パチスロ営業は、高単価機を盛り上げることで高い稼働促進効果が期待できるのが、最近の潮流です。今回は高単価かつ高MYの注目機『スマスロ聖闘士星矢 海皇覚醒 CUSTOM EDITION』を評価します(文=三木貴史/エスサポート代表取締役)。
今回の『スマスロ星矢』は、5号機時代で最後まで活躍した前作『パチスロ聖闘士星矢 海皇覚醒』と液晶演出に大きな変化はありませんが、その変わらなさが初見でも安心して打てる良さに感じます。
通常時はG数解除、小宇宙ポイント、レア役抽選などでジェネラルバトル(以下、GBと記載)に当選します。他の契機も含めチャンスが多い仕様です。なお、通常時の637G以降はベルナビの頻度が上昇するため、ベースが46Gに上がる救済があります。
今回のGBは対戦相手1人を3回の分岐のうちに倒せばAT「聖闘士RUSH」に突入します。ATの初期G数は特化ゾーンで決定(平均200G)し、ATのTYは約1,500枚となっています。 AT中はレア役でG数上乗せ、特化ゾーンバトルに期待です。
差枚数2,400枚時のほか、AT中200G毎に有利区間が切れる権利獲得のチャンスがあります。また、初当たり時に差枚数1,188枚を超えると有利区間が切れ、上位ATをかけた「ビッグバンチャレンジ」に突入。チャレンジ成功で上位AT「聖闘士RUSH覚醒」、失敗しても通常ATに突入します。成功期待度は約50%です。
上位ATなら完走率70%で再度、有利区間を切れる可能性が高まります。ATの16回に1回が上位AT当選となる頻度のようで、上位ATには2日に1回ほどしか当選しませんが、1日に1回はビッグバンチャレンジに当選する頻度なので、大量獲得のチャンスは体験できるのではないでしょうか。
GB初当たり、AT初当たりの設定差は比較的小さいのですが、設定6の出率が114.9%と高く、高設定ほどAT獲得枚数が多くなる仕様です。設定差としては「弱チェリー確率」と「AT直撃確率」の2点あります。弱チェリー確率は、1/65.5~1/51.2(設定1~6)、AT直撃確率は設定1~3が1/32768、設定4が1/8192、設定5が1/5461、設定6が1/3641です。一度でもAT直撃が確認できれば止められない設計です。
打ち切りに約5時間 夜からは打てない?
懸念点を挙げるとすれば、通常ATから上位ATに突入して出玉を取り切るまで、時間が掛かることでしょうか。上位ATは純増が5.1枚/Gにアップしますが、通常ATは純増2.5枚/Gのため、打ち切るには4~5時間の余裕は見ておきたいところです。そのため、夜の時間帯の稼働には期待できませんが、仕様的には『からくりサーカス』に近く、極端に敬遠されることはないでしょう。
万枚突破率は設定1で7%、設定6で25.1%を誇ります。全般的に演出面、スペック面、稼働促進の工夫が随所にみられ高評価ですので、適正台数は3%がひとつの目安になるでしょうか。
『ヴァルブレイヴ』『からくりサーカス』と競合する可能性があるため、バランスを見ながら、これら2機種の減台を検討するのか、また、6月に平和から『L ToLOVEるダークネス』、7月にはサミーから『L北斗無双』といった高単価機も登場するため、台数バランスの見極めが必要となるでしょう。
◆プロフィール
三木 貴史
㈱エスサポート代表取締役
1972年生まれ。97年中央大学商学部卒業後、パチスロ専門店(神奈川県42台)にて勤務。01年〜06年グループ4店舗を統括部長として指揮、在職中より他店舗のコンサルティングにも携わる。この期間、全ての店舗で稼働平均15,000枚を継続。07年に独立し、パチンコ・パチスロホール運営コンサルタントとしてエスサポートを設立。“ホールの知恵袋”として全国どこにでも出張中。社内外を問わず行うセミナーも好評。