失敗しない売り場プロモーション⑦(文=野島崇範/株式会社プラスアルファ専務取締役)
プロ声優の音声を二次的・三次的利用する
前回のコラムでは、視覚訴求55%に頼るだけではなく、聴覚訴求38%も組み合わせた情報発信が現時点では最強の広告宣伝であることを解説しました。現在、東京都内では繁盛店を中心に広がりつつあるため、数年後には聴覚プロモーションはひとつの武器として使われていることが想定されます。
ただし、運用方法は前回のコラムで解説したものとは大きく逸脱して、お客様に伝わらない間違った発信となりそうです。特にプロ声優という声の波形が重要です。詳細は前月号をご覧下さい。
今回は、折角、プロ声優の音声データが納品されたのであれば、二次的利用および三次的利用で転用することをお勧めします。そのひとつが、YouTube広告です。
YouTube広告に音声を吹き込んでいますか?
多くの店舗が動画のクオリティばかり気にしています。そして、動画にはBGMだけ入れただけで、音声のセリフは入れていないことが多いです。これはお客様立場で考えると、正しいことなのでしょうか?
では、視点を変えて考えましょう。現在、YouTubeの視聴形態はどうなっているでしょうか? なにか別のことをしながらYouTubeを視聴する「ながら視聴」はどの程度の割合だと思いますか? 下記のグラフをご覧ください。
朝の支度をしながら/朝食を食べながら/入浴しながらなど「ながら視聴」の割合をそれぞれ足し合わせると79.4%存在します。つまり、画面を見ていない瞬間が存在するということです。
そのため、いかに動画の質をこだわったとしても、残念ながら見ていないのだからこだわりは伝わりません。実際に、弊社では動画制作会社に依頼して10万円で作った動画と、スタッフが作った動画をABテストとしてYouTube広告を実施しました。
その結果、動画のクオリティでの差は全くなかったです。この結果を見て愕然としました。YouTube広告は「ながら視聴」を前提に作り込む必要があります。
ABテストとは?
YouTube広告などを最適化するために実施するテストの一つです。Aパターン、Bパターンを作成し、ランダムにユーザーに表示し、それぞれの成果を比較することで、より高い成果を得られるパターンを見つけることができます。「A/B」テストという名前ではありますが、もちろん3パターン以上でテストすることも可能。
だからこそ、YouTube広告にもプロの声優のセリフを二次的利用として組み込むことが重要なのです。さらに、YouTube広告とLINEで音声プロモーションを強化したら、風除室や店頭で使用できる商業用の2~3万円の大型スピーカーを購入して、売り場でも聴覚刺激を連動させることをお勧めします。
【お知らせ】
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◆プロフィール
・野島崇範(のじま たかのり)
1983年三重県生まれ。北海道教育大学卒。全国のホールを年間1,000店舗以上調査し、その中から繁盛店に共通する法則を見つけ出し「伝達力」と定義。「伝達力」調査の分析に基づき、お客様立場の徹底と継続の重要性を、支援先ホールの全スタッフと共有する。また、売り場ランチェスター戦略の第一人者として、科学的に売り場の支援を実施。売り場の書籍「あなたの売り場、太っていませんか?」を発売。