【レポート】裏切りの“サラ番”継続設置

投稿日:2020年9月14日 更新日:

→本文1ページ目の最初に戻る
※以下は本文2ページ目です。

高射幸性パチスロ機の設置を続けるという行為について、当該ホールは「法的には問題がない」と主張するが、だからと言って、行政が問題視しないというわけではない。

今回、異例ともいえる旧規則機の設置期限延長を認めた警察庁だが、この件に関し、警察庁生活安全部保安課の小堀龍一郎保安課長は、6月18日に開催された日遊協の通常総会での講話で次の通り、明言している。

「今回の改正は、いわば、業界団体による旧規則機撤去の取組に対する信頼をベースに行ったものであります」

「具体的な数値目標を示して遊技機の計画的な撤去を行うほか、『特に高い射幸性を有すると区分した回胴式遊技機』についてはこれまで通りの満了日までに撤去することとされました」

「業界において、この取り組みを始めとして、旧規則機の設置台数を計画的に着実に減少させるために有効な方策が確実に実施されることを強く期待しています」。

旧規則機の設置期限の延長は、業界内の自主規制の策定と、その遵守が前提となっている。前提条件が崩れたと警察庁が判断し、何らかの形で、業界側が不利益を被ることになったとしても、文句すら言えないだろう。「法的に問題はない」などという都合の良い解釈で、一部の旧規則機の設置を続ける行為は、目先の利益はともかくとして、中長期的な経営を考えた場合、本当に得策かどうかは大きな疑問が残る。

業界団体側も、この問題を看過しているわけではない。全日遊連は8月17日、各都府県方面遊協を通じて、組合員ホールに対して、旧規則機のタイプ毎の設置期限などを定めた「21世紀会決議」の遵守を呼び掛けた。また日工組や日電協も同様の呼び掛けを8月25日付けの文書で行い、これに前後し、一部の遊技機メーカーも、取引先となるホールに対して、同決議の遵守を求めた。その文書の一部では、規制を守らない場合、今後の取引内容を検討する旨が記載されており、その抑止効果に注目が集まる。

コロナ禍もあって、ホールだけではなく、業界に携わる全ての職域において、景況が厳しい状況が続いており、今後の見通しも不透明だ。そのため行政に対しては、さらなる規制緩和を勝ち取りたいのが、大方の関係者の本音ではないだろうか。

特に不振色がより鮮明なパチスロ市場などがその代表格だ。周知の通り、今年に入り、規制緩和が一部、認められたが、未だ、規制緩和を引き金としたヒット機種は出現していない。関係者の話によると、緩和した内容の解釈や、さらなる緩和を求めて、業界側と行政側で話し合いが続いているが、業界側が満足できる回答は得られていない状況だという。

講話の中で警視庁の小堀課長が述べた通り、規制緩和の実現は、業界と行政の信頼関係の度合いに依るところが大きい。「業界内で定めたルールを無視して、旧規則機を外さない」──、規制緩和を認めた警察庁、それを勝ち取った業界団体関係者、そして、ルールを遵守するホール関係者を裏切るかのような行為が、来年11月末まで常態化することは是が非でも避けたいところである。

-企画, 注目トピック
-

© 2020 グリーンべると