【コラム】大きな潮流を生み出す パチスロ戦略構想の練り直し

投稿日:2024年5月21日 更新日:


本稿執筆は『押忍!番長4』が動き始めて4日目にあたる4月25日。いまのところ打込数は抜群。この調子でいけばゴールデンウィーク商戦を大いに盛り上げる存在となるだろう(文=𠮷元一夢/㈱THINX代表取締役)。

本稿では今後のパチスロ戦略構想について考えてみることとする。『スマスロ北斗の拳』が登場して以降、様々なタイプの機種がリリースされ、それなりの実績を残した機種は多い。しかしながら、どれもマーケットインパクト(市場に与える影響)はそこまでで、市場構造を動かすほどのレベルではない。言うなれば、佳作貢献レベルのリリースが続いているということだ。

図1から読み取れるように、高実績を残した機種でもプレイヤーの創出量はそれほど高くない。昨年末に登場した『バジリスク絆2~天膳~』はピークで3%程度。また『スマスロモンキーターンV』は、増産されてようやく2%弱の規模にまで上昇。その他の機種は1%程度にとどまり、マーケットインパクトという点では、それほど高くない。

図1:プレイヤー創出量 ©THINX-LAB.OLAP SIS ©SUNTAC「TRYSEM」よりデータ引用

しかしながら、『スマスロ北斗の拳』だけは違った推移を見せている。佳作貢献機種の登場で漸次下降を示しているものの、いまでも6%程度の規模を有しながら安定したマーケットを構成している。これは戦略を構想していく上では非常に重要なインサイトで、今後の進め方のヒントとなる。

■サイクル単位のトレンドの波を掴む

現在のパチスロ市場では、佳作貢献レベルの機種を短いスパンで活用しながら、小さな波を繋げながら長期スパンで見た時には大きな波の潮流を描けているかどうかが理想。いわば、サイクル単位のトレンド(小さな波)をコントロールできるかどうかが争点だ。

この点は“即効性”や“集客”の話で、競争を優位に運ぶための重要な視点となる。パチスロ市場は、パチンコに比べて良い遊技機環境なのでサイクル単位のトレンドは自然と起こりやすい。

一方で、意図的な波を作るという意味では、もうひとつ走らせておくべき戦略だと考えているのが、安定したプレイヤーの創出を続ける『スマスロ北斗の拳』である。

同機は、佳作貢献機種が登場してもなお、ユーザーの吸引力がいまだに高い。ようするに、足元商圏におけるシェア争いにおいての影響力が高いということ。つまり、佳作貢献レベルの機種で集客を行いながら、どれだけ『スマスロ北斗の拳』に着座させられるか、さらには客数シェアを制圧できるのかが競争を優位に運ぶための視点として重要であることを示唆している。

当面のパチスロ戦略構想としては、サイクル単位のトレンドの波を掴むことと同時に、『スマスロ北斗の拳』の意図的な施策を走らせていくことが重要だと分析している。

・サイクル単位のトレンドを繋ぎ大きな波の潮流を描く
・意図的な『スマスロ北斗の拳』強化

上記2点に鑑みながら戦略を構想してみてはいかがだろうか。

◆プロフィール
𠮷元 一夢 よしもと・ひとむ
株式会社THINX 代表取締役。データアナリスト・統計士・BIコンサルタント・BIエンジニア。文部科学省認定統計士過程修了。現在は、IT企業のシステム開発やソフトウェア開発にアドバイザリーとして従事しながら、パチンコホール・戦略系コンサルタントとして活動。

 

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