09年度パチンコ関連機器の市場規模は微増

投稿日:

 (株)矢野経済研究所は8月18日、「パチンコ関連機器市場に関する調査結果2010」のサマリーを公表。同調査は今年5月から7月までの3ヶ月間実施され、調査対象は遊技機メーカーや周辺機器メーカー等。同社専門研究員による直接面談や電話・e-mailによるヒアリング等で行われた。

 同社によると、09年度のパチンコ関連機器全体の市場規模は前年度比2.7%増の1兆3654億円で僅かにプラス成長となった。この主な要因をパチスロ機市場、周辺機器市場の縮小傾向が続く一方で、パチンコ機市場の拡大が市場全体を下支えしたと分析するが、「販売数量は減少しており、販売単価の高騰が補填した形。本質的に“回復”したとは言えないのが実態」としている。

 遊技機分野では、パチンコ機が前年度比6.6%増の約9789億円と販売額は増加したものの、販売台数は減少。遊技機1台あたりの価格上昇が目立つ形となり、「パチンコホールの業況は厳しさを増しているため、購入する新機種を厳選する動きも見られる。販売台数の減少傾向がさらに強まる」と指摘する。

 一方、パチスロ機は同8.9%減の約2259億円と減少傾向は続いているものの、09年後半あたりから業績は徐々に好転。ヒット機種の登場に伴い、パチスロ機の設置台数を再び増加させる動きも目立ってきており、「この傾向が一過性のものでなければ、明確に販売額や販売数量の増加といった数値結果に現れる」としている。

 周辺機器分野は、前年度比1.8%減の約1606億円と微減で推移。久々の新ジャンルとして期待される「各台計数機」の市場浸透が急速に進み、またパチスロ機部門の業績改善傾向に伴い、「台間メダル貸機」などの設備が業績を伸ばしている。しかし、依然として新規出店傾向は鈍く、しばらくは微減傾向が続くと予測している。

 最後に同サマリーでは、「“パチンコ業界不況”が沈静化に向かいつつあるとは言え、パチスロ機部門の回復といった好材料も決定打に欠け、今後しばらくは“縮小均衡状態”が続く」としている。

-業界ニュース

© 2024 グリーンべると(パチンコ・パチスロ業界メディア) Powered by AFFINGER5