特別講演「カジノ合法化へのあゆみ」をおこなった自民党・国際観光産業としてのカジノを考える議員連盟(略称:カジノ議連)の野田聖子会長は、カジノ法案上程のスケジュールについて、
「本当は今国会において法案を提出したかったが、(提出しても法案が)通るかどうかは極めて微妙だ。とにかくいまの小泉政権は郵便局のことしか考えていないとともに、カジノに関する温度が低い。私はこのカジノ合法化は規制緩和だし、構造改革だと考えるが、今の小泉総理のリーダーシップでカジノ法案が議事にのっていくことは不可能に近い。ただこれは大きな問題であるため、反対者が多いことを踏まえてじっくりと国会において議論していくことが重要であり、私としては、できれば今国会に法案を提出したい」
と述べ、今期の通常国会におけるカジノ法案の上程、通過は困難な政局であることを示唆した。
カジノ議連は昨年6月、カジノ法案のたたき台となる「ゲーミング(カジノ)法 基本構想」を策定していたが、当初のスケジュールでは昨年中に自民党以外の他党から有志を募り、同議連を発展的に解消させて超党派の議員連盟を組織したうえで法案を作成し、今期通常国会において上程する予定だった。
なお、当日はその他、文教大学国際学部の山田紘祥教授、(株)三井物産戦略研究所の美原融プロジェクト・エンジニアリング室長による基調講演に加えて、「カジノ合法化で日本のゲーミング・レジャーはどう変わる?」と題したパネルディスカッションがおこなわれ、コーディネーターを山田教授、パネリストを美原室長、大阪商業大学・谷岡一郎学長、ピーアーク(株)の庄司正英社長、セガサミーホールディングス(株)の里見治会長兼社長の各氏がつとめ、今後のパチンコ業界の在り方を中心に議論した。