【インタビュー/私の道】
ジャンボロール一筋 業界の優しさが財産
株式会社十光 十河 利光 代表取締役

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アメリカの商業施設のトイレで使われていたジャンボロールをパチンコホールに普及させた十河社長。創業から38年目を迎える社歴は、ジャンボロール一筋だった。

PROFILE●そがわ・としみつ

1953年5月生まれ。北海道旭川市出身。大学卒業後、都内の広告代理店に就職。1985年㈱十光を設立し、1988年に米国スコットペーパー社の特約店となり、パチンコ店へのジャンボロールの導入に尽力。現在は衛生用品販売などを中心に事業展開する。趣味は市場への買い物、料理など。

通常の13倍のサイズ
巨大トイレットペーパー

7年間務めた広告代理店から独立し、㈱十光を設立して間もなく、前職の先輩から「手伝ってほしい」と声を掛けられたのが、アメリカの商業施設などで使われていたトイレ用のジャンボロールの販売だった。当時、米国・スコットペーパー社が日本に合弁会社を設立し、前職の会社が国内販売を担当したことから、十河社長にも白羽の矢が立った。

「その時に紹介されたのが、日本で使われているトイレットペーパーの13倍もある大きなジャンボロール。アメリカでは、ペーパーの交換の手間がないことや、ケースにカギが付いていて盗難が防げることなどから、すでにヤンキー・スタジアムなどの球場や空港、ショッピングセンターといった大型施設では当たり前に設置されているものでした」。

その大きさに日本のトイレには邪魔になるのではと感じつつ、それでも大規模施設を中心にジャンボロールの売り込みを行っていった。その時、たまたま知り合いの川崎市・元住吉のパチンコ店の関係者にジャンボロールを相談したことが、大きな転機となった。

通常の13倍の紙が巻かれているジャンボロール。国内ではパチンコ店以外にも、道の駅やJRなど幅広い施設に導入されている。

パチンコ店から太鼓判
業界へ本格参入に

「パチンコ店とはそれまでに全く取引がなかったんですが、相談したところ、これはいいと。ホールのトイレは、いたずらをされることが少なくなく、ジャンボロールはそうした心配がないと、現場からお墨付きをもらったんです」。

そこで全国のパチンコ店への売り込みを決意。会社を設立して間もない頃で予算も限られるなか、全国のパチンコ店宛にジャンボロールのチラシなどを入れた封書をダイレクトメールで送付したところ、九州、大阪、札幌などのホールから問い合わせが相次いだ。

「まず九州地区のホールに伺ったのですが、その経営者の方はアメリカのジャンボロールの存在を知っていました。ただ、当時はインターネットも普及していない時代でしたし、詳しく知りたかったようです。当時はホールと取引ができる業者は限られていましたが、取引のない当社の商品をすぐに導入していただき、ありがたかったですね」。

十河社長が業界の優しさに触れた瞬間だった。

この導入をきっかけに、トイレのいたずらを防げる、経費削減につながると評判になり、取引ホールが広がっていった。1996年に幕張メッセで開かれたパチンコ産業フェアに出展したことで、さらに弾みがつき、大手ホール法人でも積極採用されるまでに至った。ロール紙の長さを「777m」にするなど、独自のアイデアを取り入れた商品開発にも注力した。

トイレットペーパーの専門問屋へと成長したことで、思いもよらない出来事も起きた。人気タレントのマツコ・デラックスさんがその道のスペシャリストと話をするテレビ番組「マツコの知らない世界」に2014年にトイレットペーパーのプロとして出演することとなったのだ。

「これもジャンボロール一筋にやってきたからだと思います。それも業界の皆さんに長く支持されたおかげです」。

トイレ空間だけでなく、施設全体の消毒・除菌に役立つ『十光 ウイルス天然除菌剤』。

ホールの災害時対応にも
衛生面で寄与したい

一方、ジャンボロールを通して、パチンコ店のトイレ周りにはいろいろな問題があることに気が付いた。例えばトイレ詰まりのトラブル。トイレの便器に異物を投入され、そのたびにスタッフが始末にあたり、ひどい場合は専門業者を呼ばなければならず、その費用もばかにならない。

そのトイレ詰まりを清潔にワンボタンで排水できる「ミスターポン」を他社に先駆けてホールに提案。誰でも簡単に操作ができる点などが好評で、ある有力チェーン店では全店舗に標準装備する商品となっている。

近年では感染防止対策の商品として、非接触型の手拭きペーパー「クリーンボス」なども提案し、こちらはパチンコ店だけでなく、病院や保育園等にも導入されている。グレープフルーツの種子から生まれた「天然ウイルス除菌剤」も安心・安全にトイレ周りや遊技空間の除菌に活用できるとして人気だ。

クリーンボスやミスターポンの直輸入等、他では買えない商品、オンリーワンの商品を提供することも、十河社長のポリシーだ。

パチンコ店は現在、災害時の緊急避難施設として地域に不可欠な存在になりつつある。十河社長は、「災害時はトイレや施設の衛生面の管理も大切になってきます。これまで業界に育ててもらった分、当社が取り扱う商品で少しでもホールの地域貢献に寄与していきたいと考えています」と話す。

十光を立ち上げて今年で38年目。ジャンボロールと共に業界を歩んできた十河社長は業界への感謝を胸に、これからもパチンコ店をサポートしていく意向だ。

トイレ詰まりを解消する『ミスターポン』(左上)と非接触タイプの手拭きペーパー『クリーンボス』。いずれも人気商品となっている。

株式会社十光
本社/東京都渋谷区神山町11-17-303
【設立】1985年
【業務内容】
○自社ブランドA&W紙衛生用品販売
○自社ブランド十光ウイルス天然除菌剤販売
○ミスターポン オールインワンの輸入販売元
○CLEAN BOSSの直輸入販売
○クレシア(国内スコッティ・クリネックスブランド)業務用衛生用品販売
www.jumboroll-tonya.com/

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