4月1日にグローリーナスカの新社長に就任した中岡伸夫氏。親会社のグローリー時代、様々な産業に携わり、「逆風には慣れている」と笑う。グループの総力を挙げてこれからの遊技業界の発展に寄与していく方針だ。
新しいことに挑戦できる環境を作る
──これまでのご経歴を教えてください。
大学を卒業してグローリー商事(現:グローリー)に入社しました。最初の配属は東京で、主にタバコの自動販売機を販売していました。2年目に山形に転勤となり、ほぼすべての市場に対して営業、設置、メンテナンスを行いました。その中でパチンコホールさんへの立ち会いもしました。その後、名古屋に転勤し、2001年に東京の本部に移り、遊技関連に携わったのは2015年に遊技企画営業統括部長となってからです。2020年にグローリー執行役員となり、今年4月から現職です。
──これまで様々な業界に携わってこられたと思います。そうした経験や知見から、今の遊技業界をどう見ていますか。
私がこれまで携わってきた市場も逆風は吹いていました。例えば、タバコ市場では成人識別が必須となり、タスポが導入され、それによって自動販売機からコンビニエンスストアへと販売チャネルが急激に変わりました。そうした対応も経験していますので、逆風には慣れています(笑)。
一方、遊技業界の方々は変化に対して素早く対応されていると感じています。私が業界担当になってからでも、依存問題をはじめ、広告宣伝や新規則の問題、分煙への対策などがありましたが、真摯に対応されています。
──前任の井寄社長から引き継いでいることや、新たに取り組みたいことは何でしょうか。
2019年に井寄を中心に長期ビジョンを作りました。キーワードは「新しいに挑戦する」、「新しいを創造する」、「お客様が求める新しいに応える」です。それらをそのまま継続し、新しいことにどんどん挑戦できる環境づくりを進めている最中です。
ホールの収益貢献のためコトの提供にも注力
──今後、注力していきたいホール向けの機器やシステムはありますか?
もともと弊社の各機器はホール様の省人化・省力化をメインに製造・販売してきました。しかし、今は新しいモノを作って大量に販売していくマーケットではありません。省人・省力化もかなり進んでいます。そうした状況の中で、弊社としては、ホール様の収益に貢献していきたいという想いがあります。例えば、ファンをホールに訴求していく仕組みや、『遊動分析』をもっと進化させて集客や台選びに貢献できる仕組みなど、既存の製品の価値を高めていくことで、ホール様の収益向上に直接、関われるのではないかと考えています。つまり「モノの提供」だけでなく、そうした「コトの提供」に注力していきたいです。
また、グローリーグループには金融業界や流通・交通業界向けに開発した製品や生体認証や個体認証の技術、ロボット事業などもあります。生体技術でいえば、すでにホール様の防犯面や依存対策にも使われていますし、ロボット技術も清掃や除菌などに活かせるかもしれません。グループの総力を挙げて臨めば、まだまだホール様のお役に立てる製品はあると思っていますので、グループの強みを活かした製品をこれからも展開していきたいと考えています。
──キャッシュレスへの対応などはいかがでしょうか。
イノベーションにはなりますが、ホール様にとってはコスト負担にもなることですので、厳しいかなと思っています。ただ、世の中の人の所持する現金の額はどんどん減っており、そうなるとフラッと行って、フラッと遊ぶことが難しくなります。そうしたリスクもありますので、対応は必要なのかもしれません。弊社としてはやる準備はできています。
──スマート遊技機(管理遊技機)についてはどう捉えていますか。
これに関してはすごく期待しています。まだ「待ち」の状態ですが、業界の今後を考えると、スマート遊技機やキャッシュレスによるイノベーションは必要だと思います。業界が元気になることが一番ですので、成功してほしいですね。
弊社もスマート遊技機が普及するという前提で開発を進めています。
最初に頭に浮かぶ会社・社員になる
──社長の就任後、社員にどのようなことを伝えましたか。
挑戦できる環境はこちらで作るので、どんどん新しいことに挑戦してほしいということと、ホール様が困ったときや何かをはじめようと思ったときに一番はじめに頭に浮かぶ会社、社員を目指しましょうということをメッセージとして発信しました。社員が動きやすい、挑戦しやすい環境をつくることが私の役割だと思っています。
──最後にホール関係者に一言お願いします。
私達は機器の販売からホール様の収益に貢献するようなサービスまでを目指しています。お困りごとがあれば、全国の弊社社員にお声掛けをいただきたいですし、皆様から「ありがとう」「助かった」という声をいただけるようグローリー総掛かりで取り組ませていただきます。今後ともよろしくお願い致します。