【コラム】現場で差が付くパチスロ市場で増えるA+ART機の仕様理解

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これまでノーマル機を除けばほぼAT機であった6号機パチスロで、A+ART機が続々と登場します。8月の新台では『防空少女ラブキューレ2』が登場し、年内に登場する機種として、スマスロで『Lパチスロひぐらしのなく頃に業』『マジカルハロウィン8』、メダル機でも『パチスロ交響詩篇エウレカセブンHI-EVOLUTION ZERO TYPE-ART』のリリースが発表されました。

直近、AT機とART機の違いについて設計目線で解説(【コラム】パチスロのAT機とART機の違いについて)させて頂きました。今回のコラムでは、さらによりホールの現場に近い話に焦点をあてて解説させて頂きます。
(文=ジェイさん@発信する遊技機クリエーター/J-BEAT合同会社代表)。

スマスロ×AT

これまでのスマスロはAT機でのみ登場していました。これはAT機で作る事がスマスロの利点を最大限活かして出玉性能の高いエンジンを積んだ機種を作る事が出来るからです。

スマスロのAT機では設定6で114.9%の出玉率や、4円を超える高コイン単価、MY4,000超えの高MYといったハイスペックな機種も珍しくなくなりました。こういったハイスペック&高射幸性をウリとした機種が直近でも数多く登場しましたが、スマスロ登場から1年近く経った事で、一旦各メーカーのスマスロ機でのハイスペック競争が一巡したと言えるでしょう。

スマスロで1段階射幸性を落としたスペック帯でいうとコイン単価3円台前半、MY3,000前後くらいになりますが、こちらでいうと『スマスロ北斗の拳』が該当します。

また、これ以上に射幸性を落としたスペック帯ではメダル機でも設計可能で、既に『S甲鉄城のカバネリ』や『S新鬼武者2』など、メダル機のAT機がポジションを確立しています。

そこで登場するのがスマスロでのA+ART機です。

ART機の機種特性

8月に登場した『防空少女ラブキューレ2』はコイン単価2円台前半でMYも2,000台前半です。これらのスペック指標だけでみるとメダル機の6.5号機どころか、6号機初期のAT機でも設計可能な数値帯です。

一方ゲーム仕様においては、スマスロで有利区間ゲーム数が無限となった事で、低純増でも区間内で取り切れるARTや、ボーナス当選まで続く無限ARTといった5号機でヒットしたゲーム性の再現が可能となりました。

A+ART機はリアルボーナスを搭載している事で出目やリール制御など、パチスロ的なゲーム性の幅が広がる事が特徴です。良く言えば遊びやすくゲーム性の幅が広がるA+ART機ですが、一方でホール営業においてはAT機以上の理解が必要な機種であると言えます。

現場において理解が必要な特徴的な仕様をいくつか挙げると、『マジカルハロウィン~Trick or Treat!~』より搭載された「まじかりんくしすてむ」、最近のAT機では通例となった左押し推奨の有無、またAT機での押し順ミス(AT役こぼし)は当該ゲームでの損失のみでありましたが、ART機での昇格リプレイや現状維持リプレイの押し順ミスは状態転落等がありえます。ARTが消滅した、ナビが出なくなったなど、AT機にはない特殊仕様は現場でのクレームにつながる可能性もありますのでこれらの事前確認は必須と言えるでしょう。

加えて低設定でも出玉的に大きな波を起こしてくれるAT機とは違い、スペック性能で引き付ける為には各設定を使った運用がより重要になります。

さいごに

スマスロにおけるA+ART機の登場で、ゲーム性の幅が広がり打ち手の選択肢が広がった事は喜ばしい事ではありますが、これまで以上に各ホール営業での扱いで差がつく機種群であります。

単純なスペック性能の理解だけでなく、A+ART機ならではの機種特性を理解して頂き、A+ART機も6号機市場で盛り上がっていく事を期待しています。


◆プロフィール
ジェイさん@発信する遊技機クリエーター
J-BEAT合同会社代表

発信するプロ遊技機クリエーター兼ライター。過去遊技機メーカー3社で勤務。在籍中に10数機種の遊技機開発に携わる。現在は法人を経営しつつ、フリーのクリエーターとして遊技機開発に従事。また、メーカー所属では出来ない発信、評論活動を行っている。
Twitter:https://twitter.com/jsan65536

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