ダイナムが全店舗の分煙を宣言、先行実施店のデータも公表

投稿日:2020年1月21日 更新日:

藤本社長が、ダイナム全店舗で分煙を展開し、受動喫煙のない健康的なホールを提供する、と宣言。

ダイナムは1月15日、都内で「2020完全分煙PROJECT」の発表会を開き、2020年4月1日からの改正健康増進法の全面施行にあわせて、全店舗で分煙を展開し、受動喫煙のない健康的なホールを提供すると宣言した。

また2019年10月から分煙を展開している先行5店舗の設備対策や分煙化による客層の変化についてもデータを公開した。

藤本達司社長は今回の宣言について、「改正健康増進法の趣旨は望まない受動喫煙をなくすことだ。一般社会と共存していく上で本法の趣旨をみたすため、ダイナムは全店舗の分煙を実施していく」と語った。

加熱式たばこへの対応については、「加熱式たばこの安全性が現在もなお担保されていない以上、ダイナムでは加熱式たばこを含めて受動喫煙を不可とする」と説明し、加熱式たばこを吸いながら遊技ができる加熱式たばこ専用喫煙室や専用フロアは設けない方針を示した。

さらに、「パチンコユーザーの約半数が喫煙している現状から、ホールの禁煙化に不安を覚えるパチンコホールも多いと思う。しかし、喫煙率が減少を続けている中、喫煙可能という形態が多くの非喫煙者、見込み客を遠ざけている可能性もあるのではないか。何より社会からの要請が今回の改正健康増進法であり、パチンコ業界ではこれからも足並みを揃えて法改正の趣旨に沿った対策を取るべきだと考えている」と強調した。

一方、分煙を実施する先行5店舗の状況について、設備・施設担当役員の川野創平取締役と、営業担当役員の松岡大成取締役がそれぞれ説明した。

分煙実施店舗は《ダイナム宮城仙台新港店》、《栃木小山喜沢店》、《滋賀高島店》、《新小岩店》、《鳥取安長店》で、立地やオープン日、喫煙専用室のスペースなどが異なっている。

これらの先行実験を受けて、同社の今後の分煙対策の標準仕様は、①ホール喫煙専用室の設置、②バックヤードの従業員喫煙室の設置、③自動吸殻回数装置への蓋の設置、④喫煙室入口、店舗出入口へ喫煙種別看板の設置、の4点になると報告した。

喫煙室の広さは9人程度が利用できるスペースとし、店内に1ヵ所を設置する。その他、店外にも各出入口の側に喫煙所を設置する。

喫煙室の設置費用に関して川野取締役は、「最少では250万円程度、稼働状況が良ければ少し面積を広げて、プラスアルファになると考えている」と説明した。

臭気対策では複数の清掃方法により、実施前とその後の臭気を測定。何も対策をしなかった店舗でも2ヵ月後には弱いニオイまで減少したことを報告し、川野取締役は、「経費を掛けずにやっていっても、時間が経過すればお客様にとっても不快のない状況になると考えている」と述べた。

店内と店外の喫煙状況については《滋賀高島店》で調査した結果、店内喫煙室が53.4%、店外喫煙スペースが46.6%と報告。「意外に店外の利用が多いことがわかった。注意していきたのは出入口付近に店外喫煙スペースを設けた際に、副流煙が店内に流入しないよう、出入口から3メートルを離して屋外喫煙スペースを設置していきたい」(川野取締役)と語った。

完全分煙化による遊技層への影響について説明した松岡取締役は、完全分煙の低レート業態の『信頼の森』と、喫煙可の低レート業態の『ゆったり館』の客層を比較したところ、完全分煙店舗のほうが、男女とも60代、70代が高くなっていると報告した。

また、先行5店舗で分煙切替時に行ったアンケート結果では、来店客の約10%が過去1年間に遊技をしていなかった客層だったとし、「分煙というキーワードは、少なからず休眠ユーザーを掘り起こす可能性は高いと考えている」(松岡取締役)と分析した。また、休眠ユーザーは低レートへ復帰する傾向にあると述べた。

先行5店舗の分煙化に伴う販促については、「ユーチューブやGoogle広告なども活用したが、来店の動機になったのはチラシの方が多かった。パチンコを知らないお客様に何を伝えるか、そうしたキーワードがこれから必要になると考える」などと述べた。

なお、発表会ではその他、「パチンコ×健康」と題して、プロスカッシュプレイヤーの松井千夏選手(エスキュープロ所属)と杉本梨沙選手(ダイナム所属)がトークセッションをおこなった。

左から、プロスカッシュプレイヤーの松井選手、同じく杉本選手、藤本社長。

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