【コラム】“集める”イベントと“集まる”イベント 今後パチスロ店が向くべきなのはどっち?

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10月1日から景品表示法のいわゆる「ステマ規制」が施行されたことから、ホール関係者から「集客できる手段が減る」との声が多く聞こえてきます。しかし、果たしてそれが集客の本質といえるのでしょうか?(文=三木 貴史/エスサポート代表取締役)

同コラムでは、広告手法や集客手法に関して評するものではないと考えておりました。しかし、ステマ規制が施行されたこのタイミングだからこそ、現状、全国ホールで行われている主なイベント(イベントは風営法の広告規制で規制されているが、あえて分かりやすくイベントと呼ぶ)の性質とその集客の意味について改めて整理することで、本当の集客を考えることが必要だと考えますので、お話していきたいと思います。

全国ホールで主に行われているイベントは、下の表にまとめた通りです。全体イベントから、機種イベントまで、地域ごとにできること、できないことがありますが、様々なものが行われています。ここでいう「集めるイベント」は、出玉を謳って、ホール自らが集めるもの、「集まるイベント」は、出玉に期待してユーザー自らが集まるイベントと、弊社では解釈して考えています。

まず、集めるイベントを見てみます。同イベントの代表格といえば、「取材・来店イベント」だと思います。最も集客効果が高いといえますが、最も出玉が求められるイベントだともいえます。

こうしたイベントは出玉還元を謳うため、集客できて当然です。ただし、集めるイベントに対してユーザーが期待する出玉水準は高く、出なかった時は、裏切られた、騙されたという心境となり、そのホールに対する信用度が一気に下がります。また、集められたユーザーは勝ったとしても「勝って当然」と思うことが大半で、そのホールに対する信用度が上がるわけではないともいえます。

さらに言えば、毎回必ず出玉を用意する必要があり負担は非常に大きいです。そのため、イベントを行うことで平常日に来店してくれた常連のユーザーから利益を多くとることにもなりかねません。競合店がこれらの集めるイベントを行い、急激に稼働を上げたとしても焦ることなく、逆に危ういものに手を出したなぐらいに考えた方がいいでしょう。

軸に据えるのは
集まるイベント

次に「集まるイベント」を見てみます。同イベントは、ユーザーが「出るかもしれない」「出してくれそう」と期待して集まってくれるものです。「旧イベント日(〇の付く日、ゾロ目)」や「周年イベント」、「新台入替」などが挙げられます。

「周年イベント」はホールがグランドオープンした日であって、出玉との直接の関連はありませんし、「新台入替」も本質は新台導入日であり、出玉で集客する日ではありません。しかし、新台入替日に普段から甘く営業したり、周年日を日頃からアピールしておくことで、ユーザーの意識に浸透し、出玉に期待して集まる日になります。

つまり、集まるイベントでは、出すか出さないかの主導権がホールにあるということです。そして、ユーザーの期待に応えて、出玉を出せば「出してくれた」と自店の信頼につながり、出玉が自店のイメージアップとなります。

もちろん即効性のあるのは「集めるイベント」ですが、継続性があるのは「集まるイベント」です。ホールの信用を上げ、自店の常連客を増やしていくためには、「集まるイベント」に注力すべきです。

◆プロフィール
三木 貴史
㈱エスサポート代表取締役
1972年生まれ。97年中央大学商学部卒業後、パチスロ専門店(神奈川県42台)にて勤務。01年〜06年グループ4店舗を統括部長として指揮、在職中より他店舗のコンサルティングにも携わる。この期間、全ての店舗で稼働平均15,000枚を継続。07年に独立し、パチンコ・パチスロホール運営コンサルタントとしてエスサポートを設立。“ホールの知恵袋”として全国どこにでも出張中。社内外を問わず行うセミナーも好評。

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