【コラム】パチンコ「ラッキートリガー機」に潜む罠とは?

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パチンコ機の中で比較的、好調に推移しているのがラッキートリガー搭載の機械です。全国データでも非凡な成果を出した機械は、その殆どがラッキートリガー搭載機となっています。今後もかなり増えてくることが予想されますが、それだけに「罠」に気を付けたいところです。本日は、そんなラッキートリガー機に潜む罠について言及したいと思います(文=荒井孝太/チャンスメイト代表取締役)。

・体感の大当たり確率と実態の大当たり確率の差

やはりラッキートリガー機を語る上で外せないのは、実際の大当たり確率とユーザーが体感する大当たり確率に差異があるということです。表面上の確率は1/199ですが、大当たりした内の半分ぐらいが、いわゆるチャージ演出で図柄揃い確率は1/399なんて機械も珍しくなくなりました。

、今度リリースされるサンセイアールアンドディの『eゴッドイーター』は図柄揃い確率1/539なんていうとんでもない数値という話です。これらの機械の可否等は一旦置いておくとして、このような機械を表面上の確率であるライトミドルとすると間違いなく問題がありますよね。

ユーザーが体感する大当たり確率は図柄揃い確率に近しい一方、大当り信号に関してはそうなっていない場合が多いです。実際にホールやメーカーの意見を聞いたりすると「1/399とかで大当たり信号を取ると、1日で2、3回しか特賞が上がらず見た目が非常に悪い」といった意見等も上がったりし、そのため意図的に表面上確率で大当たり信号を取っているホールもあるようです。

が、ちょっと待ってください。

「大ハマりなど、見た目が悪い」というようなゲームフローのスペックを作ってリリースして設置しており、実際にその機械をユーザーに打ってもらっているという事実には何とも思わないのでしょうか?といった疑問です。

もちろん、多種多様なスペックをリリースするのは悪いことではありませんし、ハイリスクハイリターンの機械を求めるユーザーが一定数いるのは当然理解できますが「大ハマりは心証が悪い」といった理由で大当たり信号の取り方を変えているのであれば、「そんな台をユーザーに打って頂いているのですよ」という側面は今一度認識したほうがいいと思っております。

・玉単価で比較するという視点

ラッキートリガー搭載機は、通常確率表記は1/199前後のスペックが多いですが、前述のとおりチャージ演出等々によって実態のスペックは非常に分かりにくいケースが多いです。

一昔前の話ですが、SANKYOがリリースした『CRX-FILES』(2011年リリース)は表面確率 約1/25でしたが、ユーザー体感の実質的な確率は約1/800だったにも関わらず、当時は甘デジコーナーに設置されていることが殆どでした。

このような機械はホール側の最適な設置場所がないという理由でもあったりするのですが、それでも甘デジとは違うだろとも思ったりするわけです。最近でも『Pフィーバー蒼穹のファフナー3』にて同様の事象を見たりと、未だにこのようなことがあったりするわけです。

遊技性能というのは投資とリターンは表裏一体です。投資金額が高くなりやすい機械は、そのリターン(出玉性能)も高くなりがちですので、表面的な確率だけに惑わされずに玉単価でみるという視点があっても良いかと思います。ラッキートリガー登場によって更に表層的なスペックだけで判断ができない昨今、ユーザーが体感する真の確率を理解し、その機械にあった提案と提供をユーザーにすべきだと考える次第です。

◆プロフィール
荒井孝太
㈱チャンスメイト 代表取締役

パチンコメーカー営業、開発を歴任後、遊技機開発会社チャンスメイト(https://chancemate.jp/)を設立。パチンコ業界をより良く、もっと面白くするために、遊技機開発業務の傍ら、ホール向け勉強会や全国ホール団体等の講演会業務など広く引き受ける

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