【レポート】SNSとYouTubeでファン接点を再設計/合田観光商事、「関係構築型運用」で来店・採用に波及

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北海道・東北で《ひまわり》を展開する合田観光商事は、SNSと動画プラットフォームを活用し、広告・販促の枠を超えた「関係構築型」の情報発信を推進している。「X」と「ユーチューブ」を軸に役割を明確化し、来店動機の創出や採用にも波及する成果を上げている。

媒体特性を生かしたファン形成の導線設計

SNS強化に舵を切ったのは約6年前。従来の広告依存からの脱却を見据え、「主戦場はSNS」と判断したことがきっかけだ。試行錯誤を経て方針を整理し、現在の運用体制へと進化させた。

特徴は、SNSを「宣伝ツール」ではなく「関係構築のツール」と位置付けている点だ。この思想は媒体ごとの役割設計にも表れている。「『X』は拡散力を活かした認知・興味喚起の“入口”、一方『ユーチューブ』は理解と共感を深める“本丸”として、ファン化を担う」と、営業本部の大島副部長は説明する。

評価制度の整備で継続性と質を両立

運用面では組織としての一貫性を重視する。成果が見えにくいSNS業務に対し、同社は評価制度の整備で対応した。従来は投稿数やフォロワー数などに応じたインセンティブ制度を導入していたが、個人依存の課題が残った。

そこで昨年から、SNSの取組み自体を評価項目に組み込む体制へ移行。目標設定段階からSNS活用を前提とし、組織全体の評価に位置付けた。これによりSNSは“付随業務”から正式業務へと昇格し、継続性と質を両立する基盤が整った。

ブランドへの共感を軸にファンを育てる

同社はフォロワー数などの数値目標をあえて設けず、一過性のバズではなくブランド理解と継続的支持を重視する。本社はチェック体制を敷きつつも過度な制約を設けず、現場の自由度を確保することで、リアルで魅力的な発信を可能にしている。

その結果、「SNSやユーチューブをきっかけに遠方からの来店や採用応募につながっている」と大島副部長は手応えを感じている。

SNS競争が激化する中、同社の事例は「拡散」ではなく「関係構築」を軸に据えた運用の有効性を示す。ブランドへの共感を起点にファンを育て、その積み重ねが来店・採用へとつながる好循環を生んでいる。

次からは、《豊平ひまわり》でX、ユーチューブを運用する「ぽにょさん」「武藤主任」の取り組みや工夫を紹介する。

ぽにょ🐠パチンコひまわり(@HIMAWARI_NANASI)

──X運用で心掛けていることは何でしょう。
最も意識しているのは「主語を自分ではなく、お客様に置くこと」です。見る人が楽しめる内容や表現を優先し、ネガティブな発信は控えています。また、流行の兆しをいち早く捉え、投稿に反映することで自然と目に留まる内容づくりを重視しています。

──これまで特に反響は大きかった投稿はどのような内容でしょう。
パチンコ機のハンドル清掃の様子を紹介した投稿です。内部に入り込んだ硬貨などの異物も併せて紹介したことで、「こんなものが入っているんだ」といった驚きの声が多く寄せられました。結果として、固定ハンドルへの注意喚起にもつながり、実用性と意外性の両面で評価された投稿になりました。

──運用を続ける中で見えてきた課題はありますか。
ホールスタッフのアカウントである以上、閲覧者が既存のパチンコファンに偏りやすい点です。開設当初と比べれば業界外からの認知は広がっていますが、今後はより多くの人に自身や《ひまわり》を知ってもらえるような発信を続けていきたいと思います。

──運用するうえでアドバイスなどありますか。
重要なのは「投稿の先に何を実現したいのか」という目的意識を持つことです。なんとなく運用するのではなく、「会社を知ってもらう」「来店してもらう」という具体的なゴールを設定が、継続的な運用のモチベーションにもつながります。

武藤主任(ひまわり公式チャンネル)

──動画制作で最も重視しているコンセプトは何ですか。
単なる機種紹介や試打ではなく、「閉店後のホールだからできる内容」と「ユーザーが気になるテーマ」を重視しています。試打動画は既に数多く存在するため、ホールならではの環境を活かした企画を意識しています。

──動画ネタはどのように発想していますか?
業界の視点だけに偏らないよう、外部の方にも参加してもらい、その方が純粋に感じた疑問や興味をベースに企画を考えることで、ユーザー視点に近いテーマを拾うことができています。

──これまで反響が大きかった動画の特徴は何ですか。
「遠隔操作」など、業界として触れにくいテーマを扱った動画は大きな反響がありました。踏み込みにくい内容ではありますが、ユーザーの関心が高いテーマであることは明らかでしたので、会社としても実施に踏み切りました。この動画をきっかけに、他のチャンネルとは一味違うと認識いただいたと思っています。

──今後のユーチューブ運用の方向性を教えてください。
現在は《豊平ひまわり》で撮影を行っていますが、出演者目的で来店するユーザーも増えてきています。この動きを活かして全国に《ひまわり》のブランドを広げていきたいと考えています。

──運用するうえでアドバイスはありますか。
まず前提として、長期的に運用するには社内のバックアップ体制が不可欠です。そのうえで重要なのは「好奇心」だと考えます。日常生活の中で常に「これを動画にできないか」と考える習慣を持つことが、企画の質と量を支える要素になると思います。

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