【コラム】インバウンドとは? そしてパチンコ店にとって必要な一手となるのか?

投稿日:2024年7月16日 更新日:

失敗しない売り場プロモーション㉜(文=野島崇範/株式会社プラスアルファ専務取締役)

各業界で注目されるインバウンド集客

「インバウンドとは?」という検索数が2024年1月90,500から5月201,000へ2倍以上伸びています。その背景には、日本政府が2023年3月に閣議決定した「観光立国推進基本計画」が順調に推移していることが一つに挙げられます。

インバウンド(Inbound)とは、外国人が訪れる旅行のことを指します。日本へのインバウンドを訪日外国人旅行または訪日旅行と言います。

2024年1月~5月の平均値

インバウンドの早期目標として「訪日外国人旅行消費額5兆円」が、2025年までの目標として「訪日外国人旅行者数の2019年水準(3,188万人)超え」「訪日外国人旅行消費額単価20万円(2019年16万円)」「一人当たり地方部宿泊数2泊(2019年1.4泊)」などが掲げられます。足元では単月で訪日外客数がコロナ禍前水準まで回復しているほか、一人当たり消費単価も20万円を超える水準となっています。

そのため、様々な業界でインバウンドに取り組もうと模索し始めました。パチンコ業界でも大阪なんばの千日前のパチンコ激戦区など、一部の商圏でインバウンド集客に対して模索し始めております。

しかし現時点ではインバウンド集客に取り組もうと考えている企業は非常に少ないのが実情です。ただ、パチンコ業界もいつかは本腰を入れることを見越して、インバウンド集客にどのように取り組めば良いのか方向性を示します。

集客にあわせて最適な媒体を選ぶ

まずはインバウンド集客も、パチンコ店の集客も集客の基本構造は同じです。ただし、集客したいターゲット国に合わせて活用するメディア媒体を選定する必要があります。

先日、打ち合わせをした大阪のパチンコ企業では韓国の訪日外国人客を集客したいと話しており、広告代理店に相談したら圧倒的にWEB検索エンジンとしてシェアを誇る「NAVER」が良いと勧められたそうです。

しかし、それは昔の話で現在は圧倒的なシェアではなく、「Google」との差が数年で縮まっています。そのため、2024年モデルのWEB検索エンジンやSNSを選ぶ必要があります。

韓国のWEB検索エンジンの変化

話を戻します。集客は顧客欲求を捉えることから始まります。我々人間は自分自身の欲求のあるものにしか興味を示しません。

先日、私の取引先へ研修を実施している最中、コンビニのローソンが2024年6月に49周年を迎えるため、創業を記念して話題の47%増量の「盛りすぎチャレンジ」を実施していることを知っているか質問をしました。50名程度参加する勉強会でしたが、2割しかご存じなかったです。世の中で話題になっていても、欲求がなければ47%増量の「盛りすぎチャレンジ」を実施していることさえ知らないのです。

検索状況から顧客欲求を捉える

顧客欲求を捉えるためには、お客様の検索状況を知ることです。本コラムでは何度も伝えておりますが、検索は欲求です。知りたいから、欲しいから、買いたいから、打ちたいから調べるのです。つまり、調べるという行為は欲求の表れなのです。

例えば、7月下旬に導入予定の『ミスタージャグラー』の顧客欲求は何でしょうか? それは、「きつね 意味」や「リプレイ キャラ」です。そのため、『ミスタージャグラー』の広告を強化するなら、きつねというキャラクターがリプレイキャラであることを想起させる広告展開が大事です。

『ミスタージャグラー』のマインドマップ

『ミスタージャグラー』広告デザインポスター例
©KITA DENSHI

同様に「pachinko」と調べた英語圏の方々はどのような欲求を持っているのでしょうか? 例えば、検索結果を見ると「pachinko parlor meaning」とパチンコの意味について調べているため、その欲求を切り口にデザイン化しています。

「pachinko」のマインドマップ

インバウンド集客のための広告デザインポスター例

顧客欲求を捉えずに、日本国内の集客もインバウンド集客も不可能です。将来、インバウンド集客がパチンコ店の集客力を高める一手になるかどうかは、現在の日本国内の集客にどのように向き合うかが重要です。

【お知らせ】
『ミスタージャグラー』のデザインならデザイン定期便
https://www.uriba-design.com/

◆プロフィール
・野島崇範(のじま たかのり)
1983年三重県生まれ。北海道教育大学卒。全国のホールを年間1,000店舗以上調査し、その中から繁盛店に共通する法則を見つけ出し「伝達力」と定義。「伝達力」調査の分析に基づき、お客様立場の徹底と継続の重要性を、支援先ホールの全スタッフと共有する。また、売り場ランチェスター戦略の第一人者として、科学的に売り場の支援を実施。売り場の書籍「あなたの売り場、太っていませんか?」を発売。

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