【特別インタビュー】
株式会社マースエンジニアリング
取締役営業企画部長 美濃谷雄一 氏

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新紙幣対応、客層分析、遊技構成、AI分析でホール営業のこれからを支える

今年7月から発行される新紙幣に対し、ホールにおいてはユニット等の対応が必要になってくる。新紙幣を取り巻く状況や今後の業界課題について、㈱マースエンジニアリングの美濃谷雄一取締役営業企画部長(㈱マースシステムズ西日本取締役営業部長兼任)に話を聞いた。

──今年は7月に新紙幣が発行されます。この改刷対応がパチンコホールの喫緊の課題だと思いますが、貴社ではどのように対応していきますか。

製品の機種によりソフト対応、またはビルバリ交換を行います。古い機種の中には一部、対応ができない製品もありますが、当社では新紙幣対応の発券機を用意しますので、例えば古い機種をまだ利用されていて全台一気に入れ替えることが難しいホール様でも、発券機対応で営業ができるようにサポートいたします。スマート遊技機対応のユニットを含め、現在販売している製品は全て新札対応込みです。2004年の改刷時の対応では、ホール様から高評価を頂きましたので、今回もしっかりと対応していきます。

新紙幣普及は意外と速い!?

──ホール関係者の中には、新紙幣が普及するのに時間が掛かるとみて、様子見の方もいるようです。

現在、約112億枚の1万円札が流通していますが、およそ半分がタンス預金に回っているとされ、実質流通枚数は約56億枚とみられています。それに対し、改刷時の発行紙幣は約45.3億枚(全紙幣)の予定です。前回は流通1万円札が65億枚に対して発行紙幣が約50億枚(全紙幣)で2ヵ月経過時点での切替率が約3割でしたが、今回はタンス預金の割合が高いことなどもあり、実質的な流通紙幣に対する新紙幣への切替速度は前回と同等、もしくはそれよりも速いと予想されます。

特に現金オンリーのパチンコ市場は、新紙幣の流通は前回より速く進んでいくかもしれません。お客様の財布の中に紙幣が10枚あるとすれば、9月頃にはそのうち数枚は新紙幣に切り替わっている状況となり、それらにスタッフが旧紙幣へ交換する対応も大変ですし、新紙幣が使えないことで遊技ロスになってしまうと売上にも大きく影響してしまいます。

──では、やはり各ホールでは早め早めの対応が必要ですね。

特に新規則機に加えて、スマートパチスロの導入や新紙幣対応が重なってくると、現場はかなり混乱するでしょう。そうしたこともあり、弊社では昨年から早めの対応をホール様にお願いしてきました。新紙幣対応をご希望されるホール様には順次対応しておりますので、早めにご相談、お問い合わせをいただければと思います。

客層分析で戦略的な営業支援

──今後の業界の課題についてはどう捉えていますか。その中での貴社の役割、方針を教えて下さい。

日本全体で人口が減少しており、労働生産性を高めることが必要だと捉えています。そのため、ワンオペで店舗運営ができるようなシステム開発を進めていきたいと考えています。

特に弊社では2017年に『AIユニコン』を発売しましたが、最近は営業計画に基づくシミュレーション等にAIを活用して頂くホール様が増えてきました。また、設定予測を瞬時にAIがレコメンドしてくれるため、「大変楽になった」との評価も頂いています。引き続き、マースのAIが革新的に業務管理を変えられるように製品開発を行ってまいります。

一方、団塊ジュニア世代が50歳となり、国内人口は50歳以上が半数を占めます。業界では今、若年層の取り込みに注力していますが、50代以上も重要なターゲット層といえます。その世代へのアプローチの仕方は、ホール様の立地、客層で全く営業戦略は変わってくると思いますが、例えば、スマート遊技機の遊技年齢をみると、50代以上の遊技が少ないことが分かります(下記グラフ参照)

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当社が1996年に初代パーソナルシステムを発売した時も、年配層の方から操作性が難しいなどの理由でなかなか受け入れられませんでした。当時はパーソナルシステムの導入店舗において、丁寧に使い方をお客様にお伝えし、利便性を分かってもらい、浸透していきましたが、スマート遊技機も同様に、単に年配者の多い低貸エリアに設置しても稼働貢献は期待できません。

自店の低貸エリアにはスマート遊技機を打ってくれそうな客層は何人位いるのか、遊技方法をどのように案内するのかなど、自店の客層を見極めた遊技台構成や接客サービスを検討することが重要になります。

当社はそうした会員管理を強みとしています。客層分析に基づいた適切な営業戦略をこれからもご提案してまいりますので、引き続きよろしくお願い申し上げます。

みのや・ゆういち
1972年1月生まれ、東京都港区生まれ、神奈川県横須賀市育ち。1996年マースエンジニアリング入社、東京営業所、西東京営業所、営業企画部を経て、2020年4月㈱マースシステムズ西日本の取締役営業部長に就任(現任)、2022年6月に㈱マースエンジニアリングの取締役営業企画部長に就任。趣味はゴルフ、スキューバダイビング。

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