【コラム】年末に控える旧規則機の撤去 ホールはその時、どう考えるべきか?

投稿日:2019年12月10日 更新日:

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今回は年末の旧規則機の人気機種の撤去が迫ってくる中で、撤去時に出玉で還元するのか、粗利重視で行くのかを考えてみたいと思います。人気機種撤去で客数が減ることは避けたいものです。

人気機種撤去時の設定の使い方

10月27日で『SLOT魔法少女まどか☆マギカ』の東京での認定期間が終了して、6年間の設置期限が終わりました。さてこの『まどか☆マギカ』は東京・秋葉原では大盛り上がりをみせ、稼働もほぼフル稼働でした。この撤去機に対する扱いがあらためて重要だと感じた次第です。

ホールによっては「撤去機だから設定を使うのは無駄」「お世話になったから感謝の意味も込めて出して終わろう」など真逆の発想になりがちですが、“粗利をとって終わるよりも出して終わった方がいい”というのが今回のテーマです。

ツイッターをはじめとするSNSが当たり前の広告手段となっている今、当然『まどか☆マギカ』は盛り上がりを見せていました。『まどか☆マギカ』に対する思いを表現するだけでユーザーは当日の出玉状況、結果を気にするでしょうし、実際設定を使えば店舗のイメージアップになります。また次の撤去機種ごとにユーザーに注目されるなど、広告効果を考えるとユーザーに還元しない理由は無いといえます。

認定切れまで設置されていた機械というのは当然、6年間設置されていたことから名機であることがほとんどで、1回はユーザーが触ったことがある機械でしょう。従って認定切れとなる人気の旧規則機は撤去間近になると、どんどん稼働が上がってきます。

その裏付けとして、PーWORLD上の設置店検索ランキングでも『まどか☆マギカ』だけではなく、4月に認定切れを迎えた『北斗の拳 転生』、8~9月に認定切れを迎えた『化物語』などの名機たちが撤去を前にランキングの上位に顔を出していました。

撤去機種だから、打ち納めに来るユーザーの影響で勝手に稼働が上がるだろう、という理由で粗利重視の営業をとることも戦略だとは思いますが、ユーザーは撤去機の設置店と同時に設定を使うのかどうかも注目していることを考えると、甘く運用して自店のイメージアップにつなげるという戦略を活用しない手はないと考えます。

こうした「ストーリー」を集客手段に使うお店はイベントごとに稼働が上がります。例えばハロウィンの時期の『マジカルハロウィン』や、キャラクターの誕生日、様々な細かい変化でも該当機種を求めて、来店動機になるでしょう。

またシリーズ物の後継機がある場合は、撤去機種全台に高設定を投入し、翌日にはその後継機種全台に高設定を投入するなど、新旧当該機種のバトンパスのように使えます。その度に集客できると考えると、やはり人気機種の撤去時は特段の出玉還元が重要といえます。12月に『バジリスク~甲賀忍法帖~絆』、『モンスターハンター月下雷鳴』、『アナザーゴッドハーデス』の認定切れが控えている現状、やはりユーザーの注目度は高いでしょう。

新シリーズ導入時には旧作も出す

同シリーズの旧作を出す理由は、基本的には「急落するであろう旧作の稼働面でのケア」です。しかし、浸透すると“この店舗は新台の旧作も熱い!”となり、新台の台数以上に集客できる場合があります。

『SLOT劇場版魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語』導入時には、『まどか☆マギカ』と『SLOT魔法少女まどか☆マギカ2』を出すべきですし、『マイジャグラーⅣ』導入時には『マイジャグラーⅢ』を出すべきでした。パチスロとシリーズ物は切っても切れない関係ですから、シリーズ物は旧作も出しこむ事が重要です。

しかし、自店が新作を導入するときは「旧作も出す」とユーザーに認識してもらっていなければ集客しないのは当然ですので、常日頃から「あのホールなら・・・」など些細な変化で勝手に出玉面で連想してもらえるようにしたいところです。

この連想というのは大事で、お店の信頼度といってもいいでしょう。例えば「新台入替時に移動した機種に高設定がある」、「新台入替えで『準新台』プレートが付いた機種にも高設定がある」、「減台した機種も、やる気がないと思われないために高設定を入れるだろう」、「新台初日は『ジャグラー』が出ている」、「遅れて導入した新台はいつも以上に高設定が投入される」など、新台導入に関する連想させるものでもいくらでも店舗側でストーリーを作れます。

日々の営業に関しても、 「キャラクターの誕生日には該当機種に設定6が入るはず」、 「大負け台の翌日には設定6が入る」、「全6機種の次の日にも6が数台は据え置く」、「万枚出た台の次の日のその台は設定6」などいくらでも連想を作り出すことが出来ると言えます。

この連想が来店動機であり、この連想できる事柄が多いほどお店の期待度は上がりますし、朝の並びが増えるはずです。またユーザーが連想している事なので全てに応える必要はないですし、失望はそれほどないはずです。

しかし注意しなくてはならないのは、自店が自ら「時間打ち」「新台入替えの新台」等の告知を行っている場合は、自らユーザーに期待させて集客しているので、出さないと期待を裏切りますし、失望させることになり、自店のイメージを下げる事になります。勝手に期待する連 想は自分を責めますが、期待させて集客することに対して裏切ると店舗が責められる事になると想像しましょう。

■プロフィール
三木 貴鎬
㈱エスサポート代表取締役
1972年生まれ。97年中央大学商学部卒業後、パチスロ専門店(神奈川県42台)にて勤務。01年〜06年グループ4店舗を統括部長として指揮、在職中より他店舗のコンサルティングにも携わる。この期間、全ての店舗で稼働平均15000枚を継続。07年に独立し、パチンコ・パチスロホール運営コンサルタントとしてエスサポートを設立。“ホールの知恵袋”として全国どこにでも出張中。社内外を問わず行うセミナーも好評。

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