【コラム】「期待する時間」が楽しさを生み出す 『eリコリス・リコイル』のゲーム性

投稿日:2026年9月25日 更新日:

機種選定に必要なのは、人数ではなく正解率です(文=小島信之/トビラアケル代表取締役)。

この記事のポイント

  • 機種選定では、スペックやゲーム性だけでなく、プレイヤーが楽しさを感じる瞬間を理解することが重要。
  • 『eリコリス・リコイル』はRUSH中のモードBによって、次の大当たりへの期待を持続させる。
  • 結果だけでなく、期待しながら遊技する時間そのものに価値を持たせている。

機種選定の精度を上げるには、スペックやゲーム性だけでなく、プレイヤーが「どの瞬間に楽しさを感じているのか」を理解することが重要です。

リコリス・リコイル最大の魅力は、3,000発以上を獲得できることではなく、3,000発以上を期待する時間が長いことにあると考えています。人は結果だけを楽しんでいるわけではありません。実は、「期待している時間」そのものにも大きな価値を感じています。

例えば旅行でも、楽しいのは旅行当日だけではありません。

「どこへ行こう。」

「何を食べよう。」

そんな計画を立てている時間も、旅行の楽しさの一部です。

脳が歓喜する予期報酬とは

脳は報酬を受け取った時だけでなく、「もうすぐ良いことが起こるかもしれない」と期待した瞬間にもドーパミンを分泌します。

そのため、人は期待している時間そのものを楽しいと感じます。心理学では、この現象を「予期報酬」と呼びます。

この心理を巧みにゲーム性へ取り入れた機種が『eリコリス・リコイル』です。通常、3,000発以上の振り分け抽選は大当たり後に行われるため、その期待を味わえる時間はわずかです。しかし、リコリコではRUSH中に「モード」という概念を取り入れました。モードBに滞在していれば、「次に当たりさえすれば3,000発以上」という状態になります。まだ当たっていないにもかかわらず、未来の大当たりに価値が生まれているのです。

期待の時間を長く伸ばす妙

プレイヤーはモードB確定演出が出た瞬間から、「次は3,000発以上かもしれない」という期待を抱きながらRUSHを消化します。つまり、この機種は3,000発以上の価値を高めたのではありません。3,000発以上を期待する時間を長くしたのです。本来なら数秒しか味わえない期待感を、RUSH全体へ広げたことが、このゲーム性最大の特徴だと考えます。

もちろん、モードBのまま当たらずにRUSHが終了することもあります。その時の失望は大きくなるでしょう。しかし、それは期待が大きかった証でもあります。プレイヤーは最後まで3,000発以上を期待しながら遊技しているのです。

機種選定では、大当たり性能や継続率だけを比較していては、この魅力は見えてきません。重要なのは、プレイヤーが「いつ」「何を期待しながら遊技しているのか」という視点です。その期待の時間をどれだけ長く、楽しく設計できているか。リコリコは、その「期待の時間」を巧みにデザインした、非常に完成度の高い機種だと私は考えています。

機種選定で押さえたい点


大当たり性能や継続率だけでなく、プレイヤーがいつ何を期待しながら遊技しているか、期待感を持続させるゲーム設計まで確認することが重要です。

◆プロフィール
小島信之(こじまのぶゆき)
トビラアケル代表取締役

2018年まで首都圏、静岡、大阪に展開するホール企業で機種選定を担当。2019年に独立し、その分析力を活かしエンタープライズの全国機種評価等を開発。現在はメーカーの遊技機開発、ホールコンピュータの機能開発など、幅広い分野に携わり、変態的なアイディアを提供している。馬と酒とスワローズをこよなく愛する。

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