「顧客カルテ」を有効に活用するには?

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 エンタテインメントビジネス総合研究所は3月18日、都内でAclub3月セミナー「顧客カルテ活用術〜大規模店にも負けない店づくり〜!!」を開催した。

 同社客員研究員の市川正人氏が講師を担当。中小規模店が大型店に対抗する武器としてランチェスター理論を引き合いに「弱者は負けるフィールドで戦ってはいけない。戦闘局面を絞り、局面での優位性を意識すべき」と指摘。中小規模店ならではの機動性に焦点を当てた接客面での差別化に注目した。

 このなかで同氏は接客の2つの型に言及。それぞれを全ての顧客に対し同質の接客を決められた通りに行う「サービス型接客」と、一人一人の顧客を観察して顧客の望むものをすぐに提供する「ホスピタリティ型接客」と定義し、他業種での事例を参考にしつつ、「勝ち残っている中小、零細企業は機動性と顧客志向を徹底的に追及している。顧客数が少なく常連客の比率が高い中小規模店では個々の顧客を観察してホスピタリティ型接客を提供することが可能だ」と指摘した。

 そのためのツールとして「顧客カルテ」を提案。スタッフが顧客を観察、コミュニケーションを取ることで望むことを「予想できる」ようになることが大切だとして、カルテの項目やスタッフに浸透させるための手法などをレクチャーし、例えば既存の顧客だけでなく新規の顧客にも対応できるよう「架空の顧客」のカルテをつくることの有効性を説明。こうした接客面での差別化はすぐに効果が表れるものではないが、効果が表れるまで続けることが大切だ」と訴えた。

 また、こうした接客手法が他の業務に支障を及ぼす可能性もあるが、これに対しては「人件費を増やすという考えは持たずに、顧客から見えない部分での作業を合理化することで時間を捻出すべきだ。これは他のサービス産業ではすでに行われていること」とホテル業界などの事例を解説。

 「個々の顧客と長くつき合うことで利益が出るのは他業界でも証明済みだ」とまとめた。

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