【コラム】新たなヒット機の基準となるか!? 『Lうしおととら 白面決戦』を分析

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バランススペックの機種が寿命を伸ばす中、中単価帯ながらMY単価1,000枚を超える注目機種があります。今回は『Lうしおととら 白面決戦』の機種分析をしていきたいと思います(文=三木貴史/エスサポート代表取締役)。

筐体は全面液晶ドーナツビジョンタイプで、上部にはタッチセンサー付きの球体役物を搭載しています。液晶演出はしっかりと作り込まれており、とても良い仕上がりになっていると感じました。

スペックはAT特化タイプです。通常時から突入するCZ中は純増1.2枚で微増、AT中は擬似ボーナスが純増5.0枚、ST中が純増1.2枚、上位ATは純増5.0枚固定となっています。

コイン単価3.4円の中単価帯ながら、MY3,600枚、MY単価1,090枚という、バランススペックと高射幸スペックの中間に位置しているのが特徴です。同機のように、手軽に遊べて一撃性もある設計値が今後のヒット機の基準になっていくのか注目したいところです。

通常時はレア役からのCZ当選がメインとなるほか、1/6.9の妖目の連続によるCZ抽選、AT抽選があり、ほどよい自力感で退屈せずに遊技することができます。これに加え、G数解除によるCZ当選、CZスルー天井、AT間天井なども搭載しています。

ATは擬似ボーナスからスタート。擬似ボーナスは赤7が揃ったライン数×20Gが初期G数となります。最大は300Gです。擬似ボーナス終了後は1セット30G+9GのSTに突入します。ST中は妖目の50%、レア役の100%で獲得できるポイントを貯め、10ポイント貯まるとVストックを獲得できます。10ポイント未満でも保有ポイントに応じて、ボーナス獲得抽選が行われる仕組みです。

このSTのループ率は約70%となっており、ボーナス3連目、6連目には上位ATをかけた「白面臨界チャレンジ」が発生する可能性があります。ちなみに9連目には必ず発生します。

このチャレンジは4択の押し順当てでベルが揃えば上位AT確定となります。トータル突破率は約30%。3連目、6連目にチャレンジが発生する確率に設定差があるとのことです。設定1での上位AT突入確率は約1/3,800、初当たりの10回に1回は突入するイメージです。

上位ATは200~500枚のボーナスが81%でループしていきますが、駆け抜けてしまった場合は獲得枚数が100枚程度で終わってしまうため、上位AT=大量獲得とはならない点は注意が必要です。上位ATに突入しやすい代わりに、獲得枚数が安定しないことが唯一の懸念点となります。

販売台数は抑えめ
少台数でも導入が吉

同機は1,000円ベースが33Gあり、CZ中も純増が1.2枚となるため、コイン単価を抑えることに繋がっています。それでいてMY単価は1,090枚と非常に高く設計されています。メーカー公表のMYは3,600枚ですが、実際はもう少し下がるはずです。仮に3,400枚だったとしてもMY単価は1,000枚と高く、投資と見返りのバランスに優れています。

CZ確率、AT確率の設定差が小さいため、設定看破は難しそうな印象がありますが、店長カスタム機能が搭載されているため、設定示唆要素は十分で、前作の『Sうしおととら』からスペック、演出、運用面、いずれもスマスロ仕様に進化を遂げています。

導入台数ですが、20円パチスロ総台数の2%前後を目安に導入したいところです。販売台数が4,000台と少なく、この販売台数なら中古価格も高値で推移.維持することが予想されるため、購入するリスクは小さいです。購入可能なホールは少台数でも良いので、必ず導入することを推奨します。

◆プロフィール
三木 貴史
㈱エスサポート代表取締役
1972年生まれ。97年中央大学商学部卒業後、パチスロ専門店(神奈川県42台)にて勤務。01年〜06年グループ4店舗を統括部長として指揮、在職中より他店舗のコンサルティングにも携わる。この期間、全ての店舗で稼働平均15,000枚を継続。07年に独立し、パチンコ・パチスロホール運営コンサルタントとしてエスサポートを設立。“ホールの知恵袋”として全国どこにでも出張中。社内外を問わず行うセミナーも好評。

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