【コラム】パチンコとパチスロの回遊性に着目する!

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今回は、パチンコとパチスロの回遊性に注目してみます。パチスロユーザーがパチンコに流れている現状において、パチスロの稼働を上げるためにはどうしたらいいのでしょうか? パチンコとパチスロの連動性は今後、非常に重要になると思います(文=三木貴鎬/エスサポート代表取締役)。

パチスロ単体で考える
時代の終焉!?

ユーザーがパチスロからパチンコに流れているという話をよく聞きます。以前からこのコラムでも伝えている通り、パチスロユーザーの40%が、ハイリターンの一撃性を求めるギャンブル好きな層と言われています。

現状、スペックにおいてパチンコとパチスロでは格差が非常に大きく、高射幸性パチスロ機の撤去も重なったことで、この層がパチンコにゴッソリ流れている状況です。いわば必然かもしれません。

また、「設定付きパチンコ」や「遊タイム」などについても、パチスロユーザーにとっては慣れ親しんだものでした。こうしたベースがある中で登場してきたことも、パチンコに流れた大きい要因の一つだと考えます。

純粋に、パチンコでは1時間で最大4万発、かたやパチスロでは最大2,400枚という性能の比較だけでも差は大きいですし、使う金額がパチスロの方が大きいとなると、パチンコ有利の流れは、最低1年以上は続くと見込んでいます。従って今後は、パチスロ単体で考えるよりも、パチンコ優位の流れを汲んでパチスロに活かしていくことがますます重要になると思われます。

パチスロ、パチンコの
回遊性が増加傾向に

現状ではパチンコ、パチスロ両方を遊技するユーザーが増えており、店内を回遊して両方をチェックし、良さそうな台を打つという傾向が増えています。パチスロの場合は、時間をかけて打ち込み、勝負できる台かを見極めます。

高設定であるかどうかが、勝てるか否かに直結するためです。しかし、パチンコの場合は1,000円当たりのボーダーを見るユーザーが多く、少投資かつ短時間で判別が可能です。この差は非常に大きいといえます。パチスロでは1日に何台もチェックすることは難しいですが、パチンコでは台移動を繰り返せば、そのチェックは容易です。

つまり、パチスロではホールのヤル気の判断は簡単に出来ないが、パチンコではその判断が比較的、容易に出来てしまうということです。パチンコで多機種に移動して遊技し、どの機種も辛めの運用がされていれば、ユーザーはパチスロに高設定が入っているという期待もしないでしょう。逆に、パチンコがしっかりと運用されていれば、パチスロにも高設定が投入されているという期待感が高くなるのではないでしょうか。

高射幸性パチスロ機が全盛の頃は、ユーザーの住み分けが出来ていたので、さして留意する必要はありませんでした。しかし現状では、パチンコとパチスロは連動して動くということを念頭に置く必要があります。従って、スペックがますます多様化しているパチンコの機種の中で、どの機種がパチスロと連動するのかという見極めが重要になったといえます。

軽視禁物の機械は?

パチンコでは『海物語』シリーズと『大工の源さん超韋駄天』を大切に扱うホールをよく見かけますが、パチスロとの回遊性という点では疑問符が付きます。

『SLOTバジリスク~甲賀忍法帖~絆』『ミリオンゴッド-神々の凱旋-』『沖ドキ!』等を好んでいたユーザーは、確かに『超韋駄天』『海物語』『真・北斗無双』等を好んで遊技していましたが、既にそのユーザーたちは、パチスロからパチンコに完全移行した方がほとんどだと思われます。

パチスロには遊技したい機種が無く、パチンコだけで満足できているユーザーも多いことから、この『超韋駄天』や『海物語』シリーズを遊技するユーザーは、パチスロと行き来することは少ないのではないでしょうか。

現状、パチスロとパチンコを行き来する客層は、旬の多様化しているパチンコを楽しんでいる客層です。新台を筆頭に、『フィーバー革命機ヴァルヴレイヴ2』『緋弾のアリア 緋弾覚醒編』『大工の源さん 超韋駄天LIGHT』『とある魔術の禁書目録』などを遊技していると推定されます。

これらのパチスロユーザーが回遊している機種群を利益重視で運用することは非常にもったいないと言えます。パチスロユーザーはフットワークも軽く、パチンコにおいても競合店との比較は怠りません。

利益重視の運用では競合店に流れてしまうので注意が必要です。パチスロとの回遊性という視点は4円パチンコにおいて重要です。1円パチンコとの回遊性はそれほど気にしなくてもいいでしょう。

また、回遊性という点では『フィーバー戦姫絶唱シンフォギア2』を軽視しているホールも気になります。大事に運用すれば比較的パチスロユーザーに伝わることはもちろん、『シンフォギア2』に関しては、遊タイム非搭載のライトミドル機のため回転数を気にせず遊技できます。大事に運用すれば単純に稼働が上がりやすいので、利益重視の運用をしているホールは非常にもったいないです。

これらはほんの一例ですが、ユーザーの動きをじっくり観察して、パチスロと回遊性の高いパチンコ機種を大切に運用すれば、パチスロの稼働向上も見込めると思います。

また、付け加えておきたいことは、パチンコユーザーは“パチスロユーザーより良い客”ということです。低設定確定の台を遊技するパチスロユーザーは少ないですが、大当たりするまで打ち込んでくれるパチンコユーザーは多いです。叫ばれているパチスロのピンチをチャンスに変えるのなら、この回遊性に注目する事は非常に重要だと思います。

◆著者プロフィール
三木 貴鎬
㈱エスサポート代表取締役
1972年生まれ。97年中央大学商学部卒業後、パチスロ専門店(神奈川県42台)にて勤務。01年〜06年グループ4店舗を統括部長として指揮、在職中より他店舗のコンサルティングにも携わる。この期間、全ての店舗で稼働平均15,000枚を継続。07年に独立し、パチンコ・パチスロホール運営コンサルタントとしてエスサポートを設立。“ホールの知恵袋”として全国どこにでも出張中。社内外を問わず行うセミナーも好評。

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