【コラム】『スマスロ北斗の拳』の推奨台数は? 主要機種の推奨台数と適正メダル粗利を考える

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今回は、ホールで現役稼働するパチスロ主要機種に関して、何%設置したらよいのか? 適正粗利はどれくらいがよいのかを考えます。また、参考としてスマスロ『スマスロ北斗の拳』の推奨設置台数も載せておきます(文=三木貴史/エスサポート代表取締役)。

主要機種の粗利と設置比率は?

年末年始商戦が終わり、稼働がひと段落した1月16日週のパチスロ全国平均稼働データは非常に参考になるので、取り上げます(下表、参考IN枚数参照)。年末に登場したパチンコ、パチスロ新台の稼働も落ち着き、その週に登場する新台も無かったため、外的要因の影響を受けない最も純粋なデータが見て取れ、現行機種の本当の実力を見極めるのに非常に参考になるデータであったといえます。

そこで今回は、そのデータを参考に、現状で私が考える主要機種の推奨設置比率とその推奨メダル粗利を解説します。主要機種は13機種で、各機種の推奨設置比率と推奨メダル粗利は左表の通りです。分かりやすいようにパチスロ設置台数100台で計算しました(※参考IN枚数は、全国データのその機種の平均値を記しています。台粗利は参考IN枚数なら、この台粗利にあるという数値で、台粗利の額を推奨しているわけではありません)。

ジャグラーは各機種合計で20円パチスロ総台数の30~35%は確保したいところです。ここでは合計32%としました。ジャグラーでは、『マイジャグV』『アイムEX』を中心に薄利営業を行います。

稼働を維持または上げるには、メダル粗利が『マイジャグV』で20銭、『アイムEX』で25銭での運用が必要となります。『ファンキー2』『ハッピー』は設置台数を少なめとし、利益を確保したいため35銭での運用を推奨しています。
スマスロでは、『サラリーマン鏡』をAT機のメイン機として設置比率6%を推奨。最大で10%まで可能だと考えていますが、設置台数が増えれば増えるほど薄利が加速するため、現状で無理のない運用で設置できるのが6%という考えです。

『ヴァルヴレイヴ』は粗利面での貢献度が非常に高いといえるでしょう。設置比率的には3%が限度ですが、利益重視の営業で60銭は確保したいところです。ただし、利益が取れるからという理由で設置比率を3%以上に増台しても、稼働割れする危険性が高いので注意しましょう。

高稼働店舗は薄利営業を徹底

6.5号機AT機の主役は、現状では『カバネリ』ではないでしょうか。『カバネリ』は『サラリーマン鏡』と同じ設置比率6%を推奨します。若年層がメインの客層であるため、薄利運用は避けられず推奨メダル粗利は20銭としたいところです。ただし、客層の幅が狭いため、地域、立地によって稼働に差が生まれやすい機種でもあります。お客様の年齢層が比較的高い層が多いホールでは台数を増やしても苦戦する傾向にあるため、注意が必要です。

『新鬼武者2』『バイオハザードRE:2』は、設置台数を3%程度に抑えて、35銭程度の利益を確保する脇役AT機としての役割で運用するのがベストでしょう。

技術介入要素のあるAタイプ系機種『新ハナビ』『バーサスリヴァイズ』『ディスクアップ2』は、短時間遊技に適しており、特に夜の時間帯の客層の受け皿として必要な機種です。しかし、低設定で運用しても0~15銭の粗利となってしまうため、設置比率は最大でも2%までしか保有出来ないのが現状です。これらの機種は比率よりも台数で考えて、最大で各機種4台までの設置にしておくことが望ましいと考えます。

これで、残りの主力機以外の比率が約1/3(33%)となりました。その他の機種を薄利運用するのであれば、主力機をもっと薄利で運用した方が全体稼働は伸びるため、その他機種についてはメダル粗利50銭を確保したいところです。

