【コラム】足を引っ張る機種プロモーションの実態

投稿日:2026年7月15日 更新日:

失敗しない売り場プロモーション_56(文=野島崇範/株式会社プラスアルファ専務取締役)

現在のパチンコ店の機種プロモーションは導入されたばかりの顧客欲求の高い最新台と、過去に導入された顧客欲求の低い既存機種を掛け合わせるのが定番となっています。

例えば、『e東京喰種 超デカ超一撃ver.』が導入された時に、昨年4月に導入された『e東京喰種』と掛け合わせた設置台数プロモーション展開を行っているお店が多かったです。また東京喰種シリーズとして、週間おすすめとして2機種を打ち出しているお店も多かったです。

『e新世紀エヴァンゲリオン ~はじまりの記憶~』(エヴァ17)が導入された時も、『新世紀エヴァンゲリオン〜未来への咆哮〜』(エヴァ15)の2機種で打ち出しておりました。前回7月号のコラムにも記載したように、パチンコ店の店長の「大きく見せたい」思考が最新台機種と既存機種を連動させる動きとなっています。そして、店舗側はあわよくば、既存機種の増客も狙っています。

しかし、現実はどうでしょうか?

最新台しか集客できず、同時に訴求している既存機種は全く稼働していません。つまり、顧客視点で捉えると、間違った取り組みであると言えます。しかし、過去の成功体験や既成概念にとらわれて、増客しない無意味な取り組みを継続しています。

●業界以外の事例に当てはめる

既成概念を壊すためには、どうすれば良いのでしょうか?

客観的に取り組みを捉えることが重要です。そのための一つが、アウトプットした企画や取り組みを一度、パチンコ業界以外の取り組みに当てはめることをおすすめします。例えば、2025年6月に発売された「Nintendo Switch 2」と連動して、2017年3月に発売された初代「Nintendo Switch」を家電量販店で打ち出していて、初代「Nintendo Switch」は欲しくなるでしょうか?

2025年6月時点の「Switch2」と初代「Switch」の検索量を比較すると、「Switch2」は274万の検索数。一方、初代「Switch」は45万の検索数。約6倍の検索数の差がありました。恐らく、「Switch2」を「Switch」と検索している人を含めると、もっと大きな差です。

現代の顧客欲求は検索数に現れます。そのため、検索数の少ない欲求のないものを、どれだけ掛け合わせても魅力的な広告にはなりません。顧客欲求の高い単一のものを明確に打ち出す時代です。

パチンコ店も同様です。顧客欲求の低い低稼働な既存機種と比較するより、顧客欲求の高い機種を一機種明確に打ち出すことが、顧客反応を生み出します。

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◆プロフィール
・野島崇範(のじま たかのり)
1983年三重県生まれ。北海道教育大学卒。全国のホールを年間1,000店舗以上調査し、その中から繁盛店に共通する法則を見つけ出し「伝達力」と定義。「伝達力」調査の分析に基づき、お客様立場の徹底と継続の重要性を、支援先ホールの全スタッフと共有する。また、売り場ランチェスター戦略の第一人者として、科学的に売り場の支援を実施。売り場の書籍「あなたの売り場、太っていませんか?」を発売。

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