【コラム】全部見せるパチンコ店は負ける。広告は表示配分で差がつく時代へ

投稿日:2026年5月15日 更新日:

失敗しない売り場プロモーション_54(文=野島崇範/株式会社プラスアルファ専務取締役)

本コラムでは繰り返しお伝えしていますが、我々人間は「欲求の生き物」です。強い欲求があれば反応し、欲求がなければ反応しません。

例えば、街中で「赤い服を着た人」や「赤い車」を見かけても、多くの人は覚えていません。それは「赤」や「服」「車」に対して強い欲求がないからです。しかし、もしその対象に対して強い関心や欲求があれば、驚くほど鮮明に記憶に残ります。

そして現代において、この「欲求」は非常に分かりやすい形で可視化されています。それが検索行動です。

欲しいから調べる、食べたいから調べる、遊びたいから調べる――。つまり検索数は、そのまま“顧客欲求の強さ”を示す指標なのです。

欲求の強さで情報に差をつける

4月20日の週に導入された次の機種を例に見ていきます。『Lミリオンゴッド』『Lガンダムユニコーン』『eキン肉マン』の検索推移を見ると、ミリオンゴッドとキン肉マンは3月29日から検索発生。ガンダムユニコーンは4月4日に単発的に検索発生。つまり、「継続的な欲求」という観点では明確な差が存在しています。

インタレストの推移と平均値

さらに重要なのが、図の右側に表示されている棒線グラフのインタレスト平均値です。

ミリオンゴッド:34、ガンダムユニコーン:2、キン肉マン:15
これを割合に変換すると、
ミリオンゴッド:67%、ガンダムユニコーン:4%、キン肉マン:29%となります。

この数値をどう活用するか。答えはシンプルです。「表示面積」と「表示秒数」を、この比率で配分します。例えば、ポスターやチラシの場合、約7割ミリオンゴッド・約3割キン肉マン・その他は機種名のテキストのみ(画像なし)。

また、30秒動画の場合、約24秒ミリオンゴッド・約6秒キン肉マン・ガンダムユニコーンは基本表示しない制作となります。ここで重要なのは、平等に扱わないという判断です。

現場ではよく、全機種を均等に見せる。店長の好みで露出を決める!といったケースが見られます。しかしそれは、顧客の欲求とズレた情報発信です。

販促物の役割は、「情報を伝えること」ではありません。顧客の欲求に火をつけ、行動させることです。そのためには、何を大きく見せるか、何を長く見せるか、何をあえて見せないか、この取捨選択が極めて重要になります。欲求の強いものに集中させることで、顧客反応が生まれます。

【お知らせ】
最新の広告手法をLINEから得る「アドレディ」
https://lin.ee/tUZwGaM

◆プロフィール
・野島崇範(のじま たかのり)
1983年三重県生まれ。北海道教育大学卒。全国のホールを年間1,000店舗以上調査し、その中から繁盛店に共通する法則を見つけ出し「伝達力」と定義。「伝達力」調査の分析に基づき、お客様立場の徹底と継続の重要性を、支援先ホールの全スタッフと共有する。また、売り場ランチェスター戦略の第一人者として、科学的に売り場の支援を実施。売り場の書籍「あなたの売り場、太っていませんか?」を発売。

関連記事

-コラム
-, ,