【コラム】パチンコで、あり得ない演出が発生する理由

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「こんな演出振り分けあり得ない」「これだけ期待度の高い演出が発生して複合したのにも関わらずハズレはおかしい」などの話はパチンコの演出が派手になっていくにつれて良く見かける意見でもあります。本日は開発者目線で、なぜそのようなことが起こるのか?について解説をしたいと思います(文=荒井孝太/チャンスメイト代表取締役)。

■パチンコ機抽選のメカニズム
少しパチンコの中身に詳しい方であれば聞いたことがあるかもしれませんが、パチンコ機の抽選の仕組みはまず「大当たりかハズレを決定」し、その後「どんな演出を出すかを決める」という流れになっております。ユーザーからの見た目でいうと、演出の先に大当たりがあるのですが、内部的には当たりかハズレかを決めてから演出を決めています。もっと詳しく説明すると、下記のような流れになっています。

①ヘソに玉が入賞

②「当たりorハズレ」だけではなく、確変(RUSH等含む)もしくは時短、通常という状態以降、そして変動時間。この3つが最初に決まります

③変動時間を参照し、リーチや疑似連の回数等の変動に係わる部分を決めます

④リーチ等を参照し、大枠の予告や演出を決めます

⑤発生する演出からどのようなバリエーションにするかを決めます
⇒例えば会話予告ならば、どのようなキャラや会話を出すのか?文字色は?といった信頼度に係わるもの、係わらないものどちらのバリエーションも対象

プログラムの組み方や、会社や人によってやり方は違う部分があったりしますが、基本的にはこのような構成となっています。

■プログラムの問題点
このプログラム構成は上からの情報には従順ですが、横並びの情報を共有できないという弱点があります。例えば⑤の階層は主にバリエーションが対象になるわけなので、その演出だけ見れば信頼度は確かに正確です。

例えば激熱変動(信頼度80%と仮定)が選択された場合、会話予告に激熱キャラ(信頼度80%)を出したとしましょう。その場合は、リーチを参照しているわけなので、弱SP止まりの変動ではそのキャラを出現させないということは可能なわけです。

もちろん、通常変動で激熱になるぐらいなので、疑似連も3回続くでしょうし、疑似連時の複合予告なども熱い予告が出ると思われます。また、リーチ後の発展分岐では激熱の役物出現で最強SPに行くことも頻度としてはそれなりに発生するのではないでしょうか。

しかし、その変動が万が一ハズレだった場合(発展後に5回に1回はハズレの計算)最強SP中のカットイン予告の場合は、通常時の激熱キャラは参照することは無く、あくまでも、SP中カットインはその上位系統にある「当たりorハズレ」を参照していたりするので、その変動がハズレの場合、容赦なく最低信頼度の緑カットインが選択されたりするわけですね。

それまでは激熱の予告ばかりが選択されていたにも関わらず、最後の最後のカットインで緑だとハズレがほぼ確定する。という振り分けは、このような事象から発生したりするわけです。

もちろん、それらを回避するプログラムをあらかじめ想定して組むことは可能ですが、プログラムが更に複雑化することでバグを生みやすくなったり、イレギュラー対応ばかりで演出が何もでなくなったり(激熱の時しか演出が複合しない)等の新たな問題が生じます。

ユーザー目線を兼ね備えた演出バランスというものは、プログラムも含めて非常に難易度が高く、プログラム的な問題は無いがユーザーとしての心証が悪いといった点はある程度、開発段階でも打ち込まないと開発者自身も発見できなかったりします(プログラム等のバグではなく、仕様バグという扱いになります)。

そのため、これらの仕様バグ(内容の矛盾や間違いに起因するバグ)を0にすることが納得度の高い演出になるのは間違いないです。

しかし、これも有名な話ですが初代『パチスロ北斗の拳』から続く「雲が動いていたら継続」演出は実はバグだったという良い意味で期待を裏切るようなバグなどもあったりしますし、従来の振り分け演出とは違い、ぶっ飛んだ振り分け調整を行った台を「○○クオリティ」といったある意味親しみを込められた言われ方をするような機械もあったりするので、それらも含めて開発的な妙といえるかもしれません。

◆プロフィール
荒井孝太
㈱チャンスメイト 代表取締役

パチンコメーカー営業、開発を歴任後、遊技機開発会社チャンスメイト(https://chancemate.jp/)を設立。パチンコ業界をより良く、もっと面白くするために、遊技機開発業務の傍ら、ホール向け勉強会や全国ホール団体等の講演会業務など広く引き受ける。

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