【コラム】顧客欲求の最適化~タイミングが悪いから増客しない?

投稿日:2025年1月15日 更新日:

失敗しない売り場プロモーション㊳(文=野島崇範/株式会社プラスアルファ専務取締役)

夏場の鍋つゆに顧客ニーズはある!?

夏に、日常利用するスーパーマーケットで鍋つゆ(地鶏昆布だし味・甘熟トマト味・キムチの素味など)の広告を見た時に、どう反応しますか? 無反応! または暑い時期に鍋のPOPを見せないでと嫌悪を感じるかもしれません。

顧客欲求がない時に、広告を打ち出しても売上は上がりません。つまり、顧客欲求を読み取り、顧客欲求の高まるタイミングに広告を打ち出すことが重要です。

私のコラムでは、「顧客欲求は検索に現れる」と大事なので繰り返し解説しております。

下図の折れ線グラフをご覧いただくと、鍋つゆの検索が非常に夏は少ないことが分かります。つまり、顧客欲求が存在しないことを現しています。2023年の検索欲求のトップピークは11月26日でした。売上もそれに呼応するように、12月が鍋つゆのトップピークになっています。

鍋つゆの検索推移

鍋つゆの売上推移

繰り返しますが、顧客欲求が存在しない夏に、スーパーマーケットで鍋つゆプロモーションを全面展開しても売れません。ここまで聞けば、当然のことに感じる店長を含む経営幹部の方々が多いのではないでしょうか?

しかし、あなたのお店で顧客欲求の高まるタイミングを無視して広告展開していませんか。

『スマスロ北斗の拳』の顧客欲求が高まるのは「〇曜日」

例えば、ここ最近、『スマスロ北斗の拳』を強化するお店が徐々に増えています。『スマスロ北斗の拳』単体の検索数は月間24万6,000件です。また、30日間のポジティブ感情は85%(2024年12月19日時点)です。

つまり、当社の統計データでは十分に集客できる遊技機です。そのため、『スマスロ北斗の拳』を強化機種としてお勧めすることは適切です。しかし、『スマスロ北斗の拳』を集客するタイミングを間違えている場合が多いです。

『スマスロ北斗の拳』を強化する最適なタイミングはいつですか?

北斗と言えば「7」というパチンコ業界人としての思考が根付いていますが、お客様が『スマスロ北斗の拳』を検索するタイミングは異なります。

「7」の付く日を絡めて「北斗の拳」の一般景品入荷を行っているお店を多々見かけますが、タイミングが間違っているから成果が生まれないのです。夏に鍋つゆを打ち出しても売れないように、『スマスロ北斗の拳』の欲求のないタイミングでプロモーションを強化しても増客せず、意味がない作業になります。

現時点では『スマスロ北斗の拳』の顧客欲求が高まるタイミングは「日曜日」です。『スマスロ北斗の拳』の検索数は多くても、検索するタイミングは日曜日や土曜日に集中します。

検索数の推移を見て、波を読むことが重要です。波の高いところは顧客欲求が最大化している最適なタイミングなのです。これは機種によって違います。また、新台入替の顧客欲求の高いタイミングは月曜日ではないです。これまでの業界の常識が時代と共に変化しています。

『スマスロ北斗の拳』の検索推移

最後に、補足説明として店長を含む経営幹部の方々によく質問されることを共有します。

現在の『スマスロ北斗の拳』の稼働は低調であるため、検索数の多さやポジティブ感情の高さに疑問を頂くとのことです。

これは至って単純な話です。『スマスロ北斗の拳』を全台設定1で運用しているため不味いのです。どれだけラーメン好きであっても、不味いラーメンは食べません。

私が支援しているお店の『スマスロ北斗の拳』の数値は良いです。現在も主力機種として集客も利益も貢献する遊技機のひとつです。顧客欲求の最適化を見直してください。

【お知らせ】
顧客欲求を踏まえたデザインと言えばデザイン定期便
https://www.uriba-design.com/

◆プロフィール
・野島崇範(のじま たかのり)
1983年三重県生まれ。北海道教育大学卒。全国のホールを年間1,000店舗以上調査し、その中から繁盛店に共通する法則を見つけ出し「伝達力」と定義。「伝達力」調査の分析に基づき、お客様立場の徹底と継続の重要性を、支援先ホールの全スタッフと共有する。また、売り場ランチェスター戦略の第一人者として、科学的に売り場の支援を実施。売り場の書籍「あなたの売り場、太っていませんか?」を発売。

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