【コラム】スマホ全盛の時代にパチンコ・パチスロ機にも求められること

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機種選定の精度を上げるには、ヒットした機種の理由を理解することが重要です。プレイヤー心理に基づいた機種のヒットの理由を実例で説明いたします(文=小島信之/トビラアケル代表取締役)。

これまでに多くのヒット機種を分析してきましたが、基本的にヒットする機種は以下の3つの条件を満たしております。
・分かりやすい
・大きなマイナス要素がない
・スペックか機能に斬新性がある

前回と前々回のバカボンも、数字のからくりによるスペックの斬新性があり、残り3つの条件も当然のように満たしておりました。

今回は、3つの条件のうちの分かりやすいについて説明をしていきたいと思います。さて突然ですが、皆さんは電化製品を購入した際に、説明書を見てから使いますか?私は説明書を見ずに使い始めます。一説によると、約7割の方が説明書を見ないようです。

では、パチンコに話を戻します。新機種が導入されて、遊技説明をしっかりと見てから遊技するプレイヤーはどれ位いるのでしょうか? 電化製品を例にすると、見ないプレイヤーの方が多いのではないでしょうか。そういったプレイヤーのほとんどは、確率や出玉などの最低限の情報は調べますが、それ以上の詳しい情報は知らずに遊技をすることになります。

昨今の新機種は、プレイヤーを飽きさせないようにと様々な演出が盛り込まれています。しかし、新機種を遊技するプレイヤーはその演出の意味を知らないのです。アツいと思った演出が全くアツくなく、ハズレまくったり、逆にアツくないと思って平然としていたら、当たってしまったりすることが発生するのです。

そういった機種では再び遊技しようとは思いません。初めての遊技でも、しっかりと脳汁を出せるような機種でなくてはならないのです。

最近の新機種は多くがシリーズ機となっています。シリーズ機は遊技説明を見なくても、前作の知識があるため、初めての遊技でも何がアツいかプレイヤーは理解しているのです。バカボンなら、白ウナギイヌやテントウムシ柄、花の慶次ならキセル、海なら魚群のように何がアツいのかをほとんどのプレイヤーが知っています。シリーズ機の一番のメリットは、説明書を見なくてもプレイヤーがその機種のことを理解している点になります。

試打で分かりやすさを確認

私は現役時代、ゲーム性や演出の分かりやすさを確認するために、試打の際には、営業マンから一切の説明を受けずに遊技をしておりました。少なくともプレイヤーよりは機種の知識は多いと思いますので、その状態で私が理解できないのであれば、遊技説明書を見ていないプレイヤーは到底楽しむことが出来ない、と考えていたからです。

スマホ全盛の今、様々なモノに説明書がないのが当たり前で、説明書を見なくても楽しめることが遊技機にも必要なのです。

最後に話はそれますが、個人的に最近の特にパチンコの演出全般には懸念点があります。それは激アツ演出が多すぎることです。例えば、信頼度50%の保留玉演出が発生しました。本来ならそれだけでドキドキ出来るハズです。

しかし、そこから信頼度が高い、疑似連、カットイン、役物落下など様々な激アツ演出がされます。しまいにはカットインが青だったからこれは期待できない、などと思われることもあります。激アツ演出を多く作り過ぎて、激アツ演出が激アツに感じられないことが多々発生しています。これでは、プレイヤーが戸惑ってしまいます。これはどうにかならないでしょうか。

◆プロフィール
小島信之(こじまのぶゆき)
2018年まで首都圏、静岡、大阪に展開するホール企業で機種選定を担当。2019年に独立し、その分析力を活かしエンタープライズの全国機種評価等を開発。現在はメーカーの遊技機開発、ホールコンピュータの機能開発など、幅広い分野に携わり、変態的なアイディアを提供している。馬と酒とスワローズをこよなく愛する。

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