【コラム】緊急事態宣言による自粛期間中のパチンコユーザー動向

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・お客様視点の店舗運営
7都府県に出された緊急事態宣言が全国へと拡大し、本連載執筆中の時点では、休業、時間短縮等、多くのホール様が営業を自粛されています。この様な状況ではありますが、パチンコ、パチスロともにビッグタイトルを含む多くの新台が登場しています。

営業されているホール様において、広告宣伝の自粛により新台の積極的なPRができないなか、新台を遊技した客層を見ますと、今後のセブン機新台の活用方法と、自粛明け店舗運営の在り方が見えてくる様に思います。そこで今回の連載は自粛期間中のユーザー動向を把握し、営業再開後の店舗運営について考えてみたいと思います。

自粛期間中のユーザー動向

CIS加盟店舗様における4月のアウト稼働は対前年比で、パチンコがマイナス48%、パチスロがマイナス34%で、特にパチンコの減少幅が大きくなっています。

表1をご覧ください。今年のパチンコ、パチスロ別の遊技人数比率推移になります。3月から4月にかけて「Pのみ遊技する人」「両方遊技する人」が減少し、「Sのみ遊技する人」が大幅に増加しています。通常であれば、パチスロ話題機登場によりパチンコからパチスロへと多くの人が移動した場合、この様な比率になりますが、4月は、パチンコユーザーの来店日数が大きく減少し、相対的に見てパチスロ比率が増加していました。

パチンコは特に4円パチンコで高年齢層の来店日数が大きく低下した為で、比較してパチスロは若年層が中心に遊技しており、広告宣伝の自粛で来店意欲が下がり、来店回数は減少するものの、パチンコ程ではなかったと言う事です。

今後もこの傾向は続くと思われ、自粛が明けてもしばらくはパチスロを中心に遊技する若年層が稼働を支える事になるでしょう。パチンコ回復の為には、まずは若者をパチンコで取り込み盛況感を持たせ、高年齢層の来店意欲を刺激する必要がありそうです。

新台遊技ユーザーの特徴

如何に若年層をパチンコで取り込むかですが、自粛期間中のパチンコ新台遊技ユーザーを見た時に、その答えが見えて来る様に思います。

図1:登場後、3日以内に遊技した会員が、登場前」1カ月間に遊技していた機種とグループの遊技時間比率

ーー「緊急事態宣言」が発令された週に登場した機種ーー

図1をご覧ください。 CISデータではパチスロユーザーの新台への移動比率20%をひとつの基準値として見ています。20%を超える機種は、パチスロユーザーが多く遊技しており、活用次第では長期運用できる可能性があるため、「勝率重視」で育成することをお勧めしています。

「緊急事態宣言」が発令された週に登場した新台遊技ユーザーを見ますと、それ以前に登場した「AKB48フェスティバル」「花の慶次・蓮」といった話題機と比較してもパチスロユーザーの移動比率が高くなっています。

特に「AKB48フェスティバル」はパチスロユーザーの移動比率が高い機種でしたが、「GI DREAM ROAD」はそれ以上で、これ程までパチスロユーザーからの支持率が高くなる要因は見当たりませんでしたが、パチスロユーザーの移動比率が極めて高い状況でした。

移動元機種の最上位に「バジリスク絆2」があることを見ても、パチスロメインユーザーが多く遊技している事が分かります。もちろんパチンコメインユーザーが減っていたため、パチスロ比率が高くなっているという事もありますが、パチンコユーザーの移動状況を見ますと、「花の慶次・蓮」と比較しミドルからの移動比率が低く、特に旧規則機メイン機からの移動比率が低く、パチンコメインユーザーは旧規則ミドル機に留まり、新台を遊技する人が少ない状況でした。自粛が明けてもしばらくはこの状況が続くと思われます。

パチンコの新台が登場しても、パチスロユーザーが遊技する新台を導入していかなければ、稼働が保てない可能性が大きいという事です。パチスロ6号機での利益確保が難しく、その分をパチンコで補填する必要がある状況下、パチンコを安定稼働させる必要があり、その為には、まずはパチンコ新台に反応する来店意欲の高いパチスロユーザーをパチンコと回遊させながら、店舗へと定着させる必要があります。自粛明けしばらくはパチスロユーザーをターゲットとした新台を活用する必要があるでしょう。

自粛明けの店舗運営を考える

これまでも本連載にてお話してきました「若年層を中心としたパチスロユーザーのパチンコへの誘導」「パチンコ、パチスロ間の回遊促進」が、更に重要な時期になる事がお分かりいただけると思います。

どのように「誘導」「回遊促進」するかですが、「遊タイム」搭載機が活用できると思います。「遊タイム」搭載機種を積極的に導入し、「遊タイム」コーナーをパチスロユーザーの動線上に構築するのが良いと思います。そして「遊タイム」機種を育成する事が、自粛明けの重要施策となるでしょう。「遊タイム」搭載機種の多くが発売延期され、話題機を含む「遊タイム」搭載機種が6月に登場する予定ですので、「遊タイム」コーナーの構築がしやすくなると思います。

パチスロユーザーをターゲットとするのであれば、「当たりやすく勝ちやすい」ライトミドルを中心にコーナー構築をされるのが良いと思います。ラムクリアをせず、スタート回数を翌日に持ち越すなど、パチスロユーザーが反応しそうなイベント的営業も可能で、そういう意味でも確率の良いライトミドルが適しているでしょう。

情報番組を見ておりましたら、心理学者の方が『自粛が明けた後、人が集まる業種・業態が、その後一気に成長するであろう』との話をされていました。パチンコ業界がそうなることを願い、また、その時に人が集まる店舗になるべく今回のお話を参考にしていただければ幸いです。

本連載をお読みいただいている頃には、コロナウイルス問題収束に向けてのトンネルの出口が見え、自粛が明け、通常営業されている事を願うばかりです。

◆著者プロフィール
三輪 勝治
㈱エムシック代表取締役
1985年立教大学法学部卒業。パチンコ業界大手周辺機器メーカーに勤務。遊技台情報公開システム、情報ネットワークシステムの開発に携わる。退職後、One To One顧客管理システムの開発・販売会社設立に参加。業界初の顧客遊技履歴データネットワークシステムを立ち上げる。システム開発、セミナー講師、等幅広く活動。2016年10 月株式会社エムシック設立。
URL www.ai-cis.com
Mail info@ai-cis.com

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