【コラム】顧客データから見た遊タイム搭載機の方向性

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・お客様視点の店舗運営
遊タイム搭載機が登場し約4ヵ月が経過しました。これまでのパチンコになかった新機能であり、今の時期にはパチンコ市場が盛り上がっている事を期待していました。

ところがコロナ禍により新台の販売が延期され、本連載執筆時点でリリースされた遊タイム搭載機はライトミドルが2機種、ミドルが2機種の計4機種に留まっています。

緊急事態宣言による営業自粛中に登場した機種もあり、新機能にもかかわらずユーザーへのPR不足もあり、盛り上がりに欠けていた事は否めません。

通常営業に戻り、広告宣伝自粛が緩和され、新台に関してはPRできる様になった状況下、遊タイム搭載機を遊技した顧客遊技データや回遊状況を見ますと、遊タイム搭載機のスペック、コンテンツ、ターゲットユーザーの方向性が見えてくる様に思います。

そこで今回は、ライトミドルの「Pモモキュンソード」、ミドルの「Pリング呪いの7日間2」の2機種をピックアップし、導入時の顧客データ、及び回遊状況や推移データを分析し、今後の遊タイム搭載機の方向性について考えたいと思います。

導入時の顧客遊技データ

表1をご覧ください。導入3日間の顧客遊技データになります。「Pモモキュンソード」を見ますと、アウト/1人、勝率、勝金額平均、全ての数値がAI-CISでのライトミドル育成推奨基準値を上回っていました。「コンテンツの魅力」「勝ちへの期待値」に関するユーザーの満足度は高かったと思います。

導入3日時点で長期活用が見込める事が判断できました。懸念材料は、ライトミドルとしては玉単価が高い点です。特賞出玉を落とさない為にベース値を下げる機種が今後も主流になると思われますが、スタート賞球数が下がり大当たり体験できなければ、非常に辛く感じるという点です。

その為スタート回数を上げ、大当たり体験を増やす必要があります。ですからライトミドルでは回せるスペックが必要となります。回っていると感じさせる為には50回(アウト1,000個当たり)中盤以上のスタートを提供する必要があると思います。「Pモモキュンソード」の導入3日間のスタート回数は55.2回で、このスタートを最低値として維持すれば勝率も維持できると思われました。

次に「Pリング2」ですが、アウト/1人、勝金額平均がミドルの推奨基準値を下回っています。特にアウト/1人が低い事にはユーザーの期待値の低さが感じられました。勝率はミドルとしては30%超えており、これは遊タイムの仕組みを理解したユーザーが上手く立ち回った為で、一部のユーザーにとっては大勝はできないものの、勝ち体験しやすかったのではないかと思われます。

登場タイミングがGW明け緊急事態宣言中であり、営業店舗においては広告宣伝の自粛によりユーザーへの発信が制限され、顧客遊技データ的にも客層的にも厳しい状況にありました。

次に、両機種の回遊状況を分析し、今後の遊タイムの方向性を考えたいと思います。

回遊状況と推移データ

図1は「Pモモキュンソード」の導入時の回遊状況です。移動元グループ比率を見ますと、パチスロ合計比率は、24.1%です。20%を超える数値は、パチスロユーザーが多く遊技する一つの目安と見ておりますので、パチスロユーザーが多く遊技している機種と言えます。ですから玉単価の辛さを感じさせない為にも、スタートを回して大当たり体験させ、粘らせて勝率30%提供する必要があります。

次にミドルの「Pリング」に関してですが、この時期、中高年層のパチンコユーザーが激減していた事もありますが、パチスロユーザーの移動比率が35.2%と極めて高い数値でした。これが先にお話した勝率30%へと繋がっており、客層的にも苦戦が予測されました。ところが、緊急事態宣言が解除され広告宣伝が一部緩和された6月中旬以降、顧客遊技データ、及び回遊状況に変化が生じました。

表2:週毎推移表を見ますと、6月下旬以降、アウト/1人が5,000前後で安定して推移しております。同時期のミドル機でアウト/1人が5,000以上ある機種は、「大海4」「沖海4」「真・北斗無双」等、旧規則主力機しかなく、勝率が30%近辺で推移している事から見ても、主力機同様に定着している様子が窺えます。

表3:回遊履歴表にて「リング2」の回遊先を見ますと、ミドルとの回遊比率が時間の経過と共に上がっており、6月下旬より店舗に戻り始めた中高年層に遊タイムが理解され、遊技客層にも変化が現れています。遊タイム搭載ミドル機に求められる事は、「大海4」「沖海4」「真・北斗無双」等、ミドル旧規則主力機をメインに遊技する中高年層が、回遊しやすい機種と言う事になると思います。

遊タイム搭載機の方向性

スペック、コンテンツ、ターゲットユーザーの今後の方向性をまとめたいと思います。

〈ライトミドル機〉
遊タイムが狙いやすく「当たりやすく勝ちやすい」スタートが回せるスペックで、勝率30%が提供できるライトミドル機。短時間勝負で瞬発力のある1種2種混合。パチンコであれば「Pシンフォギア2」との回遊性が高く、また、パチスロメインユーザーの回遊性が見込める若年層向けコンテンツ

〈ミドル機〉
遊タイムには到達しづらい為、遊タイムはあまり関係なく「高い勝金額」が提供できるハイミドル機。瞬発力と一撃性が引き出せる1種2種混合やST機。「真・北斗無双」や、「大海4」等ミドル海シリーズとの回遊性が高く、中高年層に馴染みがあり粘って遊技できるコンテンツ

この区分けは、遊タイムに限っての事ではなく、セブン機全般に言える事でもありますが、今後の機種選定の参考になれば幸いです。

◆著者プロフィール
三輪 勝治
㈱エムシック代表取締役
1985年立教大学法学部卒業。パチンコ業界大手周辺機器メーカーに勤務。遊技台情報公開システム、情報ネットワークシステムの開発に携わる。退職後、One To One顧客管理システムの開発・販売会社設立に参加。業界初の顧客遊技履歴データネットワークシステムを立ち上げる。システム開発、セミナー講師、等幅広く活動。2016年10 月株式会社エムシック設立。
URL www.ai-cis.com
Mail info@ai-cis.com

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