今回は、パチスロ新台『マイジャグラーV』の設定運用についてです。前作『マイジャグラーⅣ』と同じ設定運用で良いのか、否か。考えていきましょう(文=三木貴鎬/エスサポート代表取締役)。
BR比率から導き出される推奨設定
同機は5号機ジャグラーの中でも、最も人気があったマイジャグラーシリーズの6号機第1弾であり、市場導入台数も約6万台といわれています。今後のパチスロの未来を語る上で、キーポイントになる機種である事は間違いないでしょう。
さて、エスサポートでは、5号機の初代『アイムジャグラー』の時から、設定毎の「BR比率」に着目して各ジャグラーの使用すべき設定を導き出してきました。
なぜ、BR比率に着目するのかですが、ジャグラーユーザーは「REG比率が高い台」を高設定と判断し、稼働が伸びる傾向があるからです。もちろん設定の判断材料として「ボーナス合成確率」や「差枚数」も重視していますが、データランプに常時表示されている、BIG回数とREG回数を見た時に「REG比率が高い台」を第一印象で選定しています。
そのため、いかにREG比率を高めることができるかを追求しつつ、『マイジャグラーⅣ』『マイジャグラーⅤ』の設定毎のBR比率に着目して、使うべき設定を考察してみました。
『マイジャグⅣ』は設定2、4、6推奨
まず、前作『マイジャグラーⅣ』のBR比率を見てみます。『マイジャグラーⅣ』のBR比率は、設定2と設定3、設定4と設定5の差が小さくなっています。つまり、設定2も設定3もBIG回数とREG回数だけを見た時に、データランプ上ではBR比率に差がなく、第一印象で同じような設定に見えます。
同様に、設定4と設定5もBIG回数とREG回数は、ほぼ差がないデータが並ぶと思われます。そのため、設定3を使うなら設定2の数を増やし、設定5を使うなら設定4の数を増やす方が、全体の稼働が向上するという理論です。
「設定5を1台≒設定4を2台」と考え、設定4の数を増やすホール様が多いと思います。また、設定1はBR比率が極端に悪いため使用せず、最高設定の設定6はBR比率が1:1で、確実に高設定をアピールしたい時に使用します。以上のことから『マイジャグラーⅣ』の推奨設定は、設定2、設定4、設定6でした。
『マイジャグV』は設定1、3、4、6!
それでは本題の『マイジャグラーV』の推奨設定を考えてみます。出玉率を見ると、設定2~6で『マイジャグラーⅣ』の出玉率とほぼ同値となっています。一致していることを根拠に、『マイジャグラーⅣ』と同様に設定2、設定4、設定6を推奨設定として流用できそうに感じますが、それは落とし穴です。BR比率に着目して考えてみましょう。
『マイジャグラーV』のスペック表、BR比率をご覧ください。 まず、設定1と設定2のBR比率には大差がないことが見て取れます。設定2を使用しても第一印象が設定1と大差ないのであれば、『マイジャグラーⅣ』のように設定2をベースにする必要はなく、設定1を使用しても問題ないと思います。
さらに、設定4と設定5のBR比率もほぼ差がありません。こちらに関しては『マイジャグラーⅣ』と同様に、設定5を1台使うなら、設定4を2台使った方が総稼働は向上するはずです。
また、『マイジャグラーⅣ』では未使用を推奨していた設定3ですが、『マイジャグラーV』では、設定1、2と比較して設定3のREG比率が大きく上がっているため、設定3も有効活用する事が重要です。設定6は『マイジャグラーV』でもBR比率が1:1となっており、高設定をアピールしたい時には積極的に投入していきたいです。
以上のことから『マイジャグラーV』の推奨設定は、設定1、設定3、設定4、設定6になります。
参考値として、『マイジャグラーV』を10台導入している場合の設定配分例と、その出玉率を算出してみました。自店における運用の参考にしてもらえれば幸いです。詳細は、下の図表をご覧ください(※算出した出玉率は、各設定の稼働が同一とした場合の単純な算出値)。
『マイジャグラーV』は完全新規則機時代において、稼働を上げるための重要な役割を担う数少ない機種です。基本、薄利にはなりますが、高設定と中間設定を織り交ぜながら、大切に運用していきましょう。
◆プロフィール
三木 貴史
㈱エスサポート代表取締役
1972年生まれ。97年中央大学商学部卒業後、パチスロ専門店(神奈川県42台)にて勤務。01年〜06年グループ4店舗を統括部長として指揮、在職中より他店舗のコンサルティングにも携わる。この期間、全ての店舗で稼働平均15,000枚を継続。07年に独立し、パチンコ・パチスロホール運営コンサルタントとしてエスサポートを設立。“ホールの知恵袋”として全国どこにでも出張中。社内外を問わず行うセミナーも好評。