【コラム】パチスロ30φ機のように地域によって機種の稼働格差が起こる原因とは

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スマスロが導入され始めて1年以上が過ぎました。ホールにはまだコイン機が残っていますが、ホールの機種が完全にスマスロ化されると、パチスロには1つの変化が起こります。それは「30φ」という概念がなくなるのです。今回はその30φについて考えてみたいと思います(文=小島信之/トビラアケル代表取締役)。

30φが強い地域というと愛知、新潟、茨城あたりでしょうか。しかし、最近ではそれ以外の様々な地域で30φが導入され、高稼働している店舗も多々見受けられます。一昔前、30φがあまり導入されていない地域の店舗に30φの導入を勧めると、決まって「地域性」という言葉で断られました。うちは地域性が違うから無理だよ、と。この地域性という言葉の正体は何なのでしょうか。

言葉の通り受け取ると、30φが強い地域のプレイヤーは、大きいコインでハイビスカスが光るゲーム性が好きであり、それ以外の地域のプレイヤーは嫌いであるということです。

では、どうしてそのような事が起こるのでしょうか。人の考えや好みの傾向などは、それまでに置かれていた環境に大きく左右されます。例えば出身の地域によって食の好みの傾向は変わりますし、育ってきた家庭環境によってもそれは変わってきます。そう考えると、30φが強い地域のプレイヤーは30φが好きになる環境が整っており、それ以外の地域ではその環境がなかっただけなのです。

30φが好きになる環境とは、その地域の店舗が「30φに対して営業努力をし続けてきた歴史」に他なりません。30φを導入するだけして、何も行わずにその地域のプレイヤーだけが自然と30φを好きになるようなことは、絶対にあり得ないのです。

地域性とは、その環境があるかないかの違いであり、その環境を作り出すのは店舗です。地域性という言葉の正体は、プレイヤーに好かれる環境を作り出す努力をしていないことに対する「言い訳」でしかないのです。

冒頭でも述べたように、様々な地域で30φが導入され、強い店舗が多くあるのがその証拠でしょう。それらの店舗は30φがプレイヤーから好かれる環境を作る努力をしてきたのです。

地域性ということでちょっとスケールの大きい話をしましたが、これは商圏内でもいえることです。全国的にはそんなに人気のない機種なのに、競合店でだけ高稼働をしている機種があったとします。それに対抗して自店でもその機種を導入したとしても、その機種では簡単に稼働は取れなかった、というような経験をされた方は多いのではないでしょうか。

競合店で機種の稼働が上がったのは、その機種に対して正しい方向性で努力をした結果であり、同じように高稼働を目指すのであれば、同様の努力をする必要があるのです。

話は30φに戻りますが、これまでは30φの導入に挑戦をするには設備を変更する必要がありました。そのため、簡単には挑戦できない店舗も多かったと思います。しかし今後は設備投資を行わずに、30φのような機種の導入を行えるようになります。

◆プロフィール
小島信之(こじまのぶゆき)
トビラアケル代表取締役

2018年まで首都圏、静岡、大阪に展開するホール企業で機種選定を担当。2019年に独立し、その分析力を活かしエンタープライズの全国機種評価等を開発。現在はメーカーの遊技機開発、ホールコンピュータの機能開発など、幅広い分野に携わり、変態的なアイディアを提供している。馬と酒とスワローズをこよなく愛する。

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