【コラム】完全6号機時代の『ハナハナ』シリーズ運用法は?

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5号機完全撤去に向けては、『ジャグラー』シリーズを筆頭として、Aタイプ不足が予想されています。そこで今回は、今後ますます価値が高まると思われる『ハナハナ』シリーズに着目して、運用方法などについて考えてみたいと思います(文=三木貴鎬/エスサポート代表取締役)。

ハナハナシリーズの運用の仕方

『ハナハナ』シリーズについては、『ジャグラー』シリーズが台数不足になる事が予想されているため、その不足分を補うための重要な機種になると思います。皆さん周知の通り、沖縄県、愛知県、三重県、新潟県等はジャグラーの設置台数よりも、ハナハナの設置台数の方が多い特異な地域です。その地域では、年配層から女性客まで幅広い客層をカバーしており、一般的なジャグラーと同じような役割を果たしています。

それ以外の地域ではあまり馴染みの薄いハナハナですが、30φコーナーを新設するなどして導入するホールも増えて来ました。そして、ハナハナが高稼働しているホールは、必ずと言ってよいほど薄利で運用しています。“出せば稼働する”と言っていいのが『ハナハナ』シリーズの特徴といえます。理由としては、「高設定の出玉率が高い」「設定判別要素が豊富」という2点が挙げられるのではないでしょうか。

高設定の出玉率が高い『マイジャグラーIV』と『プレミアムハナハナ–30』を例に挙げてみます(左上図参照)。ご覧の通り、『ジャグラー』シリーズ1番人気の『マイジャグラーIV』と比較しても、『ハナハナ』の出玉率の高さが際立っています。

さらに『プレミアムハナハナ–30』の場合「BIG中のスイカ確率」「ボーナス終了時のトップランプ」「REG中のサイドランプ」等で設定判別が可能です。そのため、高設定狙いのユーザーは必然的にジャグラーよりもハナハナの方が遊技優先度が高くなり、ハナハナを薄利で運用しているホールでは、高設定狙いのユーザーが稼働を押し上げている状況が見て取れるのではないでしょうか。

しかし、ハナハナを高稼働させるためには条件があります。それは、ジャグラーよりも薄利で運用することです。参考程度ではありますが、現在、全国平均で『マイジャグラー』シリーズが粗利30銭、『ハナハナ』シリーズが粗利20銭で運用しているホールが多いようです。

30φが盛んな地域ではこの条件はクリアしやすいですが、それ以外の地域では、ジャグラーの方が同じ稼働で粗利が取れるとなると、導入に後ろ向きになるホール関係者も多いかもしれません。ハナハナの全国導入が伸び悩む要因はそこであり、今後の課題でもあります。

Aタイプではなく
AT機として考える

Aタイプとして考えると『ハナハナ』シリーズは粗利が取れないと思うかもしれませんが、6号機AT機として考えた場合、見え方が変わってきます。全国平均のコイン粗利は『SLOTバジリスク~甲賀忍法帖~絆2』が約20銭、『バイオハザード7 レジデントイービル』が約25銭、『パチスロ頭文字D』が約15銭となっています。

これらの機種群と比較した場合、ハナハナを薄利運用した際のコイン粗利は、6号機AT機と大差はありません。むしろ、稼働はハナハナの方が上回っています。6号機は甘い機種が多く、稼働のために高設定を投入すると利益が残せない機種も多いです。であるならば、“出せば稼働する”ハナハナの方がいいという考え方も十分アリなのではないでしょうか。

しかし、今から5号機ハナハナを導入することは出来ないため、今後、納品される予定の6号機『ファンキージャグラー2』と『ハナハナホウオウ〜天翔〜』を比較してみましょう。

設定6の出玉率も同等程度と予想されますが、『ハナハナホウオウ〜天翔〜』の方が設定4、設定5の出玉率が高くなる見込みで、高設定狙いのユーザーから見れば、設定判別要素も備えている『ハナハナホウオウ〜天翔〜』の方が遊技優先度は高いのではないでしょうか。特に激戦区においては、稼働順位を上げるために、薄利が許されているホールなら、導入や増台を積極的に検討してもいいと考えます。

また、5号機完全撤去の際に、ジャグラー不足の穴を埋めるために導入を検討するホールも多いと思いますが、ジャグラーの穴埋め以上に台数拡大することも戦略の一つです。というのも現状、6号機AT機は多台数で設置できる機種がほとんどありません。今後の状況次第では、6号機AT機の代わりに導入するパターンも選択肢の中に入れてもいいと思います。

もし30φコーナーを新設する場合は、設備投資がネックになりますが、25φが発売予定であればそちらでチャレンジしてもいいと思います。また、近い将来、スマートパチスロ(メダルレス)が主流の時代に突入した際は、25φ、30φの区別はなくなるでしょうし、30φ設備も不要となり、なおさら『ハナハナ』シリーズの導入ハードルは下がるのではないでしょうか。

◆筆者プロフィール
三木 貴鎬
㈱エスサポート代表取締役
1972年生まれ。97年中央大学商学部卒業後、パチスロ専門店(神奈川県42台)にて勤務。01年〜06年グループ4店舗を統括部長として指揮、在職中より他店舗のコンサルティングにも携わる。この期間、全ての店舗で稼働平均15,000枚を継続。07年に独立し、パチンコ・パチスロホール運営コンサルタントとしてエスサポートを設立。“ホールの知恵袋”として全国どこにでも出張中。社内外を問わず行うセミナーも好評。

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