オムコとの取引はJALCO HDの子会社であるジャルコ・アミューズメントサービス(JAS)を通じて行われていた。オムコ社とパチンコホール等との間で成立した売買契約に基づいてオムコ社は納品前に当該物件を一旦JAS販売、JASから買い受けたのちにパチンコホール等に納品する流れ。JASはこのスキームを活用して中古遊技機の割賦販売事業とレンタル事業を展開していた。
しかし報告書では、「オムコ社は、パチンコホール等との間の売買契約が実際は存在しないにもかかわらず、売買契約書を偽造し、これをJASに提出して本件取引を行なっていた」と指摘。具体的にはオムコ社がJASに提出していた「パチンコホール等との売買契約書に対象物件として掲載された中古機台数」のうち、2012年1〜3月までは約4%の28台が納品の事実無し、翌年(2012年4月〜2013年3月)は約80%の約8,800台が納品の事実無し、翌々年(2013年4月〜2014年2月)では約85%の約11,900台が納品の事実無し、と報告している。
JALCO HDは1956年(昭和31年)に設立した有限会社雪ヶ谷金属が前身。テレビのコネクター等を海外で製造、日本メーカーに販売するなど、元々は電子機器用部品の製造販売を手がけ、1978年10月には、日本証券業協会の店頭登録銘柄(現JASDAQ)に株式を公開。現在もJASDAQ上場を維持している。
ただ近年は低価格で国際競争力を高めるアジア勢の台頭から業績は低迷。2012年1月から開始した中古遊技機の割賦販売事業を契機に事実上の業態転換に踏み切っていた(中古遊技機のレンタル事業は2012年7月から開始)。
同社の2013年3月期(2012年4月〜2013年3月)の売上高は33億5,107万円。うち中古遊技機の割賦販売事業は24億4,640万円(73.0%)、レンタル事業は4億1,253万円(12.3%)を占めていた。