【コラム】5円パチスロの再活性化を考える

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最近になって“5円パチスロの稼働が上がってきた”というホールの声を聞くようになりました。利益率を考慮し、低貸はもうやらないというホールも多いなか、この5スロコーナーを再び活性化できる方法がないか考察します(文=三木貴史/エスサポート代表取締役)。

幕を開けた完全6号機時代

1月末にほぼ全ての5号機が撤去になり、いよいよ完全6号機時代が始まりました。新時代の開幕から1ヵ月(執筆時点)が経過しましたが、5号機撤去による稼働の大幅な減少は見られない状況でした。これは、少しでもソフトランディングさせようと、全国のホールが頑張った結果にことに他なりません。

しかし、残念なことに2月末から、稼働を牽引していた機種の稼働にも陰りが見え始め、パチスロ全体の稼働が下落傾向にあります。さらに、6号機移行時に行われた機械の大量入替によって、機種構成が良化したホールと、悪化したホールで、稼働格差が広がっているようです。特に、ベニヤを多数設置したり、初期に出た6号機など稼働貢献の厳しい機種が多台数並んでいるホールは稼働を落としています。機種構成の重要性を再認識することになったのではないでしょうか。

5号機時代終盤までは、5号機ジャグラー、『押忍!番長3』『SLOT魔法少女まどか☆マギカ2』など稼働を牽引する機種が残っていたため、20円パチスロ(以下、20スロ)から5円パチスロ(以下、5スロ)に『SアイムジャグラーEX』や『SLOTバジリスク~甲賀忍法帖~絆2』などの6号機を複数台移動させるホールを多く見受けました。

しかし5号機が全て撤去されたいま、これらの機種を20スロに戻す動きがまた加速しており、結果的に5スロにはユーザーから支持を得にくい機種ばかりが残ってしまっている状況です。加えて、5スロの機種構成を入れ替えて改善する余裕がなく、5スロの弱体化を放置せざるをえないホールも多いと思います。

反対に5スロにもしっかりと投資して機種構成を充実させたホールは、5スロの稼働を大幅に向上させた例もあります。皆が苦しい時に手を抜かなかったことで大きなリターンを得ている状態です。

5スロを稼働させるポイントは?

5スロの稼働が大幅に向上したホールの機種構成のポイントは3点あります。
①『ジャグラー』を複数台並べて設置する
②話題の最新台は始めから5スロにも導入する
③5スロ移動の判断を速やかにする
※この3点は、5スロの重要なポイントであり、2スロ、10スロにはこの手法が最適ではない事に注意してください。

5スロを設置する最大の理由は「20スロよりも稼働が良い」ことに他なりません。20スロでは死に島になりそうな場所でも稼働させるために5スロを設置するのであって、5スロが低稼働では意味を成しません。

5スロは、粗利を犠牲にして稼働を取る戦略であり、高稼働させるためには機種構成を改善するしかないと言っても過言ではないでしょう。従って先述した3点を押さえて機種構成を整えたいところです。では、それぞれのポイントについて切り込んでいきましょう。

①『ジャグラー』を複数台並べて設置する
5スロに『ジャグラー』を設置する際、1~3台程度を5スロ内に散らして配置しているホールが多いですが、それではなかなか高稼働しにくく、常連客も育ちにくい方法であるといえます。

他の機種はミックス配置で構いませんが、『ジャグラー』だけは複数台を並べて設置し、出来れば5台以上を並べてひと固まりで設置することをお勧めします。さらに、その5台に関しては「中間設定」メインの薄利運用をすることが重要です。5スロの常連客が育ち、常連客同士のコミュニティが出来上がります。こうなれば稼働が安定し、5スロ全体の稼働の底上げを図ることができます。

②話題の最新台は始めから5スロにも導入する
最新台を5スロにTOP週で導入することは、機械代と粗利を考慮すると実行しにくい戦略です。しかし、話題の最新台ならTOP導入するメリットは多いと思います。具体的には、『番長』シリーズ、『バジリスク』シリーズ、『まどマギ』シリーズ、『ミリオンゴッド』シリーズクラスのビッグタイトルに限られるため、実際には年間に数機種というところでしょうか。

例えば直近の『押忍!番長ZERO』を5スロに1台、TOP週に導入したホールでは、その1台の平均稼働が2万4,000枚を超え、5スロでも台粗利で3,000円以上を確保できています。また、この1台のために来店して空き台ではなかった場合、他の機種を遊技するユーザーも複数いるため、実質1台の導入ながら2~3台分の貢献度になります。

こう考えると、新台が50万円したとしても高い買い物ではないでしょう。GW前後にビッグタイトルの登場が噂されていますから、5スロコーナーへの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

③5スロ移動の判断を速やかにする
最新台に限らず、20スロの稼働状況から5スロへの移動を検討する場合は、5スロの鮮度を保つ意味でも、その判断はできるだけ速やかにしていきたいところです。例えば、人気機種の後継機などは、5スロで十分稼働が見込めます。

最近の機種でいえば『パチスロモンスターハンター:ワールドTM 黄金狩猟』『新世紀エヴァンゲリオン~魂の共鳴~』『S聖闘士星矢 冥王復活』『BLACK LAGOON ZERO bullet MAX』などです。導入から2週間後の入れ替えで5スロに移動させてもいいですし、移動だけなら次回の入れ替えを待つ必要もなく、先に移動させて後で書類を提出する流れで問題ないでしょう。

この3つのポイントで機種構成を改善する事が、5スロ稼働アップを図る上での優先事項となります。設定運用については、『ジャグラー』には中間設定、大きな黒字台が出た場合は設定4でフォローしていけば稼働維持、もしくは上昇を見込むことが出来ます。『SアイムジャグラーEX』なら設定3をメインで使用し、AT機で差枚数3000枚を超えるような黒字台があれば、最低でも設定4を投入してフォローするイメージです。20スロの機種不足に悩むホールは是非5スロで対応するなどの戦略を再び考えておきたいところです。

◆プロフィール
三木 貴史
㈱エスサポート代表取締役
1972年生まれ。97年中央大学商学部卒業後、パチスロ専門店(神奈川県42台)にて勤務。01年〜06年グループ4店舗を統括部長として指揮、在職中より他店舗のコンサルティングにも携わる。この期間、全ての店舗で稼働平均15,000枚を継続。07年に独立し、パチンコ・パチスロホール運営コンサルタントとしてエスサポートを設立。“ホールの知恵袋”として全国どこにでも出張中。社内外を問わず行うセミナーも好評。

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