【インタビュー 私の道】
「人」の知見を源泉に今後のカギは「協業」へ
|株式会社CCG ENTERTAINMENT中濱隆裕社長

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それまでパチンコ業界が取り入れてこなかった先進的なWEBプロモーションを次々に創出する㈱CCG ENTERTAINMENT。同社の舵取り役を担う中濱社長に、これまでとこれからを聞いてみた。

PROFILE●なかはま・たかひろ
大学卒業後、着物販売、広告業などを経て、2011年㈱シー・レップ入社。2021年同社の持株会社移行および商号変更に伴い㈱CCG ENTERTAINMENT代表取締役に就任。現在に至る。好きな言葉は「人に優しく、誠実であれ」。1977年6月生まれの47歳。大阪府出身。なお、親会社含む全9社に共通する「CCG」は、創業時からの企業文化であるChallenge(挑戦)、Change(変化)、Growing(成長)からとったもの。

様々な職種経験で磨いた営業スキル

疑問を感じていた。

「このような売り方でいいのか」と。

30代でも社長になれるという触れ込みで新卒入社した関西の着物販売企業。持ち前の営業力で結果を出し続け、1年余りで店長に就任する。給与も悪くなかった。しかし、少し強引にも見えるその販売手法を、仕事だからと決して割り切ることはできなかった。

2005年9月、転職したのは折込チラシをメインで扱う広告代理店。そこで初めて、パチンコ業界との取引を経験する。

「ここでBtoBの仕事を初めてさせてもらったのですが、扱う金額のケタの大きさに驚きましたね」。

学生時代、友人に連れられてパチンコで遊んだ経験はあったが、そこまでハマることはなかった。むしろ業界にいいイメージを持っていなかったものの、業界人と関わりが深くなるにつれて、考え方が変化していったという。

「働いてみて分かったことですが、いい人が多かったです。真剣に店を良くしていきたいという店長さんにもたくさんお会いすることができました」。

ただ仕事は、基本午前9時から夜中の2時頃まで。仕事は楽しかったものの、4年で体が悲鳴を上げた。

その後勤めたのが結婚相談所。雑誌に掲載した広告を見て問い合わせをしてきた女性に入会を勧める仕事だ。ここでも、これまで培ってきた営業力をいかんなく発揮していたが、1年後、前職の同僚から一本の電話が鳴る。

「話を聞くと、今勤めている会社のパチンコ部門を充実させたいから、一緒にやらないかという誘いでした」。

同僚が勤めていた会社は、㈱シー・レップ。㈱CCG ENTERTAINMENTの前身となる会社だ。折込チラシをメイン事業とし、当時はパチンコ業界への販路拡大を着手し始めた段階だったという。

2011年3月の入社後まもなく東日本大震災があり、広告規制も厳格化されるなど、逆風はあったが、実績を積み、部署の人員も拡大。さらに会社が次の一手として関東圏への進出を図り、その一番槍に任じられたのが中濱社長だった。

ゼロからの開拓で、最初は商慣習の違いに戸惑いもあったというが、1年余りで顧客を相次いで獲得し道筋を作った。と同時に、若手スタッフからの提案で、新商材開発にも着手。それが後に経営の柱へと成長するYouTubeの広告制作事業だった。当時は今ほど動画閲覧が一般的ではなかったが、将来への布石として、若手スタッフの感性を信じた。

結果、2020年からのコロナ禍でその判断が正しかったことが証明される。売上は落ち込んだものの、WEB事業が大きく飛躍。結果、増益を果たす。

「ここまで早くWEBを用いた商材が普及していくとは思いませんでした。そこまで手掛けていた実績とノウハウがあったことで、様々な面で先行できたと思います」と布石が効いた。

2017年当時の中濱社長。この後2年半をかけて20キロのダイエットに成功した。なお関西出身ながら贔屓の球団は昔から巨人だという。

 

新会社として新たなスタート

そして、2021年には、シー・レップが持株会社化および商号変更を実施し、各事業部が子会社として独立。業界に特化した販促支援企業として、㈱CCG ENTERTAINMENTが設立され、社長に就任した。近年では高いクリック率を実現する宣伝ツールの『ピークリック』『X広告』(旧ツイッター広告)なども高い支持を得ている。

YouTube動画制作に続くヒット商材となっている『ピークリック』(右)および『X広告』(左)。リリース以降、ホールからの引き合いが相次いでいる。

目下の課題は人材採用。人手不足はあらゆる産業で共通する課題だが、とりわけ、懸念に感じているのは、若い感性の欠如が会社にマイナスの影響を及ぼしかねないという点だ。

「事業は色々な人のアイデアが積み重なって成り立っていくものです。弊社はそれで成長してきたという事実があります。若い人の知見が得られなくなることで、将来を見据えた仕掛けが滞ってしまうことが心配です」という。

そのためまずは、リファラル(紹介・推薦)採用を駆使するなどして当面の人手不足に対応。さらに、同社の社風でもある自由闊達な意見が交わせる環境を維持しつつ、秩序だった組織運営を念頭に置く。

「社内のメンバーがフラットな環境で、いろんな意見を言いやすいことは強みです。しかし中には、それを誤解してしまっている人がいるのも実情です」と人の管理の難しさに直面しているが、中濱社長のポリシーでもある「人」を大切にする環境整備に引き続き力を注いでいく構えだ。

今後について意識しているのは、他社との協業。昨年から今年にかけて複数の業界団体に加盟し、横のつながりを大切にするようになった。

「足りない部分を補い合って、互いにプラスになるようなシナジー効果を発揮できるような商材を提案していきたいと考えています。そういった協業で生み出されたもので、業界発展の一助になれれば」と静かな情熱を燃やしている。

CCGグループがが入居する「靖国九段南ビル」。

株式会社CCG ENTERTAINMENT
東京本社/東京都千代田区九段南2丁目3-14 日本生命靖国九段南ビル4F
大阪本社(本店)/大阪府大阪市中央区南本町1丁目8-14 JRE堺筋本町ビル5F
【設立】2021年6月
【資本金】1,000万円
【従業員数】30名
【事業内容】YouTube広告制作等のWEBプロモーション、販促支援、集客イベント
【URL】https://ccg-entertainment.jp/

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