【コラム】パチスロ6号機不振の原因から見る今後有望な機種の条件とは?

投稿日:2020年9月23日 更新日:

今回は6号機AT機の不振の原因を考え、今後ヒットする機種の条件を探っていきたいと思います。ヒット機種を予測するのが難しい昨今、少しでも機種選定の精度を上げるには、過去を振り返ることは重要ですね。

6号機不調の原因

2018年10月、『HEY!鏡』の登場で6号機時代がスタートしましたが、早いもので残り1年2ヵ月でパチスロ市場は“完全6号機時代”になります。この2年間で登場した6号機は、直近に導入された『戦国コレクション4』までで91機種になりますが、ヒットした機種、まずまず稼働した機種は、『HEY!鏡』、 『Re:ゼロから始める異世界生活』、『SLOTバジリスク~甲賀忍法帖~絆2』、『いろはに愛姫』、『モンキーターンⅣ』の5機種ぐらいでしょう。

『HEY!鏡』は初めての6号機ということで、初動稼働が良く、『いろはに愛姫』は甘く勝てる機種として稼働しました。従ってゲーム性が支持されての稼働というわけではないといえます。

純粋にゲーム性が支持された機種としては『Re:ゼロ』『バジリスク絆2』、『モンキーターンⅣ』です。そう考えた場合、ヒット確率は91機種のうち3機種のみ、わずか“3%”と恐ろしく低い数字です。

しかし、バラエティーコーナーにあるような1~2台であればまずまず稼働する台もあるので、今後しばらくは少台数の機種導入をしていきながら、本命機を待つ流れになるでしょう。

さて、上述した3%しかヒットしなかった要因を探るとやはりAT機が軒並み不振という事があります。理由としては次の3つが考えられます。

①2,400枚の出玉上限
②突破型のハードルの高さ
③高純増ATの無抽選区間

①の2,400枚上限に関してはやはり、投資して苦労して当たりを引いたのに、出玉が強制終了してしまうという、ユーザーからすると本来あり得ないものです。そのため、今でも不満や物足りなさを感じるユーザーが多いと思います。

②突破型のハードルの高さは、『Re:ゼロ』のようにメインATの当選確率は重いが、当たれば1,000枚以上出る確率が高い、という機種ならば通常時の投資とのバランスも取れます。

しかし、中途半端に初当たりを軽くした突破型の機種は、メインATでも400枚~500枚しか出ないというような台が多く、その結果突破型の機械自体が「ハードルの高さのわりに、見返りが少ない」というイメージが定着してしまいました。突破型でも見返りがあれば、『Re:ゼロ』のようにヒットする可能性は秘めているので、突破型ATが登場した時は、メインATでの平均獲得枚数をチェックしましょう。

この突破型が敬遠されるにつれ注目されているのが直ATタイプのシステムです。『モンキーターンⅣ』がその代表格ですが、千円ベースも40Gと低めに設定され、初当たりの軽さと、獲得枚数のバランスが取れている優れた直ATスペックといえるでしょう。今後、ベースと初当たり確率がこの機種に近い機械が出た場合は注目です。

③は『Re:ゼロ』や『北斗の拳 天昇』では、AT終了直後はATに当選しにくい、いわゆる「無抽選区間」があり、それが解析されると「AT終了後、即ヤメで放置」が目立ち、稼働が急落しました。

そのため、最近の高純増AT機では、無抽選区間は非搭載で、いつでもAT当選するような案内があります。しかし、適合するためにはメインATの初当たりが、早いゲーム数で数珠連してしまうと適合できないため、 AT後に早いゲーム数で当たりにくくなっているシステムになっています。200Gまでは当選しにくい機種だったり、早いゲーム数でチャンスATには当選するが、メインATには当選しにくかったりと、やはり必ず何かしらの歪みがあるゲーム性になっています。「完全確率でいつでもチャンスある」のがパチスロの醍醐味のひとつだが、 AT終了後は当たりにくいとなると、即ヤメが頻出してしまうのは致し方ないでしょう。

この無抽選区間や当たりにくいゾーンが無いのが、純増3枚前後のAT機です。高純増ではありませんが、ゲーム性に制約がないため自由度が高く、パチスロの醍醐味が損なわれることが無いといえます。これら、6号機の不評な要因を反対の側面から見てみると、今後注目の機種の条件が見えてきます。

ヒットする6号機の条件は?

先述した6号機不振の条件に当てはまらない機種を考えると、繰り返しになりますが、①2,400枚上限が無いノーマルAタイプ、リノタイプ、②千円ベースが40G前後の直ATタイプ、 ③AT純増枚数が3枚前後、これらの条件があぶり出されたのではないでしょうか。

①に関しては最近では『OZ-1』という機械が、リノタイプとして登場しました。出玉上限が無く一撃5,000枚クラスが出るなど、爆発力もあります。しかし、リノタイプは今まで非液晶タイプのものしか出てきていないので、今後、液晶搭載タイプ等、演出の幅が一層広がった機種が出てきたら注目したいです。

またノーマルAタイプに関してはコロナの影響で店内の滞在時間が短くなっている事を踏まえると、いつからでも打てて、いつでも止められるという点で引き続き重要だと思います。

②のベースが40G前後に出来れば、初当たりと、見返りのバランスがユーザーから見て釣り合っているスペックの機種が作れるのではないでしょうか。やはり突破型は、メインATに入るまでのハードルが高いというユーザーの声も多く、ハードルが高い割に上限があるという、苦労が報われない感覚に陥りやすいようです。この点、直ATであれば、レア役が仕事する等、通常時も重く感じないのではないでしょうか。
③の純増3枚前後のタイプに関しては、無抽選区間などの制約を受けずに作れるので、旧規則機と同じような自由度の高い機種が出来るという点で、これらの条件を満たす機械が出てきたら要注目です。

◆著者プロフィール
三木 貴鎬
㈱エスサポート代表取締役
1972年生まれ。97年中央大学商学部卒業後、パチスロ専門店(神奈川県42台)にて勤務。01年〜06年グループ4店舗を統括部長として指揮、在職中より他店舗のコンサルティングにも携わる。この期間、全ての店舗で稼働平均15000枚を継続。07年に独立し、パチンコ・パチスロホール運営コンサルタントとしてエスサポートを設立。“ホールの知恵袋”として全国どこにでも出張中。社内外を問わず行うセミナーも好評。

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