【コラム】高射幸性パチスロ機撤去後のユーザー回遊状況

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◆お客様視点の店舗運営
パチンコ・パチスロ間の回遊ユーザーの動向を把握し、2020年の注力部門と店舗運営を考える

『バジリスク〜甲賀忍法帖〜絆』『アナザーゴッドハーデス-奪われたZEUS Ver.-』等、高射幸性パチスロ機が撤去され2ケ月が経過しましたが、ユーザーの回遊状況はどのように変化しているのでしょうか?

この数ヵ月間のユーザーの回遊状況の中でも、特にパチスロメインユーザーの動向、及びパチンコ・パチスロ間を回遊するユーザーの動向には注目です。

そこで今回は、グループ間の回遊状況を把握し、2020年の注力部門と店舗運営の在り方を考えてみたいと思います。

・グループ間の流入・流出状況を把握する
グループ間の流入・流出状況の表をご覧ください。「各月1カ月間を通じてそれぞれのグループをメインに遊技していた人が、翌月は何をメインに遊技する様になったか?」について、グループ間の移動状況を流入・流出比率として出力しています。

これにより、高射幸性パチスロ機が撤去されたことで、「どのグループへと流出したか?」「流出にあたり、どの機種が影響したか」が分かります。

撤去された高射幸性パチスロ機を遊技していたユーザーの多くはパチンコであれば、もちろん『CR真・北斗無双』を始めとした旧規則機へ移動しています。

しかし今回は、新規則機の新台が与えた影響に焦点を絞り見て行きたいと思います。

まずは「5号機ARTメインユーザー」の全体動向から見て行きましょう。11月から12月にかけて、5号機ARTユーザーは全グループに対して流出しています。

注目したいのは、パチスロAタイプや6号機といった同じパチスロ内における他グループへの流出比率より、パチンコのミドルやライトミドルへの流出比率の方が高い点です。

これはパチンコ・パチスロ間を回遊するユーザーの多くが、高射幸性パチスロ機撤去後、パチンコをメインに遊技する様になったという事です。

特にミドルへの流出率が高いことから、6号機の勝金額に満足できない「勝金額重視派」の多くは、ミドルへと移動したのです。影響したパチンコ新規則機として、『Pバジリスク~甲賀忍法帖~2』『Pエヴァンゲリオン~シト、新生~』が挙げられます。

一方、ライトミドルへも5号機ARTユーザーの多くが移動しています。これは『PぱちんこAKB48ワン・ツー・スリー!!フェスティバル』が影響しています。同じ5号機ARTユーザーでも「勝率重視派」が移動したのです。

「勝率」を重視するのであれば6号機を遊技すれば良いと思いますが、1万円前半から中盤の6号機の勝金額より、2万円前後の勝金額が得られるライトミドルへと移動したのでしょう。

5号機ARTユーザーの6号機への移動状況を見ますと、流出率はAタイプと同数値で、6号機ATの新機種として影響を与えたのは『パチスロ交響詩篇エウレカセブン3 HI-EVOLUTION ZERO』しかなく、5号機ARTユーザーの支持を得るまでは至らず、同じ6号機内での回遊に留まりました。

パチスロユーザーの回遊状況を見ますと、4号機から5号機への移行期の回遊状況と非常に似ています。

次に12月から1月にかけての流入、流出関係を見ますと、ライトミドルが5号機ARTに対してマイナス20%、6号機に対してマイナス11%と、12月にパチンコのライトミドルに移動したパチスロユーザーのほとんどが1月にはパチスロに戻っています。

1月はライトミドルに主だった新台が無かったという事もあるのでしょうが、主だった新台が無かったのはパチスロも同様です。

そのため要因としては、12月に『AKB48ワン・ツー・スリーフェスティバル』を遊技したものの、「勝率が上がらず勝ちにくい」為に、パチスロへと戻ったのでしょう。

一方、ミドルは新機種が多数登場したこともあり、5号機ARTユーザーがマイナス43%、6号機ユーザーがマイナス37%で、12月よりさらに流出しています。

この様にパチスロユーザーの多くが「セブンキ」と回遊しており、特にミドルには「勝金額を求めて回遊しながら定着しつつある事」、ライトミドルには「勝率を求めて回遊するも勝率が上がらず定着していない事」が分かります。

・2020年の注力部門と店舗運営
流入、流出状況を踏まえ2020年の店舗運営を考えますと、まずはパチンコ・パチスロ間の回遊ユーザーを増やし、パチンコ遊技比率を上げる事が重要です。

パチンコ内で『CR真・北斗無双』や『CR真・花の慶次2・漆黒』をメインに遊技しているユーザーが、新規則機メインへと移行する事はありません。

これらのユーザーをターゲットにパチンコの新規則機比率を上げても、稼働を維持する事は難しいと思われます。パチスロユーザーをパチンコ新規則機へと回遊させながら、パチンコの新規則機の設置比率を上げて行く必要があります。

第1四半期で話題性のある6号機は『Sバジリスク~甲賀忍法帖~絆2』『S新鬼武者~DAWN OF DREAMS~』でしょう。一時的には5号機ARTユーザーが遊技するものの、新台効果が無くなれば5号機ARTに戻り、リピートユーザーは6号機ATの新台ユーザーに留まるのは、これまでの6号機に対するユーザー動向と同じでしょう。

5号機ARTユーザーの多くは『P花の慶次・蓮』『P蒼天の拳』など、パチスロユーザーの回遊性が高いコンテンツを中心とした新規則ミドル機と回遊するでしょう。

このことから第1四半期は、特にパチンコに注力する時期であり、パチスロ内の「勝金額重視派」に向けてのミドル、および「勝率重視派」に向けてのライトミドル、それぞれの強化機種の見極めと育成が重要な時期となります。

さらに今後、パチンコに「遊タイム」機能が搭載されれば、パチンコのゲーム性が拡がり、加えて設定機能を活用する事でパチスロユーザーが遊技しやすくなり、より支持される様になるのではないかと思います。

パチスロでは6.1号機に期待したいところですが、回遊状況が大きく変化するとは思えません。今年はパチンコ・パチスロ間回遊ユーザーの動向をしっかりと把握し、回遊ユーザーをパチンコで取り込んで、定着させられる機種の見極めと、育成が重要な年となるでしょう。

◆著者プロフィール
三輪 勝治
㈱エムシック代表取締役
1985年立教大学法学部卒業。パチンコ業界大手周辺機器メーカーに勤務。遊技台情報公開システム、情報ネットワークシステムの開発に携わる。退職後、One To One顧客管理システムの開発・販売会社設立に参加。業界初の顧客遊技履歴データネットワークシステムを立ち上げる。システム開発、セミナー講師、等幅広く活動。2016年10 月株式会社エムシック設立。
URL www.ai-cis.com
Mail info@ai-cis.com

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