【コラム】機種選定における試打で本当に見るべきポイントとは

投稿日:2026年7月27日 更新日:

前回のコラムでは、プレイヤーは機種をスペックではなく「自分の中で描けるストーリー」で選んでいるという話をしました。では、そのストーリーが描けるかどうかをどのように判断するのか。今回は実機試打時のチェックポイントについてお話しします(小島信之/トビラアケル代表取締役)。

まず重要なのは、「説明を受けずに打つこと」です。多くのプレイヤーはスペックや演出を理解しきらないまま遊技を始めます。つまり試打とは「無知なプレイヤーになりきる作業」であり、ここがズレると評価もズレてしまいます。通常時に何を待てばいいか分かるか。保留変化や先読みなど、何がチャンスなのか直感的に理解できなければ、「何を期待していいか分からない」状態になります。これはストーリーの入口がない状態です。

次に、当たりまでの流れが想像できるか。どの演出が強く、どこまで行けば当たりそうか。そして外れた時に「まだありそう」と思えるかが大切です。期待を完全に裏切る構造は、ストーリーを断絶させます。さらに重要なのが、大当たり突入が自分でも出来そうと感じるかです。実際の数値ではなく、体感として「いけそう」と思えるか。この感覚がなければ、その時点で選ばれません。

そして、大当たり中は、その機種の評価が決まる時間です。ここで感じるのは単なる出玉ではありません。当たりの気持ち良さ、テンポ、継続への納得感。これらが噛み合うことで、「この流れは続くかもしれない」という感覚が生まれます。特に不可欠なのは、「次も当たりそう」という期待です。人はこの“期待が続く状態”に依存します。

最後に重要なのが、大当たりの終わり方です。プレイヤーは体験を平均で評価しているのではなく、「終わった瞬間の感情」で印象を決めています。あっさり終われば物足りず、理不尽なら不信感が残る。しかし納得できる終わり方であれば、「もう一度この流れを体験したい」という感情に繋がります。大当たり中から終了までの体験は、「次の遊技に繋がる感情を作る時間」なのです。

これらを通して見るべきなのは、通常時→当たり→突入→出玉→終了という流れが、一つのストーリーとして自然に繋がっているかどうかです。機種選定とはスペックを見ることではなく、「初めて触ったプレイヤーがどんな物語を感じるか」を試打で体感し判断する作業です。その物語に“続き”を感じられる機種だけが、長く選ばれ続けるのです。

◆プロフィール
小島信之(こじまのぶゆき)
トビラアケル代表取締役

2018年まで首都圏、静岡、大阪に展開するホール企業で機種選定を担当。2019年に独立し、その分析力を活かしエンタープライズの全国機種評価等を開発。現在はメーカーの遊技機開発、ホールコンピュータの機能開発など、幅広い分野に携わり、変態的なアイディアを提供している。馬と酒とスワローズをこよなく愛する。

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