【コラム】ぱちんこ機の革命!?「通常時フラグ」の凄さについて解説します

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先般、開かれた「みんなのパチンコ・パチスロサミット2026」。通常時フラグを搭載されていた機種も参考出展されていた。

2026年11月以降、ぱちんこ機において「通常時フラグ」が認められることになりました。この「通常時フラグ」と聞いても、あまりピンときていない方も多いかと思います。「今までにも似たようなものがあったじゃないか」と思う方もいらっしゃるでしょう。しかし、昔ながらのぱちんこ開発者からすると、実は革命的ともいえる内容だったりします。本日は、そのあたりも含めて解説したいと思います(文=荒井孝太/㈱チャンスメイト 代表取締役)。

この記事のポイント

  • 「通常時フラグ」により、特定のフラグを契機に、通常時でも特定のゾーンへ移行するゲーム性が可能になる。
  • 革新的なのは、通常時に複数の状態を持てること。従来の限られた内部状態による開発上の制約が緩和される。
  • 過去には実現が難しかったアイデアを形にする余地が広がり、2026年11月以降、多様なゲーム性を持つ機種の登場が期待される。

ぱちんこ機の「通常時フラグ」とは?

非常に簡単に説明すると、ぱちんこ機の「通常時フラグ」とは、「特定のフラグを引くと、特定のゾーンに移行する」というものです。パチスロでは昔から存在する仕組みですので、パチスロのフラグをイメージしてもらうと理解しやすいかと思います。では、パチスロでは昔からあるこの仕組みが、なぜぱちんこでは革新的なのか。その理由について言及したいと思います。

そもそも、ぱちんこ機における状態変化は非常に限定されていた

ぱちんこ機というのは、内部状態が非常にシンプルにできています。開発上の区分でいいますと、基本的には「通常状態」「確変状態」の2種類。さらに、電チューの開放「あり・なし」の2種類があるため、組み合わせても4種類しか状態を持つことができませんでした。

電サポなし通常状態・・・通常
電サポあり通常状態・・・時短
電サポなし確変状態・・・潜伏確変
電サポあり確変状態・・・確変

最近は、いわゆる「1種2種混合機」と呼ばれる機械が溢れています。そのため、内部的にはひと昔前のように確変が搭載されるケースは非常に少なく、「時短状態」と「通常状態」の2種類しか搭載されていない機械がほとんどです。しかし、2025年7月に「LT3.0プラス」が発表された際、RUSH中に限って複数の状態を持つことが可能になりました。これは以前、こちら(※【コラム】ラッキートリガー3.0プラスがついに発表)でも解説した通りです。

そして今回、端的に言えば、通常時についても複数の状態を持つことが認められるようになったということです。実は、この「複数の状態を持てる」ということ自体が、革命的ともいえるポイントなのです。最近でこそ、スマパチのみ認められている「Cタイム」と呼ばれる仕組みを活用することで、ゾーンのようなゲーム性を作り出すことはできていました。

Cタイムについては、こちら(※【コラム】パチンコ「新Cタイム」について言及する)でも解説しています。

「CR天上のランプマスター」に見る過去の工夫

少し古い話になりますが、豊丸産業がリリースした『CR天上のランプマスター』という機械を覚えている方はいらっしゃいますでしょうか。この機械は内部的にはST機(ST127回)となっており、見た目上は通常時に見えるものの、1回転目~127回転目までは電チューサポートの付かない「潜伏確変」となっています。そして128回転目になると、内部状態が潜伏確変から通常状態へ転落します。もちろん、電チューサポートはどちらの状態でも付きません。しかし、内部状態が変化することで、大当たり時の振り分けを変えることができるようになります。

1回転目~127回転目までの潜伏確変状態で大当りした場合、次回電サポが付くRUSH状態への突入割合は11%。一方、天上に到達した128回転目以降に大当りした場合は、次回RUSH状態への突入率が100%となります。STと潜伏確変を組み合わせたこの仕様は2010年にリリースされ、当時は非常に話題になりました。今でも好きな機種として挙げる方は少なくありません。ただし、現在の仕様から考えると、これは非常に贅沢な作りでもあります。

なぜなら、この仕様を実現する場合、通常時と潜伏確変時の大当たり確率をほぼ同じにしなければ成立しないからです。潜伏確変を「通常時と同じように見せる」ことがゲーム性のポイントになりますので、両者の大当たり確率に大きな差があると、そのゲーム性自体が成立しにくくなります。また、確変中についても通常時に近い大当たり確率となるため、電チューサポート状態が続くとはいえ、確変ベースによっては出玉が減少してしまう可能性があります。昔の時短機にも同様の問題がありましたね。

さらに、大当たり確率を大幅に高めることができないため、出玉スピードも非常に緩やかなものにせざるを得ません。当然ながら、2つの大当たりを1つに見せて3,000発を獲得させるといった、現在主流となっているような仕様を搭載することも不可能です。

開発者が考えても実現できなかったゲーム性が可能に?

このように、「こうすれば面白いゲーム性になる!」と頭では理解していても、実際に実現しようとすると仕様がとてつもなく制限されてしまう。そのため、多くの開発者が一度や二度は考えたものの、実現にまでは至らなかった仕様も数多くあったのではないかと推測します。しかし、今回の基準改定によって自由度がさらに増し、そのうえで通常時にも複数の状態を持たせることが可能となりました。

こうして考えてみると、今後のぱちんこ機にさらなる可能性を感じさせる、まさに「革命的」ともいえる基準改定であることがお分かりいただけたかと思います。2026年11月以降、各メーカーの開発者がさまざまなアイデアを盛り込み、これまで以上に多種多様な機械を生み出してくるのではないでしょうか。私も含め、どのような機械が登場するのか、その時を心待ちにしたいと思います。

通常時のゲーム性の広がりに注目


「通常時フラグ」の意義は、通常時に複数の状態を持たせることで開発の自由度が高まる点にあります。今後は、各メーカーがこの仕組みをどう活用し、これまで実現できなかったゲーム性を形にするかが注目されます。

◆プロフィール
荒井孝太
㈱チャンスメイト 代表取締役

パチンコメーカー営業、開発を歴任後、遊技機開発会社チャンスメイト(https://chancemate.jp/)を設立。パチンコ業界をより良く、もっと面白くするために、遊技機開発業務の傍ら、ホール向け勉強会や全国ホール団体等の講演会業務など広く引き受ける。

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