【コラム】ジャグラーBTなら10%は達成できる。それでも「BT10」の切り札にならない理由

投稿日:2026年7月17日 更新日:

日電協は、2027年6月までにBT機の設置台数シェアを10%へ引き上げる「BT10」を掲げています。2026年6月の通常総会では、BT機の市場占有率が3.3%にとどまっていることが示されましたが、目標達成に向けた具体策も動き始めています。同年7~9月には、保通協およびGLI Japanへの型式試験申請にBT機専用枠を設けるトライアルが実施され、2027年2月にはBT機を含む低・中射幸機の強化月間も予定されています(ジェイさん@発信する遊技機ブランドプロデューサー/J-BEAT合同会社代表)

では、BT10を最短で達成する方法は何でしょうか。そこで思い浮かぶのが、「ジャグラーのBT化」です。ジャグラーシリーズは、現在のパチスロ市場において、極めて大きな設置規模を持っています。仮に主力シリーズがBT機として登場し、既存のメダル機と入れ替われば、BT比率10%への到達は一気に現実味を帯びます。しかし、それでBT10が目指す市場の課題まで解決するのでしょうか。

■BT10は設置比率だけの目標ではない

BT10は、BT機をAT機とノーマルタイプに続く「第三の柱」に育てる構想です。その背景には、高コイン単価AT機が存在感を強める一方、比較的射幸性を抑えたノーマルタイプとの間に、ユーザーが選べる中間的な選択肢が不足しているという市場構造があります。こうした偏りを和らげ、投資負担や遊技スタイルに応じて機種を選べる環境を広げることも、BT機に期待される役割の一つです。

つまり、BT10には設置比率10%という数字だけでなく、高コイン単価AT機に偏った市場へ、比較的射幸性を抑えながら、異なる遊技性を持つ新たな選択肢を増やす意味もあると考えます。

■ジャグラーBTだけでは市場構成は変わらない

仮にメダル機のジャグラーがジャグラーBTへ置き換われば、BT機の設置比率は上昇します。しかし、減るのは、もともと低コイン単価であるメダル機のジャグラーシリーズです。高コイン単価AT機の台数が変わらなければ、市場全体における低・中射幸機の割合はほとんど増えません。BT10という数字は達成できても、市場全体のコイン単価上昇を抑えるという課題は残ります。

重要なのは、「何台がBT機になったか」ではなく、「BT機が何と入れ替わったか」です。同じ10%でも、既存ノーマル機をBT化して作った10%と、高コイン単価AT機の一部を置き換えて作った10%では、市場に与える意味が異なります。

■BT機に必要なのは『新たな入口』

もちろん、ジャグラーBTには価値がないという話ではありません。仮に登場すれば、BT機の認知拡大やスマスロへの移行に、大きな影響を与える可能性は高いでしょう。

一方、これまでに登場したBT機の多くは、既存のノーマルタイプを再構築した機械だと捉えています。従来からノーマル機を遊技してきたユーザーには受け入れやすいものの、「BT機が登場したから新たに打ってみよう」と感じさせる入口を作れた機械は、まだ多くありません。BT機を第三の柱へ育てるには、ノーマル機の延長線上にありながら、その遊技対象を広げる必要があります。特に求められるのは、これまでノーマル機に難しさや入りづらさを感じていた層にも、選択肢として届く機械を生み出すことです。

既存のノーマルユーザーをBT機へ移行させるだけでなく、これまでノーマル機を選ばなかったユーザーに新たな入口を提示できるか。BT10の成否は、設置比率10%という数字だけでなく、BT機によって遊技の選択肢とユーザー層をどこまで広げられたかという視点から見ていく必要があるのではないでしょうか。

◆プロフィール
・ジェイさん@発信する遊技機ブランドプロデューサー
J-BEAT合同会社代表

遊技機の価値を、開発起点で市場に届ける仕事をしています。
パチスロ開発(2007年〜現役)
X(旧Twitter):https://twitter.com/jsan65536

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