掲出されるコピー(標語)は「パチンコ・パチスロは適度に楽しむ遊びです。」と「のめり込みに注意しましょう。」の2本。帯広告の素材ダウンロードは全日遊連の組合員専用ホームページから9月22日より開始される。
のめり込み防止対策として全日遊連はパチンコ依存問題相談機関「リカバリーサポート・ネットワーク(RSN)」に対する運営費支援と、パチンコ店駐車場から子供の車内放置防止対策(駐車場の巡回点検、ポスターの掲示や店内放送による注意喚起の徹底等)のマニュアル化に取り組んできた。しかし理事会後の定例会見で西事務局長は、「のめり込み防止対策は喫緊かつ最重要課題。行政の意向も踏まえつつ、今回さらなる取り組みの強化を決議した」と説明。8月6日と9月8日に開かれた遊技産業活性化委員会(伊坂重憲委員長=全日遊連副理事長)でものめり込み対策の強化が課題に浮上したこと、その中で警察庁担当官からも対策強化の必要性を求められていた経緯に触れた上で、「この問題は今後21世紀会全体で取り組むことになる」と述べた。
また阿部理事長は今回の帯広告掲出について全日遊連として「いますぐできる」即時対応に位置づけるとともに、中長期的な観点から第2弾の対策を早急にまとめる方針を強調。他団体でも即時対応と中長期対応の2本立てで検討を進めていると報告し、「当然各団体で中身が違ってくる。またそれとは別に業界全体での取り組みについても今後協議していくことになる」と付け加えた。
21世紀会は業界全14団体を網羅する「パチンコ・パチスロ産業21世紀会」のこと。遊技産業活性化委員会は21世紀会の委嘱を受けて業界6団体から委員を選出、委員長は全日遊連の伊坂重憲副理事長(機械対策委員会担当)が務めている。業界6団体は全日遊連、日遊協、日工組、日電協、全商協、回胴遊商。
さらに阿部理事長は、8月に厚生労働省から発表されたパチンコや競馬などの国内のギャンブル依存者を536万人に推計した初の調査結果を重く受け止める認識を示し、「厚労省からの発表もあった中で、やはり業界としてきちっと対応していることを国民の皆さんに示すことが重要だ」と指摘した。
厚労省は8月20日、国内の成人依存に関する全国調査結果を発表。成人約4,000人の面接調査からパチンコや競馬などギャンブル依存536万人(成人人口の4.8%)、インターネットから離れられないIT依存421万人(同4.0%)、アルコール依存109万人(同1.0%)と推計されることを報告していた。