また、稼働を上げるには出玉戦略ではなく、入替によって低稼働機種を撤去していく方が効率は良いといえます。主力機の推奨メダル粗利から逆算すると、今の20円パチスロ全体では推奨メダル粗利が約30銭と算出されます。

もちろん機種構成によってこの推奨メダル粗利は変動するため、現行機種での推奨値です。新台購入費を多くして、その他機種の新台比率を高めれば、その他機種の稼働は上がり、粗利額も向上しますが、それでも全体でメダル粗利32~33銭での運用が求められます。つまり現行の機種構成で、全体のメダル粗利を35銭以上確保しながら、稼働を上げていくことは極めて難しいということになります。

特に40銭以上のメダル粗利となれば、設定運用で表現できることは限られ、出玉で稼働をコントロールすることは難しいといえます。それでも、40銭以上のメダル粗利で稼働を上げることを求められるホールは多いです。

高粗利でも新台をどんどん購入できるホールなら競合店の入替状況によっては稼働を上げることは可能でしょう。しかし、新台購入頻度が高くないホールでは、稼働を上げるために安易な出玉イベントに頼ることになりがちです。

このような出玉イベントは即効性があり、瞬間的な稼働は上がります。来月の稼働目標を達成するには効果的ですが、1年後の稼働目標を達成するには逆効果となることが大半です。

高稼働を維持しているホールは、薄利運用を続けています。今回試算したように、現状の機種構成で、必要なメダル粗利から逆算して、パチスロ全体の利益を算出することで、ファンの信用を失わないパチスロ運営が可能となるはずです。

『スマスロ北斗の拳』の評価は?

問い合わせが非常に多いため、今回は『スマスロ北斗の拳』の評価も載せておきます。

有利区間は、ATセット終了時に切れる可能性があり、リセットされた際は84%以上の継続率でATが継続します。基本的には差枚数で2,400枚獲得時に有利区間が切れる仕様で、それまでの継続率が基本的には引き継がれるとのことです。

例えば、94%継続のATで完走した場合は、有利区間がリセットされ、94%継続のままATが継続していくようです。ただし現状では、その真偽ははっきりしていないので、参考程度に留めていただければと思います。

いわゆる貫通スペックで、完走時もシームレスで継続するため、出玉上限を意識することはありません。通常時はレア役を契機に抽選するタイプでG数解除はなく、どのタイミングでもATに期待ができる点は気軽に打ち始めやすいので高評価です。

AT中は、Vストックや継続率UPの概念が追加されているため、初代よりも楽しく、94%継続の上位ATもあって連チャン数は初代よりも伸びるイメージです。

ゲーム性、スペックに懸念点はありませんが、私としては設定差が少し気になります。5段階設定で、設定1.2と設定4.5.6の差が大きく、高確率移行や弱レア役からのAT当選の頻度によって設定の高低が分かりやすい可能性があります。それも初代と同じような特徴ですが、当時と比べファンのレベルも上がり、解析情報の浸透度も違うため、低設定の見切りは昔より早くなるのではないでしょうか。しかし、どうやら設定示唆はサミートロフィーのみで、出現率も少し下がり、銅、銀トロフィーが廃止されているようなので、その点は救いです。

ゲーム性、スペックを考えてもメイン機種になり得る機種であることは間違いなさそうなので、自店の客層の年齢層が高ければ、より台数を多く導入したいところです。適正台数はスロット総台数の5%が目安。好評なら再販も必ずあるため、増台も視野に入れた購入スタンスで検討したいところです。

◆プロフィール
三木 貴史
㈱エスサポート代表取締役
1972年生まれ。97年中央大学商学部卒業後、パチスロ専門店(神奈川県42台)にて勤務。01年〜06年グループ4店舗を統括部長として指揮、在職中より他店舗のコンサルティングにも携わる。この期間、全ての店舗で稼働平均15,000枚を継続。07年に独立し、パチンコ・パチスロホール運営コンサルタントとしてエスサポートを設立。“ホールの知恵袋”として全国どこにでも出張中。社内外を問わず行うセミナーも好評。

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