今回は6号機ジャグラー第2弾となるパチスロ『Sファンキージャグラー2』の設定実績データを検証してみたいと思います。ホールの使い方はどうなっているのか?各設定のデータはどうなっているのか?しっかりと数値を検証してみましょう(文=飯田信一/メイドインサービス)。
集計期間は、10/4の導入初日から約2週間分の実績データです。
設定 | 使用比率 | 平均投入 | 出玉率 | コイン単価 | 勝率 |
① | 11.5% | 15,520枚 | 97.2% | 2.11円 | 26.38% |
② | 39.1% | 14,821枚 | 99.0% | 1.89円 | 35.48% |
③ | 32.4% | 15,393枚 | 100.7% | 1.61円 | 45.11% |
④ | 11.4% | 18,180枚 | 102.7% | 1.42円 | 57.04% |
⑤ | 4.4% | 21,722枚 | 104.1% | 1.10円 | 66.67% |
⑥ | 1.6% | 25,909枚 | 110.8% | 0.70円 | 100.00% |
ホールにとっては待ちに待った新台と言える『Sファンキージャグラー2』ですが、全国で30,000台の販売台数となりました。初代ファンキージャグラーがちょうど30,000台程度の設置だったので、同規模の入替と言うイメージを持って良いかと思います。
まず注目頂きたいのは、設定の使用比率です。通常の新台とは違い、やはりジャグラーシリーズの新台ともなると設定①を極力使わないという営業を目指すホールが多いようです。同時に設定②と③をベースにした運用ということも分かりますね。もちろん正解はありませんので、②や③をベースに使え、と言う話ではありませんのでご注意を。
高設定の使用比率ですが、設定⑤⑥の比率はそれほど高くはありません。合計6%ですから、高設定で出玉を魅せると言うよりは、中間設定で稼働を伸ばす方向性のホールが多いということです。
当然、ポイントポイントでは高設定を使うこともあるのでしょうが、何もない平日から中間設定を多用できるホールは、今後も稼動を維持できるのではないでしょうか。土日や特定日だけではなく、何もない平日からしっかりとベースを上げる運用はジャグラー全般で有効的な設定調整です。
次に面白い傾向が見えますので、注目してみます。設定①②③の平均投入枚数に大きな違いが見当たりません。これは設定①②③の勝率も影響していると思いますが、ユーザーからしてみれば設定判別が難しいということを表しています。
ホールから見れば、出玉率は高くなっているのに、設定は分かりにくいと言うのがジャグラーシリーズの魅力でもあるのでしょう。この数値は今後もしばらく検証してく必要がありそうですね。
そして注意しなければならないのが、勝率です。5号機の時もそうでしたが、実はジャグラーシリーズの勝率は、他の機種と比べてもかなり低いです。本機に関しては、設定⑥は別格に勝率が高そうですが、それ以外はかなり低いと思ってください。
そのため、しっかりベースとなる設定を上げ、勝率もある程度の高さまでもっていかなければ、リピーターが減ってしまいます。勝率が低いのならば、設定を上げてできるだけ負けるユーザーを減らすという考え方も、今後の設定調整では必要な考え方と言えるでしょう。
そして、もう一つの注目点が出玉率です。5号機の『ファンキージャグラー』とほぼ同じ出玉率の発表値でしたので、それほど心配はしていませんでしたが、若干実績値が発表値よりも高めに出ていますね。
従って少々甘めの気もしますが、1%も乖離していませんので許容範囲と言えるでしょう。設定調整によるコントロールは非常にしやすい部類の機種ですし、高設定を使えばしっかりと出てくれるので、今後の長い設置期間を考えると、甘めの調整で薄利運用が基本になると思います。
今後、登場予定の『マイジャグラーⅤ』も同じく比較的、若めのユーザー層を想定した薄利での運用が基本となるでしょう。ただし、コイン単価は5号機ジャグラーに比べ、かなり低く、売上も上がりにくいことから、より一層の稼働アップが重要となってきます。
派手なプレミアム告知も楽しい『Sファンキージャグラー2』ですが、等価のエリアでは厳しい調整が続いてしまう可能性は否定できませんね。高設定狙いの若年層も増えてきそうな『Sファンキージャグラー2』や『マイジャグラーⅤ』のコーナーでは、高設定を使える環境づくりが次なる課題となるでしょう。
認定の取得も視野に入れると最長で6年間の設置が出来ますから、この期間を前提に設定調整や運用も考えて欲しいと言うのが私の意見です。
高設定を使って出た赤字分をいち早く埋めてしまおうという考え方を変えなければ、今後の6号機運用もかなり厳しいものになっていくと言えますので、ジャグラーに限らず、6号機全般における設定調整や粗利調整の考え方を見直しては如何でしょうか?
12月に導入予定の『マイジャグラーⅤ』と一緒に年末年始の稼働の中心になることは間違いないジャグラーシリーズなので、設定調整を担当している方は、稼動と利益と設定の絶妙なバランスを研究してみてくださいね。
飯田信一(いいだしんいち)
1975年、東京生まれ。好きなパチスロ機は『ひぐらしのなく頃に祭』『HANABI』『ガメラ』『ファミスタ』『ギャラガ』など。
パチスロ運営に関わるコンサルティグ業務・セミナー講師・研修会・勉強会・遊技機メーカーの開発・販売支援・新台評価など、ホールの現場サイドと遊技機メーカーの開発サイド、更にユーザーとしての3方向から業界を盛り上げる業務に従事。その他、業界誌・攻略誌でのコラム執筆・取材記事など多数掲載。パチスロ運用のご相談は、メールアドレス(iida777@mis1979.com)まで。