体的な運用の設計です。(ジェイさん@発信する遊技機ブランドプロデューサー /J-BEAT合同会社代表)。

■パチスロ設置台数が増加しているという現実

まず捉えておくべきは、市場の需給バランスの変化です。2025年1月末から12月末にかけて、全日遊連加盟ホールの営業店舗数は6,001店舗から5,793店舗へと208店舗減少しました。その一方で、パチスロの設置台数は123万7,425台から125万8,796台へと2万台以上増加しています。2026年3月末時点ではさらに増え、126万4,616台に達しています。

1店舗あたりのパチスロ設置台数も、2025年1月の約206台から2026年3月には約221台まで増加し、総台数に占める構成比も40.7%から42.5%へと上昇しています。現在起きているのは、単なる機種の入れ替えではなく、ホール内におけるパチスロ設置面積そのものの拡張です。この拡張されたスペースをどう活用するかが、ホール目線で今後の収益性を左右する大きな分岐点となります。

■分類の正しさよりユーザー目線での分かりやすさ

©UNIVERSAL ENTERTAINMENT

この流れの中でBT機をどう扱うかを考えたとき、開発上の厳密な分類と、ホール現場での見せ方は分けて考える必要があります。たとえば私たち開発者目線で言うと、『クランキークレスト』はノーマル機、『スマスロ ハナビ』はRT機、『スマスロ サンダーV』はBT機と分類できます。しかし、ライト層から中級層に向けた実際の遊技動線においては、これらを細かく切り分ける必要はありません。

むしろ、ボーナスを中心に遊技する機種群として一括りにし、それらはノーマルタイプのバリエーションの一種として見せる方が、ユーザーにとって納得感のあるコーナー構成となります。BT機を過度に特別視して独立させるよりも、次世代のノーマル機として島全体に溶け込ませる方が、現場での扱いやすさとユーザーの安心感に繋がります。

■比率目標より、絶対台数で増やす発想へ

ここで気を付けたいのが、「BT比率10%」という業界目標の受け取り方です。比率だけを重視すると、既存のAT機を削ってBT機を入れる発想になりますが、これはホールの現場感と必ずしも一致しません。粗利を取りやすいAT機を減らし、育成前提のBT機を増やすだけでは、島全体の収益構造が不安定になります。

むしろ現実的なのは、増えるパチスロ台数の中で、AT機の土台は維持しつつ、その増加分を使ってBT機を含むノーマルタイプコーナーを厚くしていく考え方です。こうした機種群は短期の初動だけでなく、半年から1年単位で固定客をどう積み上げるかが重要になります。BT機単体で見て比率を追うというより、「次世代ノーマル島」を構成する一員として捉える方が、導入判断と運用設計の両面で無理が少ないといえます。

■ノーマル島を再設計する

BT機の普及における本質は、特定の新スペックを増やすことそのものではありません。Aタイプ、RTタイプ、そしてBTタイプを含めたノーマルタイプ全体の選択肢をどう構築し、いかに分かりやすく提案するかという再設計にあります。

パチスロ島の拡張が進む今だからこそ、BT機を何台入れるかという議論を超え、自店における次世代ノーマル島をどう形作るかという視点で考える方が、よりユーザー目線で、かつ実務的ではないでしょうか。BT機の導入をノーマル島全体の価値向上に結びつけることこそが、中長期的な稼働の定着、そして市場の健全な発展に寄与するはずです。

◆プロフィール
・ジェイさん@発信する遊技機ブランドプロデューサー
J-BEAT合同会社代表

遊技機の価値を、開発起点で市場に届ける仕事をしています。
パチスロ開発(2007年〜現役)
X(旧Twitter):https://twitter.com/jsan65536

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