訴えを起こしていたのは「アルゼ(株)に対し責任追及する会」関東地区の所属店舗(1社3店舗)と同・中部地区の所属店舗(1社2店舗)。関東地区は04年11月、中部地区は同年9月から裁判を開始。昨年4月までに両裁判の二審判決が言い渡され、ともに一審に引き続き原告側パーラーが勝訴していた。今回の最高裁の棄却決定は、関東地区は昨年12月4日、中部地区は同9月16日に示されもので、損害賠償金はすでにアルゼ側から支払われている。
会見に臨んだ全日遊連の原田理事長は、「今回の決定はホールとメーカー間に横たわる不均衡な商慣習の是正にも大きな弾みとなるものだ」と強調した。
一方、同様の訴訟は現在「追及する会」九州地区(16社39店舗)と同・近畿地区(5社5店舗/07年4月時点)で継続中だが、会見に同席した加藤弁護士は今回の最高裁決定が残る2つの裁判の行方にも大きな追い風になるとの認識を示した。
「追及する会」は全国9地区で結成され、うち関東、中部、近畿、中国、九州の全5地区が提訴に踏み切っていたが、中国地区(1社1店舗)は07年3月の一審判決で原告パーラーの勝訴が決まったのち、同年8月までにアルゼ側との間に「原告パーラーの勝訴的和解」(加藤弁護士)が成立していた。
問題となった不具合はサブ基板のプログラム・ミス。このミスに乗じた攻略法がインターネットに掲示され、納品直後だった全国の『ゴールドX』導入店に被害が拡大。島封鎖など当該機の稼働を停止する緊急避難的な対応に当時導入店は追われた。
先に最高裁で認定された原告パーラーの損害賠償請求は、稼働停止に伴う休業損害のほか、『ゴールドX』の導入に際してかかった運送代やAMマーク代、広告宣伝費、承認変更申請費用など、二審の高裁判決で認定されていた広い範囲に及んでいる。