待ちに待ったスマスロ導入もあと数週間に迫っています。今回はスマスロ導入直前に今一度ユーザーのPS回遊状況を確認し、今後の課題を考えたいと思います。(文=三輪勝治/エムシック代表取締役)。
表①をご覧ください。
表①は各月の遊技者を「Pのみ遊技」「Sのみ遊技」「両方遊技」に分類した人数比率です。
5号機撤去後、「Sのみ遊技」⇒「両方遊技」更に「Pのみ遊技」に変化し、3月には「Sのみ遊技」が最低値に低下、その後パチンコ遊技に満足し切れないパチスロユーザーは、PS回遊を続け少しずつパチンコ遊技に移行し、6月に「Pのみ遊技」は最高となっています。
この流れが変化したのが6.5号機導入であり、7月より「両方遊技」と「Sのみ遊技」の値が上がり始めパチスロへの回帰が見られます。更に9月は『シンフォギア3』導入が有ったにも関わらず、「Sのみ遊技」の数値は落ちず、「両方遊技」⇒「Pのみ遊技」の流れに留まりました。
この状況で、10月初旬に6万台以上にも及ぶパチンコ主要機導入が有ったのです。その多くは勝金額を重視した機種であり、パチスロが『バイオハザードRE2』以外、大きくユーザー評価を受けた新機種が無い事を考慮すれば、パチンコへの流れが大きくなっても不思議ありません。しかし結果は「Pのみ遊技」は最低、「Sのみ遊技」は最高であり、PS回遊を続けてきたユーザーがパチスロに定着し始めた事が分かります。
この要因は何処にあるのでしょう。
下に、10月の主要ミドル新機種と主要6.5号機の直近の勝率・勝金額平均を示します。
ミドル機の勝金額平均はすべて2万後半以上、『ウルトラマンティガ』に至っては3万円後半です。一方6.5号機は1万5千円~2万円近辺であり、勝金額重視派がミドルに移動してもおかしくない程の差が有ります。
ここで問題になるのが勝率です。パチスロユーザーは、勝金額重視派でもパチンコユーザーより勝率を重視し、最低でも30%、3回に1回の勝ち体験を求めます。しかしミドル機の勝率はすべて25%以下であり、『ウルトラマンティガ』は約20%まで落ち込んでいます。
このミドルの勝率の低さが、ユーザーのパチスロ定着の要因なのです。この状態でスマスロ導入が始まれば、パチスロユーザーは更にパチスロに定着する事が想定されます。
パチスロユーザーが、本来のパチスロ遊技に定着する事は悪い状況ではありません。しかし問題は利益バランスです。遊技人数の減ったミドルに、これ以上の利益を設定すれば、残ったパチンコユーザーの負荷は大きくなり、離反が進むと想定されます。
パチンコユーザーの離反を防ぐ上で、勝金額重視のミドル機運用から、勝率重視ミドル機運用とライトミドル・ハネデジの活用による疲弊ユーザー救済を進めるべきタイミングが来ています。
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三輪 勝治
㈱エムシック代表取締役
1985年立教大学法学部卒業。パチンコ業界大手周辺機器メーカーに勤務。遊技台情報公開システム、情報ネットワークシステムの開発に携わる。退職後、One To One顧客管理システムの開発・販売会社設立に参加。業界初の顧客遊技履歴データネットワークシステムを立ち上げる。システム開発、セミナー講師、等幅広く活動。2016年10 月株式会社エムシック設立。